


γ-グルタミルトランスフェラーゼ(γ-GTP)ってどんな検査値なんだろう?
・臨床検査値のことを学びたい
・γ-グルタミルトランスフェラーゼ(γ-GTP)について知りたい
この記事はこういった悩みをもった方向けです。



こんにちは。薬剤師のあおい(@yaku_medical)です!
この記事では、臨床検査値のアルカリホスファターゼ(ALP)についてまとめていきます!
【臨床検査値】γ-グルタミルトランスフェラーゼ(γ-GTP)ってどんな検査値?
γ-グルタミルトランスフェラーゼ(γ-GT,γ-GTP)とは?
γ-グルタミルトランスフェラーゼ(γ-GT / 一般的にはγ-GTPとも呼ばれます)は、タンパク質を分解・合成する酵素の一つです。実は、体内で最も多く存在しているのは「腎臓」です。
しかし、血液中(血清)に漏れ出ているγ-GTの大部分は、肝細胞の毛細胆管膜や胆管上皮に由来するため、主に「肝胆道系疾患のスクリーニング検査」として非常に有用とされています。
💡 腎臓が悪いと数値はどうなる?
腎臓に一番多く存在する酵素ですが、腎障害が起きた時、腎臓のγ-GTは「尿中」に排泄されてしまいます。そのため、腎臓が悪くても血液中の数値(血清γ-GT)が上昇することはありません。
📝 単位「U(ユニット)」とは?
U(ユニット)は「酵素活性量の単位」です。至適条件において、酵素が1分間に1μmol(マイクロモル)の基質を変換することができる酵素の能力(量)が「1U」と定義されています。
γ-GTが増加すると?
健康診断などでγ-GTの値が基準値から外れていた場合、その数値の高さによって疑われる疾患や原因が変わってきます。お手元の検査結果と照らし合わせてみてください。
| γ-GT値(U/L) | 主な原因・疑われる疾患 |
|---|---|
|
男性:13~64 女性:9~32 |
✅ 基準範囲(健康な状態です) |
| 40 以下 |
妊娠、経口避妊薬(ピル)の服用 など ※女性の基準値内も含まれますが、妊娠中などは数値が低下する傾向があります。 |
| 40 ~ 100 |
急性・慢性持続性肝炎、肝硬変、脂肪肝、糖尿病 など ※軽度の上昇。食べ過ぎによる脂肪肝などが疑われます。 |
| 100 ~ 400 |
慢性活動性肝炎、肝細胞がん、胆汁うっ滞、アルコール性肝障害 など ※中等度の上昇。日常的なお酒の飲みすぎでよく見られる数値です。 |
| 500 以上 |
アルコール性肝障害、胆汁うっ滞、転移性肝がん、膵がん、総胆管結石 など ※高度の上昇。胆管の詰まりや深刻なアルコール性肝障害が強く疑われます。 |
📌 Point:数値が「100」を超えたら要注意!
100を超えてくると、アルコールによる肝臓への負担がかなり大きくなっているサインです。さらに500を超えるような異常値の場合は、アルコールだけでなく、胆管に石が詰まる「総胆管結石」や「がん」などの重篤な病気が隠れている可能性があります。
γ-GTと病例
γ-GTの数値が高い場合、それ単独で原因を特定するのは困難です。AST、ALT、ALPといった他の「肝・胆道系酵素」と組み合わせて総合的に見ることで、肝臓や胆管のどこに異常が起きているのかを推測することができます。
Point
- ① γ-GT(γ-GTP)は、アルコールの飲みすぎや薬の服用などの影響で異常値を示すことがある。
- ② γ-GTの上昇だけで原因を特定するのは困難。ASTやALT、ALPなど他の検査値と組み合わせて総合的に見る必要がある。
※異常値が続く場合や、他の数値も高い場合は、必ず医療機関を受診してください。
▼AST・ALTについてはこちらでまとめています。


▼ALPについてはこちらでまとめています。


関連問題
臨床検査値に関する次の記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
- γ-グルタミルトランスフェラーゼ(γ-GT)が、体内で最も多く存在している臓器は肝臓である。
- γ-GTは、アルコールやフェノバルビタールなどの薬物によって生合成が亢進(酵素誘導)される。
- アルコール性肝障害では、通常、血清中のAST値よりもALT値の方が高値を示す。
- 胆汁うっ滞(閉塞性黄疸)では、血清中のALP値は上昇するが、γ-GT値は低下する。
- 腎障害時には、腎臓に存在するγ-GTが血液中に大量に逸脱するため、血清γ-GT値の著しい上昇が認められる。
▼ タップして解答・解説を見る
γ-GTが体内で最も多く存在している臓器は腎臓です。
ただし、血液中(血清)に存在するγ-GTの大部分は肝細胞や胆管由来であるため、肝胆道系の検査として用いられます。
γ-GTは、アルコールの常飲やフェノバルビタールなどの一部の薬物によって、ミクロソーム系の酵素が誘導(生合成が亢進)され、血中濃度が上昇します。
そのため、アルコール性肝障害や薬物性肝障害の重要な指標となります。
アルコール性肝障害では、通常、ALTよりもASTの方が高値(AST/ALT比が1以上)を示します。
逆に、慢性肝炎や脂肪肝などでは、ALTの方が高値(AST/ALT比が1未満)を示すことが多くなります。
胆汁うっ滞などの閉塞性黄疸では、γ-GTとALPは並行してどちらも著しく上昇します。
これらは胆道系酵素と呼ばれ、胆管の詰まりの指標としてセットで評価されます。
腎障害時には、腎臓のγ-GTは血液中ではなく尿中に排泄されます。
そのため、腎機能が低下しても血清γ-GT値の著しい上昇は認められません。
最後に
今回は、臨床検査値のγ-グルタミルトランスフェラーゼ(γ-GT)についてまとめていきました。



他の臨床検査値について知りたい方はこちらで紹介しています♪












