【臨床検査値】血糖値(GLU)とHbA1cの違いは?基準値や糖尿病の診断基準を薬剤師が分かりやすく解説【薬剤師国家試験】

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あおい

健康診断の「血糖値」と「HbA1c」ってどんな検査値なんだろう?

・臨床検査値のことを学びたい
・血糖値について知りたい
・HbA1cについて知りたい

この記事はこういった悩みをもった方向けです。

あおい

こんにちは。薬剤師のあおい(@yaku_medical)です!

この記事では、健康診断で行われる「血糖値(GLU)」と「HbA1c(グリコヘモグロビン)」についてまとめていきます!

目次

【臨床検査値】健康診断の「血糖値」と「HbA1c」って何が違うの?

血糖(GLU)について

🔍 血糖(GLU)と HbA1c(グリコヘモグロビン)

私たちが摂取した「炭水化物」は、体内で単糖類である「ブドウ糖」に分解されて吸収されます。この血液中に含まれるブドウ糖のことを「血糖(GLU)」と呼びます。

📍 血糖値(GLU)の性質

血糖値は、食事や運動によって刻一刻と変化します。「その瞬間」の状態を知るには最適ですが、変動が激しいため、長期的な血糖コントロールの指標としては不向きです。

【基準値】 73 ~ 109 mg/dL 未満
血糖値とHbA1cの反映期間の違い
📈 HbA1c(グリコヘモグロビン)の役割

長期的な血糖コントロールの指標として欠かせないのが「HbA1c」です。赤血球中のヘモグロビンとブドウ糖が結合したもので、過去1~2ヶ月間の平均的な血糖値を反映します。
検査当日の食事や運動などの一時的な影響を受けないのが最大のメリットです!

グリコヘモグロビン(HbA1c)について

💡 なぜHbA1cで「過去1〜2ヶ月」がわかるの?

赤血球の中に含まれるヘモグロビン(Hb)は、血液中でグルコース(ブドウ糖)と結合して「グリコヘモグロビン(HbA1c)」に変化します。

⏳ ポイントは「赤血球の寿命」にあり!

いったん糖化したヘモグロビンは、赤血球の寿命(約120日)が尽きるまで、元のバラバラの状態に戻ることはありません。

この「戻らない性質」があるため、HbA1cを測ることで過去1~2ヶ月前からの平均的な血糖状態を遡って知ることができるのです。

HbA1cの一般的な基準値
4.9 ~ 6.0 %

血糖スパイクについて

🥗 要注意!「血糖値スパイク」を防ぐ食習慣

食後に血糖値が急上昇し、その後急降下することを「血糖値スパイク」といいます。 これは動脈硬化との関連が深く、将来的な血管トラブルを防ぐためにも、スパイクを起こさない食生活が非常に重要です。

血糖値スパイクのイメージグラフ
✅ 血糖スパイクを抑える「食べ方」のコツ
・よく噛んでゆっくり食べる
満腹感を早期に得られるため、自然と食事量を抑えることができます。
・「ベジファースト」を心がける
食べる順番を「野菜 ➔ タンパク質 ➔ 炭水化物」の順にすることで、小腸での糖の吸収を緩やかにします。
⚠️ こんな食生活はスパイクが起きやすい!
① 朝食を抜いて昼食を食べる(欠食)
お腹が空いた状態でいきなり食べると、血糖値が一気に跳ね上がります。
② 炭水化物オンリーの食事
おにぎりだけ、カップラーメンだけといった食事は避けましょう。
💡 ワンポイントアドバイス:
白米を「もち麦」や「五穀米」に変えるだけでも効果的です。炭水化物を極端に減らすのではなく、「質」を変える工夫をしてみましょう!
あおい

糖値スパイクを避ける上で重要なのが「食事」と「運動」です。

GI(グリセミック・インデックス)について

🛒 賢い食品選びの指標「GI値」を活用しよう

血糖値の上がりやすさを示す指標を「GI(グリセミック・インデックス)」といいます。 数値が低い食品ほど、食後の血糖値の上昇が緩やかになります。毎日の食事に「低GI食品」を取り入れるのが健康維持のコツです!

⚠️ 高GI食品(一気に上がりやすい)
高GI食品の例(白米、パン、お菓子など)
✨ 低GI食品(ゆっくり上がる)
低GI食品の例(玄米、そば、大豆製品など)
👩‍⚕️ 薬剤師からのアドバイス:
「白いもの(白米・パン)」を「茶色いもの(玄米・全粒粉パン・そば)」に変えるだけでもGI値を下げることができます。無理な食事制限ではなく、まずは「置き換え」から始めてみましょう!

病院での血糖値と自己測定した血糖値は違う?

💉 測る場所で変わる?採血部位と血糖値の関係

病院で行う腕からの採血と、自宅で指先から行う自己測定では、実は見ている「血液の種類」が異なります。そのため、測定した部位によって血糖値には差が生じます。

📍 病院での採血:静脈血
組織でブドウ糖が消費された「後」の血液。
📍 自己測定(指先):指頭血(毛細血管)
組織にブドウ糖を配っている「途中の」血液。
【 血糖値が高い順 】
静脈血 指頭血 (毛細血管) 動脈血
👩‍⚕️ なぜ差が出るの?

ブドウ糖をたっぷり含んだ「動脈血」は、毛細血管を通って全身の細胞に糖を配ります。その配っている最中の「毛細血管(指頭血)」は糖がまだ多めですが、細胞で使われた後の帰り道である「静脈血」は、ブドウ糖が減った状態になるため、値が低くなるのです。

糖尿病とインスリン

⚠️ 放置は厳禁!高血糖が引き起こす「合併症」
💉 インスリンと血糖値の関係

血糖値を下げる唯一のホルモン「インスリン」が不足すると、血液中に糖が溢れる「高血糖状態」になり、糖尿病が疑われます。
逆にインスリンが効きすぎると、脳などのエネルギーが不足する「低血糖」を引き起こすため、絶妙なコントロールが必要です。

暗記必須!「細い血管」の障害
🍄 3大合併症の覚え方:『し・め・じ』
神経障害
網膜症
腎症
🏙️ 「太い血管」が障害されると…

高血糖状態が続くと血管壁が傷つき、動脈硬化が進行します。これにより心筋梗塞や脳卒中など、命に関わる大きな病気のリスクが高まります。

糖尿病の診断基準

📊 覚えておきたい「糖尿病」の診断基準

糖尿病の診断には、主に「血糖値」と「HbA1c」の2つが使われます。下記の①〜④のいずれかが確認されると「糖尿病型」と判定されます。

項目 糖尿病型の基準 内容
① 空腹時血糖値 126 mg/dL以上 10時間以上の絶食後に測定。正常なら110未満です。
② 食後2時間血糖値 200 mg/dL以上 75gOGTT(糖負荷試験)などで、食事開始から2時間後の値。
③ 随時血糖値 200 mg/dL以上 食事時間を考慮せずに採血。正常なら140を超えることはありません。
④ HbA1c (NGSP) 6.5 %以上 過去1~2ヶ月前の平均血糖値を反映します。
🩺 「糖尿病」と診断される組み合わせ
  • 血糖値(①〜③)のいずれか + HbA1c(④) が確認された場合
  • 別日の検査で、2回とも「糖尿病型」が確認された場合
💡 初回検査だけでも診断できるケース

血糖値が「糖尿病型(①〜③)」を示し、かつ次のいずれかが認められる場合は即診断となります。
典型的な症状(口渇、多飲、多尿、体重減少など)がある
・確実な糖尿病網膜症が認められる

糖尿病の病型と治療方法

あおい

糖尿病には、4つのタイプがあり、治療方針も異なります。

🩺 糖尿病の「4つの分類」と治療の違い
🔹 1型糖尿病

インスリンを作る膵臓のランゲルハンス島β細胞の障害により、インスリンの分泌が極端に少なくなることで発症します。

【治療】
インスリン療法
🔸 2型糖尿病

インスリンに対する細胞の反応性が低下し、血糖値が下がりにくくなることで発症します。生活習慣との関連が深いです。

【治療】
経口血糖降下薬
👶 妊娠糖尿病

妊娠中に初めて発症したり、診断されたりした糖代謝異常のことです。母体と赤ちゃんの健康のために厳格な管理が必要です。

【治療】
インスリン療法
🏥 その他の疾患によるもの

甲状腺機能亢進症、膵炎、肝炎、肝硬変、クッシング症候群など、他の病気が原因で高血糖を示すことがあります。

【治療】
経口血糖降下薬

関連問題

📝 実戦問題

糖尿病の検査指標に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. HbA1cは、検査前1〜2日間の平均血糖値を反映する指標である。
  2. 自己検査用グルコース測定器で測定する指頭血(毛細血管血)の血糖値は、同時点での静脈血の血糖値よりも低い。
  3. HbA1c(NGSP値)が 6.5% 以上であれば、それだけで「糖尿病」と診断してよい。
  4. 赤血球の寿命が短縮する溶血性貧血などでは、HbA1cは実際の血糖コントロール状態よりも低値を示すことがある。
▼ タップして解答・解説を見る
正解: 4
1. 誤り ❌

HbA1cは、過去1〜2ヶ月間の平均血糖値を反映する指標です。

2. 誤り ❌

指頭血(毛細血管血)は、ブドウ糖が消費される前の血液であるため、消費された後の静脈血よりも血糖値は高くなります

3. 誤り ❌

HbA1cが6.5%以上(糖尿病型)であっても、原則として血糖値の基準も満たしているか、別日の再検査が必要です。ただし、典型的な症状や網膜症がある場合は初回でも診断可能です。

4. 正しい ⭕

HbA1cは赤血球の寿命に依存します。寿命が短くなる溶血性貧血などでは、糖化する時間が短くなるため、数値が偽低値を示すことがあります。

最後に

今回は、健康診断で行われる「血糖値(GLU)」と「HbA1c(グリコヘモグロビン)についてまとめていきました。

あおい

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【臨床検査値】血糖値(GLU)とHbA1cの違いは?基準値や糖尿病の診断基準を薬剤師が分かりやすく解説

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