・臨床検査値のことを学びたい
・アミラーゼ(AMY)について知りたい
この記事はこういった悩みをもった方向けです。
みなさんは、「アミラーゼ」という検査値をご存知でしょうか?
「アミラーゼ」という検査値は、意外と知られていない検査値ですが、結構重要な検査値です。
今回は、臨床検査値のアミラーゼ(AMY)についてまとめていきます!
目次
【臨床検査値】膵臓の検査値のアミラーゼ(AMY)ってどんな検査値?
アミラーゼ(AMY)について
🔍 アミラーゼ(AMY)の正体と役割
アミラーゼは、デンプンやグリコーゲンなどの多糖類をバラバラに分解する消化酵素のひとつです。
主に「膵臓」と「唾液腺」から分泌され、急性膵炎や慢性膵炎の診断に非常に役立つ指標となります。
💡 数値が高くなる主な原因
血液中や尿中のアミラーゼが増加している場合、基本的には「膵臓」や「唾液腺」に何らかのトラブルが起きているサインです。
また、アミラーゼは「腎臓」から排泄されるため、腎機能が低下している場合も数値が上昇することがあります。
アミラーゼ(AMY)の基準値
44 ~ 132 U/L
💡 豆知識:U(ユニット)ってなに?
酵素活性の単位です。1分間に1μmol(マイクロモル)の物質を変換できる酵素の量を「1U」と定義しています。
アミラーゼの種類
📊 P型?S型?上昇している種類でわかる病気
アミラーゼは作られる場所によって構造が異なり(アイソザイム)、どれが上昇しているかを調べることで、原因となっている臓器を特定できます。
🔸 S型アミラーゼ(唾液腺由来)
💉 疑われる疾患:
- 流行性耳下腺炎(おたふく風邪)
- 外科手術後、外傷
- 肺がん、卵巣がん など
⚖️ P型・S型の両方が上昇する場合
腎不全(排泄低下)、肝硬変 などが疑われます。
📝 「尿中アミラーゼ」を測る理由
アミラーゼは腎臓から尿中に排泄されます。慢性膵炎など、血液中での増加が目立たない疾患の場合でも、尿中アミラーゼを測ることで異常を見つけられることがあります。
アミラーゼが異常値を示す原因
📊 異常値が出たら?原因疾患と年齢による違い
👶
年齢による数値の変動
アミラーゼは年齢によって基準値が異なります。新生児では成人の1/10程度と非常に低く、成長に伴って上昇し、10歳前後でおおむね成人と同じ値になります。子供の数値が低くても、成長過程であれば心配ないことが多いです。
🔺 高値(132 U/L以上)を示す主な疾患
膵臓のトラブル
- 急性膵炎・慢性膵炎の急性増悪
- 膵のう胞・膵がん
- 膵石による膵管閉塞
唾液腺・その他消化器
- ムンプス(おたふく風邪)・唾石
- 胆嚢炎・イレウス
- 十二指腸潰瘍穿孔
その他の特殊なケース
- マクロアミラーゼ血症
- 異所性妊娠による破裂
- 腎不全(排泄低下)
🔻 低値(44 U/L以下)を示す主な疾患
数値が低すぎる場合は、アミラーゼを作る工場(膵臓)そのものがダメージを受け、機能が落ちている可能性があります。
・進行した慢性膵炎(膵臓の荒廃)
・膵切除後 など
Point
📝 おさらい!アミラーゼ(AMY)の重要ポイント
Point 1
「膵臓」と「唾液腺」の異常を知らせるサイン
アミラーゼは炭水化物を分解する消化酵素であり、主に膵臓と唾液腺から分泌されます。数値が高い場合は、これらの臓器に炎症や閉塞などの異常が起きている可能性を示しています。
Point 2
P型かS型か、腎機能はどうかをチェック
数値が高い原因を特定するには、アミラーゼの種類(P型=膵臓、S型=唾液腺)を調べるアイソザイム検査が有用です。また、アミラーゼは腎臓から排泄されるため、腎機能の状態も数値に大きく影響します。
Point 3
アミラーゼ単体での診断は困難!
💡 大切なこと:
アミラーゼ値のみで病名を断定することはできません。他の血液検査項目(リパーゼやCRPなど)や画像診断、自覚症状を合わせ、医師が総合的に判断する必要があります。
関連問題
📝
実戦問題
アミラーゼ(AMY)に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
-
血中AMYには、主に膵臓由来のP型と、唾液腺由来のS型のアイソザイムが存在する。
-
急性膵炎では、発症後数時間で血中AMYが上昇し、その後、数週間にわたって高値を維持する。
-
AMYは分子量が大きいため、正常な腎機能であっても尿中には排泄されない。
-
マクロアミラーゼ血症では、AMYと免疫グロブリンが結合しているため、血中AMY活性は著しく低下する。
▼ タップして解答・解説を見る
正解:
1
1. 正しい ⭕
記述の通りです。血中アミラーゼには、膵臓由来のP型と唾液腺由来のS型があり、これを調べることで原因部位の推定が可能です。
2. 誤り ❌
急性膵炎では発症後早期に上昇しますが、消失も早く、通常は2〜3日程度で正常化します。数週間にわたって高値が続く場合は、膵のう胞などの合併症を疑います。
3. 誤り ❌
アミラーゼは分子量が比較的小さいため、糸球体で濾過され尿中に排泄されます。そのため、尿中アミラーゼも診断に利用されます。
4. 誤り ❌
マクロアミラーゼ血症では、免疫グロブリンと結合して巨大化するため腎排泄が低下し、血中AMY活性は持続的に高値を示します。
まとめ
今回は、臨床検査値のアミラーゼ(AMY)についてまとめていきました。
他の臨床検査値について知りたい方はこちらで紹介しています♪
»臨床検査値を学ぶ
より詳しく検査値のことを学びたい方は下記の書籍がわかりやすくてオススメです♪
»
薬剤師のための基礎からの検査値の読み方 臨床検査専門医×薬剤師の視点
¥3,520 (2022/12/08 17:02時点 | Amazon調べ)
ポチップ