


抗不整脈薬のVaughan Williams(ヴォーン・ウィリアムズ)分類、ややこしすぎて絶望的…Ⅰa群とかⅠb群とか、薬の名前が似すぎてて国試本番で絶対間違える…
この記事は、そんな悩みを持つ薬学生や新人薬剤師さん向けです。



こんにちは!薬剤師のあおい(@yaku_medical)です。
薬理学・病態で多くの薬学生が一度は挫折する「抗不整脈薬(Vaughan Williams分類)」。
今回は、最も分類がややこしいⅠ群(Na⁺チャネル遮断薬)のa・b・c群を、神ゴロで一発暗記しちゃいましょう✨
- Ⅰa群(活動電位持続時間を延長)のゴロ
- Ⅰb群(心室性に有効)のゴロ
- Ⅰc群(活動電位持続時間不変)のゴロ
- 各群の「国試で狙われる特徴・ひっかけポイント」
- 知識を定着させる!国試レベルの問題にチャレンジ
「活動電位グラフ」の見方



抗不整脈薬(Vaughan Williams分類)をマスターするための最大のカギは、この「活動電位のグラフ」を理解することです!
どのタイミング(相)で、どのイオンが動いているか?」が分かれば、薬の作用機序は暗記しなくても自然と導き出せるようになります。


細胞外からNa⁺(ナトリウム)が一気に流入し、グラフが急激にプラスへ立ち上がります。心臓が「ドクン!」と収縮する合図です。
K⁺が外に出ようとする働きと、Ca²⁺(カルシウム)が細胞内へ流入する働きが釣り合い、グラフが平坦(プラトー)になります。
Ca²⁺の流入が終わり、K⁺(カリウム)が勢いよく細胞外へ流出します。これにより、細胞内が再びマイナスの状態へ戻っていきます。
イオンポンプ(Na⁺-K⁺ ATPaseなど)が働き、細胞の内外のイオンバランスを元の状態(静止膜電位)に戻して維持します。
⚠️ 国試で問われる重要キーワード!「不応期」


グラフが盛り上がっている間、細胞は次の刺激を受け付けない「休憩モード」になります。
抗不整脈薬はこの期間をコントロールすることで、異常な脈(不整脈)が連発するのを防いでいます。
① 絶対不応期(青い部分)
どんなに強い刺激が来ても、絶対に次の興奮(活動電位)が起きない期間。
② 相対不応期(赤い部分)
通常よりも強い刺激が来れば、興奮を起こすことができる期間。
Vaughan Williams分類Ⅰ群の覚え方
Ⅰa群のゴロ



家のプロ味を気に してピエーと泣く♪
なぜⅠa群は「活動電位持続時間(APD)」が延びるの?



国試で必ずと言っていいほど問われる「Ⅰa群=APD延長」「Ⅰb群=APD短縮」の違い。
文字の丸暗記でも解けますが、心筋の「活動電位」のグラフとセットでメカニズムを理解しておくと、本番でど忘れしても自分で答えを導き出せるようになります!


心筋が興奮(脱分極)した後、元のマイナスの状態に戻ろうとする過程を「再分極(第3相)」と呼びます。このとき、細胞内のプラスのイオンであるK⁺(カリウム)が細胞外へ出ていくことで、細胞内がマイナスに戻っていきます。
Ⅰa群の薬はメインの「Na⁺チャネル」だけでなく、実は「K⁺チャネル」も遮断してしまいます。
出口を塞がれるため、K⁺が細胞の外へ出ていきにくくなります(K⁺流出抑制)。
プラスのイオンがなかなか外に出られないため、細胞内がプラスのまま長引きます。結果としてグラフの山が横にビヨーンと延びる(再分極の遅延)ため、活動電位の最初から最後までにかかる時間、つまり「活動電位持続時間(APD)」が延長するのです!
⚠️ 臨床での注意点(国試頻出!)
APDが延長するということは、心電図上では「QT間隔の延長」として現れます。
QT延長は、致死性不整脈であるトルサード・ド・ポアンツ(TdP)を引き起こすリスクがあるため、副作用の知識として非常に重要です!
Ⅰb群のゴロ



ワンピー(ワンピース)のアプリメキメキリード!
なぜⅠb群は「活動電位持続時間(APD)」が短縮するの?



Ⅰa群が「延長」したのに対し、Ⅰb群は「短縮」するのが国試での最大のひっかけポイントです。
「えっ、同じNa⁺チャネル遮断薬なのになぜ逆になるの?」と疑問に思うかもしれません。
その秘密は、活動電位の「プラトー相(第2相)」にあります!


心筋の活動電位の平坦な部分(プラトー相:第2相)では、実はほんのわずかにNa⁺が細胞内へダラダラと入り続けています(これを遅延Na⁺電流と呼びます)。これが、山を平坦に保つ要因の一つです。
Ⅰb群の薬は、この「プラトー相でダラダラ入ってくるNa⁺」をサクッと遮断します。
また、Ⅰa群のように「K⁺チャネルを邪魔する作用」は持っていません。
プラトー相を維持するためのNa⁺が入ってこないため、早めにK⁺が外に出ていく「再分極」のフェーズに切り替わってしまいます。結果としてグラフの山が左にギュッと縮まり、「活動電位持続時間(APD)」が短縮するのです!
💡 さらに深く理解する!国試の応用知識
Ⅰb群の薬(リドカインなど)は、元気な心筋細胞よりも、心筋梗塞などで傷ついた(虚血状態の)細胞のチャネルに強く結合するという特徴(使用依存性ブロック)を持っています。
だからこそ、Ⅰb群は「心筋梗塞後の心室性不整脈」に劇的な効果を発揮するのです!実務の問題で頻出なので、ぜひ併せて覚えておきましょう!
Ⅰc群のゴロ



プロのパフェ買いに行くど!
なぜⅠc群は「活動電位持続時間(APD)」が「不変」なの?



Ⅰc群は、活動電位持続時間(APD)が「不変(変わらない)」のが特徴です。
グラフの「最初の立ち上がり(第0相)」に注目すると、Ⅰc群の強力なパワーが見えてきます!


Ⅰc群は、Ⅰ群の中でもNa⁺チャネルを遮断する作用が最も強力です。そのため、細胞が一気に興奮する最初の立ち上がり(第0相:脱分極)の勢いがガクッと落ち、グラフの坂道がかなり緩やかになります。
立ち上がりこそ抑え込みますが、Ⅰa群のようにK⁺の出口を塞いだり(再分極遅延)、Ⅰb群のようにプラトー相を短くしたりするお節介は焼きません。再分極のプロセス(第3相)には全く影響を与えないのが特徴です。
最初のスタートダッシュ(立ち上がり)はゆっくりになりますが、その後のペースは通常通りなので、グラフの最初から最後までのトータルの長さである「活動電位持続時間(APD)」は変わらない(不変)という結果になります!
💡 さらに深く理解する!心電図とのリンク
最初の立ち上がり(第0相:心室の脱分極)が遅くなるということは、心電図上ではどうなるでしょうか?
正解は、心室の興奮を表す「QRS波の幅が広がる(QRS幅の開大)」です!
強力なNa遮断作用を持つⅠc群は、このQRS幅の開大が顕著に現れるため、国試でも非常によく狙われます!
Ⅰ群のまとめ
| 分類 | 活動電位持続時間 (APD) |
代表薬(ゴロ) | 国試頻出!超重要ポイント |
|---|---|---|---|
| Ⅰa群 | 延長(↑) |
【家のプロ味を気にしてピエーと泣く】 プロカインアミド、アジマリン、ジソピラミド、キニジン、シベンゾリン、ピルメノール |
・K⁺チャネルも遮断するためAPDが延長。 ・ジソピラミドは抗コリン作用が強く、緑内障や前立腺肥大症に禁忌。 ・副作用の「低血糖」に注意。 |
| Ⅰb群 | 短縮(↓) |
【ワンピーのアプリメキメキリード】 アプリンジン、メキシレチン、リドカイン |
・「主に心室性」の不整脈に有効。 ・メキシレチンは糖尿病性神経障害に伴う自覚症状(自発痛・しびれ感)の改善にも適応あり。 |
| Ⅰc群 | 不変(→) |
【プロのパフェ買いに行くど】 プロパフェノン、フレカイニド、ピルシカイニド |
・Na⁺チャネル遮断作用が最も強力。 ・心機能抑制作用が強いため、うっ血性心不全や心筋梗塞後の患者には禁忌。 |
Vaughan Williams分類 Ⅱ群の覚え方



Ⅱ群はβブロッカー!




Vaughan Williams分類 Ⅲ群の覚え方



あぁ、 そんなに 延長 K(ケー)!
※Ⅲ群は、K⁺チャネル遮断薬
Vaughan Williams分類 Ⅳ群の覚え方



四角いカルシウム、 上でベラベラしゃべる
その他の薬



抗不整脈薬には、Vaughan Williams分類(Ⅰ〜Ⅳ群)には属さないものの、国試で頻出の「ジギタリス製剤(ジゴキシンなど)」があります。
ここだけは別枠で、確実にポイントを押さえておきましょう!
心電図の基本とカリウム異常



これで抗不整脈薬はバッチリですね!最後に、不整脈の問題で必ずセットで出題される『心電図の基本とカリウム異常』をサクッと確認して、完璧にマスターしましょう!」


※消失すると心房細動
※K⁺の動きが反映される!
- PR(PQ)間隔: 心房の興奮と房室伝導時間
- QT間隔: 電気的心室収縮時間(※Ⅲ群の薬などで延長する部分!)


- T波が異常に高く、尖る(増高)。
- 重症化すると心停止のリスクあり。
- 原因例:ACE阻害薬やARB、K保持性利尿薬の使用、腎不全など


- T波の山が低くなり、平らになる。
- T波の後に「U波」が目立つようになる。
- 原因例:ループ利尿薬やチアジド系利尿薬の使用、クッシング症候群など
関連問題
最後に
今回は、薬剤師国家試験対策として「病態・薬物治療」や「薬理」の範囲で使える抗不整脈薬(Vaughan Williams分類)のゴロご紹介しました。
ゴロで覚える薬学シリーズでは、使いやすいゴロや覚え方をご紹介しています。



薬剤師国家試験に向けて他のゴロが知りたい方はこちらで紹介しています♪






