フク太郎
コレステロールってどんな検査値なんだろう?
・臨床検査値のことを学びたい
・コレステロールについて知りたい
この記事はこういった悩みをもった方向けです。
こんにちは。薬剤師のあおい(@yaku_medical)です!
この記事では、脂質代謝の検査値であるコレステロールについてまとめていきます!
目次
【臨床検査値】コレステロールってどんな検査値?
血液中脂質の輸送について
臨床検査で測定する血液中の脂質には、下記のようなものがあります。
✅コレステロール(Cho)
✅トリグリセリド(TG)
✅脂肪酸
✅リン脂質
これらの脂質は、血液中で運ばれやすくするために「アポ蛋白」に包まれた複合体を形成しており、この複合体を「リポ蛋白」といいます。
リポ蛋白について
リポ蛋白は、比重の違いで5種類に分けられています。
✅コレステロール(Cho):LDL分画・HDL分画に多い
✅トリグリセリド(TG):VLDV分画・CM分画に多い
HDL-C・LDL-C・TCについて
HDL分画中のコレステロールを「HDL-C」、LDL分画中のコレステロールを「LDL-C」といい、HDL-C・LDL-C・VLDL-Cの総量を「総コレステロール(TC)」と言います。
脂質異常症の診断基準
家族性高コレステロール血症(FH)について
「家族性高コレステロール血症(FH)」は、LDLを細胞に取り込む際の受容体に異常がある遺伝的疾患です。この異常により、LDLが取り込めず結果的にLDL-Cが上昇する。若年齢(40歳以下)で、動脈硬化性疾患を起こしやすいという特徴があります。
家族性高コレステロール血症(FH)を見つけ出すPoint |
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①15歳以上で未治療時LDL-Cが「180(mg/dL)以上」 |
②皮膚黄色腫(黄色っぽいイボ状の塊) |
③親族に高LDL-Cや心筋梗塞の既往歴があるか |
健診のデータなどの相談で、LDL-Cが「180(mg/dL)以上」ある場合は、家族歴の聞き取りや皮膚黄色腫の有無などにより、場合によって受診勧奨が必要です。
Point
TC・LDL-C・HDL-CのPoint | 疑われる疾患 | 内容 |
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①コレステロール関連検査値が全て低い | ・肝硬変 ・慢性肝炎 ・甲状腺機能亢進症 ・悪性腫瘍 ・血液疾患 (貧血、急性白血病、悪性リンパ腫など) | 血液中のコレステロールの70~80%は肝臓で作られているため、肝機能の低下が考えられる。また、栄養不足、甲状腺機能亢進でも数値は低くなる。 |
②LDL-Cが極めて高い場合 | 家族性高コレステロール血症(FH) | LDL-Cが極めて高い場合は、「家族性高コレステロール血症(FH)」が疑われる。FHは、LDL受容体関連遺伝子の変異による疾患で、家族歴で若年の心筋梗塞者が多いのが特徴である。40歳以下で、LDL-Cが200(mg/dL)以上の場合、FHの可能性が高い。FHは、眼瞼黄色腫(がんけんおうしょくしゅ)を伴う。 |
③HDL-Cが低い場合 | 低HDLコレステロール血症 | HDL-Cが低い場合(40未満)は、余分なコレステロールを取り除く機能が低下し、冠動脈疾患の発症リスクが上昇する。その際、トリグリセリド(TG)も上昇することが多い。 |
④HDL-Cが高い場合 | ・家族性CEPT欠損症 ・アルコール多飲 ・原発性胆汁性肝硬変 ・薬物投与 (インスリン・脂質異常症薬) | HDL-Cが高い場合(100以上)は、コレステロールエステル転送蛋白酵素が遺伝的に欠損している「家族性CEPT欠損症」の可能性がある。また、アルコール多飲、原発性胆汁性肝硬変、薬物投与(インスリン・脂質異常症薬)などでもHDL-Cは高くなる場合がある。 |
⑤年齢による影響 | 閉経女性は、有経女性に比べ、総コレステロール(TC)、LDL-Cは高値となる。閉経によるエストロゲンの低下により、肝臓のLDL受容体からのLDLの取り込みが低下するためである。 |
最後に
今回は、脂質代謝の検査値であるコレステロールについてまとめていきました。
他の臨床検査値について知りたい方はこちらで紹介しています♪
お気軽にどうぞ!