第111回
問38
💊 必須問題|薬理
甲状腺ペルオキシダーゼ阻害による甲状腺ホルモン合成抑制薬
問題文
甲状腺ペルオキシダーゼを直接阻害することで、甲状腺ホルモンの生合成を抑制するのはどれか。1つ選べ。
1
プロチレリン
—
2
リオチロニン
—
3
レボチロキシン
—
4
プロピルチオウラシル
—
5
ヒトチロトロピン アルファ
—
正解です!
素晴らしい!下の解説も確認してみましょう。
不正解です。正解は 4(プロピルチオウラシル) です。
下の解説でしっかり確認しましょう!
解説を見る
▼
プロピルチオウラシル(PTU)は抗甲状腺薬で、甲状腺内の甲状腺ペルオキシダーゼ(TPO)を直接阻害します。TPOはヨウ素の酸化・チログロブリンへのヨード化・甲状腺ホルモン(T₃・T₄)の合成に必須の酵素です。さらにPTUは末梢でT₄→T₃への変換(脱ヨード酵素)も阻害するため、甲状腺クリーゼにも有用です。
🔑 甲状腺ホルモン合成の流れとPTUの作用点
ヨウ素摂取 → TPOによりヨウ素活性化・チログロブリンヨード化 → T₃・T₄合成
↑ PTU・チアマゾール(MMI)がここを阻害
PTUの追加作用:T₄ → T₃への末梢変換も阻害(チアマゾールにはない)
ヨウ素摂取 → TPOによりヨウ素活性化・チログロブリンヨード化 → T₃・T₄合成
↑ PTU・チアマゾール(MMI)がここを阻害
PTUの追加作用:T₄ → T₃への末梢変換も阻害(チアマゾールにはない)
| 選択肢 | 薬剤名 | 分類・作用 |
|---|---|---|
| 1 | プロチレリン | TRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)製剤 → TSH分泌促進。甲状腺機能検査に使用 |
| 2 | リオチロニン | T₃(トリヨードサイロニン)製剤 → 甲状腺ホルモン補充薬。甲状腺機能低下症に使用 |
| 3 | レボチロキシン | T₄(チロキシン)製剤 → 甲状腺ホルモン補充薬。甲状腺機能低下症・橋本病に使用 |
| 4 ★ | プロピルチオウラシル(PTU) | TPO直接阻害 → 甲状腺ホルモン合成抑制。さらにT₄→T₃末梢変換も阻害。バセドウ病・甲状腺クリーゼに使用 |
| 5 | ヒトチロトロピン アルファ | 組換えヒトTSH製剤 → 甲状腺刺激。甲状腺がん術後の残存甲状腺組織の診断・アブレーションに使用 |
⚠️ 引っかけポイント:
・プロチレリン(選択肢1)はTRH製剤で甲状腺刺激ホルモンの分泌を促進する。甲状腺ホルモン合成を抑制するのではなく促進方向
・リオチロニン(選択肢2)・レボチロキシン(選択肢3)は甲状腺ホルモンそのものの補充薬。合成阻害とは逆の方向
・ヒトチロトロピン アルファ(選択肢5)はTSH製剤で甲状腺を刺激する。甲状腺ホルモン合成を促進する方向
・プロチレリン(選択肢1)はTRH製剤で甲状腺刺激ホルモンの分泌を促進する。甲状腺ホルモン合成を抑制するのではなく促進方向
・リオチロニン(選択肢2)・レボチロキシン(選択肢3)は甲状腺ホルモンそのものの補充薬。合成阻害とは逆の方向
・ヒトチロトロピン アルファ(選択肢5)はTSH製剤で甲状腺を刺激する。甲状腺ホルモン合成を促進する方向
臨床メモ
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💊 薬剤師 あおい
抗甲状腺薬にはPTU(プロパジール®・チウラジール®)とチアマゾール(メルカゾール®)の2種類があります。通常はチアマゾールが第一選択ですが、妊娠初期(器官形成期)にはチアマゾールによる催奇形性リスクのためPTUが推奨されます。妊娠中のバセドウ病患者さんが来局したら、処方薬と妊娠週数を確認することが大切です。
PTU・チアマゾールともに重大な副作用として無顆粒球症があります。発熱・咽頭痛・口内炎が現れたら直ちに受診するよう患者さんに伝えましょう。服用開始後2か月以内に起こりやすいため、特に初期のフォローが重要です。










