第111回
問40
💊 必須問題|薬理
アロマターゼ阻害によるエストロゲン生合成抑制・乳がん治療薬
問題文
アロマターゼを阻害することで、エストロゲン生合成を抑制する乳がん治療薬はどれか。1つ選べ。
1
フルベストラント
—
2
アナストロゾール
—
3
タモキシフェン
—
4
ゴセレリン
—
5
ラパチニブ
—
正解です!
素晴らしい!下の解説も確認してみましょう。
不正解です。正解は 2(アナストロゾール) です。
下の解説でしっかり確認しましょう!
解説を見る
▼
アナストロゾール(アリミデックス®)はアロマターゼ阻害薬です。アロマターゼは副腎由来のアンドロゲンをエストロゲンに変換する酵素で、これを阻害することで体内のエストロゲン産生を抑制し、エストロゲン受容体陽性乳がんの増殖を抑えます。閉経後女性に使用されます。
🔑 ホルモン受容体陽性乳がんの治療薬を整理
・アロマターゼ阻害薬:アナストロゾール・レトロゾール・エキセメスタン → エストロゲン産生↓(閉経後)
・エストロゲン受容体拮抗薬:タモキシフェン(SERM)・フルベストラント(SERD)
・LH-RH作動薬:ゴセレリン・リュープロレリン → 卵巣からのエストロゲン産生↓(閉経前)
・HER2阻害薬:ラパチニブ・トラスツズマブ → HER2陽性乳がんに使用(ホルモン受容体とは別経路)
・アロマターゼ阻害薬:アナストロゾール・レトロゾール・エキセメスタン → エストロゲン産生↓(閉経後)
・エストロゲン受容体拮抗薬:タモキシフェン(SERM)・フルベストラント(SERD)
・LH-RH作動薬:ゴセレリン・リュープロレリン → 卵巣からのエストロゲン産生↓(閉経前)
・HER2阻害薬:ラパチニブ・トラスツズマブ → HER2陽性乳がんに使用(ホルモン受容体とは別経路)
| 選択肢 | 薬剤名 | 分類・作用機序 |
|---|---|---|
| 1 | フルベストラント | SERD(選択的エストロゲン受容体分解薬)→ エストロゲン受容体に結合して分解促進・拮抗(エストロゲン産生は抑制しない) |
| 2 ★ | アナストロゾール | アロマターゼ阻害 → アンドロゲン→エストロゲン変換を阻害 → エストロゲン産生↓(閉経後女性に使用) |
| 3 | タモキシフェン | SERM(選択的エストロゲン受容体調節薬)→ 乳腺ではエストロゲン受容体を拮抗(産生は抑制しない) |
| 4 | ゴセレリン | LH-RH作動薬(持続投与でLH・FSH分泌抑制)→ 卵巣のエストロゲン産生↓(閉経前女性に使用) |
| 5 | ラパチニブ | HER2・EGFRチロシンキナーゼ阻害薬 → HER2陽性乳がんに使用。エストロゲン産生とは無関係 |
⚠️ 引っかけポイント:
・フルベストラント(選択肢1)もエストロゲン関連の乳がん治療薬だが、エストロゲン受容体を分解する薬。エストロゲンの産生自体は抑制しない
・タモキシフェン(選択肢3)もホルモン陽性乳がんに使うが、エストロゲン受容体の拮抗薬。アロマターゼ阻害ではない
・ゴセレリン(選択肢4)はLH-RH作動薬でエストロゲンを減らすが、アロマターゼ阻害ではなく下垂体→卵巣への指令を遮断する機序
・ラパチニブ(選択肢5)はHER2阻害薬でエストロゲンとは無関係
・フルベストラント(選択肢1)もエストロゲン関連の乳がん治療薬だが、エストロゲン受容体を分解する薬。エストロゲンの産生自体は抑制しない
・タモキシフェン(選択肢3)もホルモン陽性乳がんに使うが、エストロゲン受容体の拮抗薬。アロマターゼ阻害ではない
・ゴセレリン(選択肢4)はLH-RH作動薬でエストロゲンを減らすが、アロマターゼ阻害ではなく下垂体→卵巣への指令を遮断する機序
・ラパチニブ(選択肢5)はHER2阻害薬でエストロゲンとは無関係
臨床メモ
▼


💊 薬剤師 あおい
アナストロゾール(アリミデックス®)はエストロゲンを強力に低下させるため、副作用として骨粗鬆症・関節痛・ホットフラッシュ(のぼせ)が起こりやすいです。長期服用中の患者さんには骨密度検査の受診や、カルシウム・ビタミンDの補充についても情報提供できると良いでしょう。
アロマターゼ阻害薬は閉経後女性に使用されます。閉経前女性では卵巣が主なエストロゲン産生源ですが、アロマターゼ阻害薬で末梢のエストロゲンを低下させると、ネガティブフィードバックが外れて下垂体からのFSH・LH分泌が増加し、かえって卵巣でのエストロゲン産生が亢進してしまうためです。そのため閉経前女性には、LH-RH作動薬(ゴセレリン・リュープロレリン)で卵巣機能を抑制したうえでアロマターゼ阻害薬を用いるか、タモキシフェンが選択されます。処方箋を確認する際に患者さんの閉経状況と薬の組み合わせを意識しましょう。










