【第111回薬剤師国家試験】問44 薬物代謝酵素シトクロム P450 が局在する細胞内小器官 解説

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第111回 問44
第111回 問44
💊 必須問題|薬剤
薬物代謝酵素シトクロム P450 が局在する細胞内小器官
問題文
薬物代謝酵素シトクロム P450 が局在する主な細胞内小器官はどれか。1つ選べ。
1
エンドソーム
2
ゴルジ体
3
リソソーム
4
5
小胞体
正解です!
素晴らしい!下の解説も確認してみましょう。
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不正解です。正解は 5(小胞体) です。
下の解説でしっかり確認しましょう!
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シトクロム P450(CYP)は主に滑面小胞体(smooth ER)の膜上に局在する薬物代謝酵素です。肝細胞の滑面小胞体に特に豊富に存在し、薬物の酸化・還元・加水分解などのI相代謝反応を担います。ミトコンドリアにも一部のCYP(CYP11A1など)が存在しますが、薬物代謝の主体は小胞体です。

🔑 細胞内小器官と薬物代謝の関係
小胞体(滑面):CYP(I相代謝)・UGT(II相・グルクロン酸抱合)
細胞質(サイトゾル):スルホトランスフェラーゼ・グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(一部)
ミトコンドリア:MAO(モノアミン酸化酵素)・一部のCYP
リソソーム:加水分解酵素(薬物代謝の主体ではない)
選択肢細胞内小器官主な機能
1 エンドソーム 細胞内に取り込まれた物質の輸送・分別。受容体のリサイクルなどに関与。薬物代謝とは無関係
2 ゴルジ体 タンパク質の修飾・選別・分泌。糖鎖付加など。CYPは局在しない
3 リソソーム 細胞内消化(タンパク質・脂質・多糖の分解)。加水分解酵素を含むが薬物代謝の主体ではない
4 DNA・RNA合成。核内受容体(PXR・CAR)を介してCYPの発現を転写調節するが、CYP自体は局在しない
5 ★ 小胞体(滑面小胞体) CYP(シトクロムP450)が膜上に局在。薬物のI相代謝(酸化・還元・加水分解)を担う
⚠️ 引っかけポイント:
リソソーム(選択肢3)は加水分解酵素を多く含むが、CYPとは別の酵素群。薬物代謝の主体は小胞体
核(選択肢4)はCYPの転写を調節する核内受容体(PXR・CARなど)が存在するが、CYP酵素タンパク質自体は核には局在しない
・小胞体には粗面小胞体(リボソームが付着)と滑面小胞体があり、CYPが局在するのは滑面小胞体
臨床メモ
あおい
💊 薬剤師 あおい

CYPは主に肝臓の滑面小胞体に存在しますが、小腸粘膜上皮(CYP3A4)にも多く発現しており、経口薬の吸収時にも代謝を受けます。これが小腸での初回通過効果(腸管初回通過効果)です。グレープフルーツジュースに含まれるフラノクマリン類(ベルガモチンなど)が腸管のCYP3A4を不可逆的に阻害するため、一部の薬の血中濃度が上昇します。不可逆阻害のため、酵素が新たに合成されるまで効果が持続し、グレープフルーツを摂取してから約3日間は影響が続くとされています。

影響を受ける薬の代表例としてアムロジピン(カルシウム拮抗薬)があります。グレープフルーツとの併用で血中濃度が上昇し、過度の血圧低下・頭痛・動悸が起こるリスクがあります。ただしアムロジピンは他のCa拮抗薬と比べてグレープフルーツの影響を受けにくいとも言われており、影響の程度は薬によって異なります。ほかにシンバスタチン・シクロスポリンなども影響を受けやすい薬として知られています。

患者さんから「グレープフルーツは食べてはいけないと言われたが、他の柑橘類は大丈夫?」と質問される場面もあります。ポメロ・スウィーティーなども同様に注意が必要ですが、温州ミカン・レモン・ゆずなどは通常問題ないとされています。

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