第111回
問80
必須問題|法規・制度・倫理
医療コミュニケーション用語:互いに信頼感で結ばれている関係
問題文
医療コミュニケーションにおいて求められる「互いに信頼感で結ばれている関係」を示す言葉はどれか。1つ選べ。
1
レディネス
—
2
ラポール
—
3
エンパワメント
—
4
ナラティブ
—
5
コンプライアンス
—
正解です!
医療コミュニケーション用語は定義とセットで覚えましょう。
不正解です。正解は 2 ラポール です。
ラポール(rapport)はフランス語で「橋をかける」を語源とし、互いの信頼関係を意味します。
解説を見る
▼
正解:2 ラポール
ラポール(rapport):フランス語の「橋をかける」を語源とし、医療者と患者が互いに信頼感で結ばれている関係のこと。良好なラポールがあると患者は本音を話しやすくなり、服薬アドヒアランスや治療効果にも好影響をもたらす。
| 選択肢 | 用語 | 定義・意味 |
|---|---|---|
| 1 | レディネス | 患者が情報を受け取ったり行動変容したりするための準備状態・受け入れ態勢。「今この患者さんはこの話を聞ける状態か」を判断する際に使う概念 |
| 2 ★ | ラポール | 互いに信頼感で結ばれている関係。医療者と患者の間の信頼・共感・安心感 |
| 3 | エンパワメント | 患者自身が自己管理能力・意思決定能力を高め、主体的に健康管理できるよう支援すること。特に糖尿病・慢性疾患の患者教育で重視される |
| 4 | ナラティブ | 患者が語る「物語(narrative)」を重視した医療アプローチ。数値や診断名だけでなく、患者の生活・価値観・経験を聴くことで全人的な理解を目指す |
| 5 | コンプライアンス | 医療者の指示に患者が従うこと。近年は患者の主体性を尊重するアドヒアランス(患者自身が納得して治療に参加する)という概念に移行しつつある |
⚠️ 引っかけポイント:
・選択肢1(レディネス)は「準備状態」であり信頼関係そのものではない
・選択肢3(エンパワメント)は患者の「力を引き出す支援」であり、双方向の信頼関係(ラポール)とは異なる概念
・選択肢4(ナラティブ)は「語り・物語」の意味。信頼関係を構築する手段の一つではあるが、信頼関係そのものを指す言葉ではない
・選択肢5(コンプライアンス)は「指示への遵守」であり、信頼関係とは異なる概念
・選択肢1(レディネス)は「準備状態」であり信頼関係そのものではない
・選択肢3(エンパワメント)は患者の「力を引き出す支援」であり、双方向の信頼関係(ラポール)とは異なる概念
・選択肢4(ナラティブ)は「語り・物語」の意味。信頼関係を構築する手段の一つではあるが、信頼関係そのものを指す言葉ではない
・選択肢5(コンプライアンス)は「指示への遵守」であり、信頼関係とは異なる概念
臨床メモ
▼


薬剤師 あおい
服薬指導の現場でラポールを築くには、まず患者さんの話をしっかり聴くこと(傾聴)が基本です。アイコンタクト・うなずき・オープンクエスチョンの活用など、非言語コミュニケーションも含めた関わり方が信頼関係の土台になります。
この問題に出てくる5つの用語はセットで覚えると整理しやすいです。ラポール(信頼関係)を土台に、患者のレディネス(準備状態)を見極めながら説明を行い、患者のナラティブ(語り)に耳を傾けることでエンパワメント(自己管理能力の向上)を支援する。その結果として、指示に従うだけのコンプライアンスを超えたアドヒアランス(自発的な治療参加)が生まれる——という流れで理解しましょう。












