【第111回薬剤師国家試験】問81 安全キャビネット内での調製が最も推奨される薬剤 解説

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第111回 問81
第111回 問81
必須問題|実務
安全キャビネット内での調製が最も推奨される薬剤
問題文
安全キャビネット内での調製が最も推奨されるのはどれか。1つ選べ。
1
ファモチジン注射液
2
パクリタキセル注射液
3
ノルアドレナリン注射液
4
フェンタニルクエン酸塩注射液
5
注射用ドリペネム
正解です!
抗悪性腫瘍薬(HD)の調製には安全キャビネット(BSC)が必須です。
×
不正解です。正解は 2 パクリタキセル注射液 です。
パクリタキセルは抗悪性腫瘍薬(HD)であり、安全キャビネットでの調製が推奨されます。
解説を見る

正解:2 パクリタキセル注射液

安全キャビネット(BSC:Biological Safety Cabinet)は、調製者を有害な薬剤の曝露から守るための設備。抗悪性腫瘍薬などのハザーダスドラッグ(HD)は、調製時にエアロゾルや飛沫が発生すると調製者に健康被害をもたらすため、BSC内での調製が強く推奨される。パクリタキセル(タキソール®)は微小管安定化作用を持つ抗がん剤であり、典型的なHDである。
安全キャビネット(BSC)が必要
抗悪性腫瘍薬(HD)
例:パクリタキセル、シスプラチン、ドキソルビシンなど
→ 調製者への発がん・生殖毒性リスクあり
クリーンベンチ(無菌調製)が必要
一般的な注射剤の無菌調製
例:高カロリー輸液、一般注射薬など
→ 製剤の無菌性保護が目的(調製者保護は不要)
選択肢薬剤名分類・BSCの要否
1 ファモチジン注射液 H₂受容体拮抗薬(消化性潰瘍治療薬)。HDではなくBSC不要
2 ★ パクリタキセル注射液 微小管安定化薬(抗悪性腫瘍薬・HD)。BSC内での調製が最も推奨される
3 ノルアドレナリン注射液 昇圧薬(カテコラミン)。HDではなくBSC不要
4 フェンタニルクエン酸塩注射液 オピオイド鎮痛薬(麻薬)。麻薬管理は必要だがHDではなくBSC不要
5 注射用ドリペネム カルバペネム系抗菌薬。HDではなくBSC不要
⚠️ 引っかけポイント:
選択肢1(ファモチジン)は注射剤だがHDではない。H₂ブロッカーにBSCは不要
選択肢3(ノルアドレナリン)は昇圧剤として重症管理に使う薬だが、HDではなくBSCは不要
選択肢4(フェンタニル)は麻薬であり厳格な管理が必要だが、HD曝露対策としてのBSCは不要
選択肢5(ドリペネム)は抗菌薬。HDではなくBSC不要
臨床メモ
あおい
薬剤師 あおい

病院薬剤師がHD調製で実際に使う安全キャビネットは、陰圧構造になっており内部の空気が外に漏れない設計です。調製者はニトリルグローブの二重装着・ガウン・マスク・ゴーグルなどのPPE(個人防護具)を着用して作業します。抗がん剤を扱う薬剤師の職業性曝露リスクは長年問題視されており、日本でもISMP(医薬品安全使用研究所)やNIOSH(米国)のガイドラインを参考にしたHD管理の整備が進んでいます。

クリーンベンチとBSCは外見が似ていますが目的が正反対です。クリーンベンチは製剤を無菌に保つために清潔な気流を前面に吹き出す構造(調製者保護なし)、BSCは調製者を有害物質から守るために陰圧・排気フィルターを使う構造です。抗がん剤をクリーンベンチで調製すると、調製者に薬剤が吹きかかる危険があります。

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