【第111回薬剤師国家試験】問82 世界アンチ・ドーピング規程(WADA)の禁止成分 解説

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第111回 問82
第111回 問82
必須問題|実務
世界アンチ・ドーピング規程(WADA)の禁止成分
問題文
世界アンチ・ドーピング規程において、禁止されている成分はどれか。1つ選べ。
1
カフェイン
2
ストリキニーネ
3
サリチルアミド
4
デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物
5
グアイフェネシン
正解です!
ストリキニーネは興奮剤として常時禁止成分に指定されています。
×
不正解です。正解は 2 ストリキニーネ です。
ストリキニーネはWADA禁止成分(興奮剤)です。カフェインは2004年に禁止リストから外れています。
解説を見る

正解:2 ストリキニーネ

ストリキニーネはマチン科植物に含まれるアルカロイドで、中枢神経興奮作用(グリシン受容体拮抗)をもつ。競技能力を高める興奮剤(Stimulants)としてWADAの常時禁止リスト(S6)に指定されており、競技会内外を問わず使用が禁止されている。
選択肢成分名WADA規程での扱い
1 カフェイン 2004年以前は監視プログラム対象だったが、現在は禁止リストから除外。OTC医薬品・食品に広く含まれるため
2 ★ ストリキニーネ 常時禁止(S6 興奮剤)。競技会内外を問わず使用禁止
3 サリチルアミド 解熱鎮痛薬成分。WADA禁止リスト対象外
4 デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物 鎮咳薬成分。WADA禁止リスト対象外。コデインなどオピオイド系鎮咳薬と混同しないこと
5 グアイフェネシン 去痰薬成分。WADA禁止リスト対象外
OTC薬に含まれるWADA禁止成分に注意
アスリートが市販薬を使用する際、知らずに禁止成分を摂取してしまう「うっかりドーピング」が問題になっています。薬剤師が確認すべき主な禁止成分の例として、風邪薬・鼻炎薬などに含まれるプソイドエフェドリン(競技会時禁止)、喘息治療薬のサルブタモール(用量規定あり)、一部の強壮薬などがあります。アスリートから相談を受けた際は「アンチ・ドーピング相談窓口(JADA)」への確認を促すことも重要です。
⚠️ 引っかけポイント:
選択肢1(カフェイン)はかつて禁止対象だったが2004年に解除。「コーヒーを飲んだら失格」というイメージで禁止と思い込みやすい
選択肢4(デキストロメトルファン)はモルヒネ類似の化学構造を持つが、WADAでは禁止されていない。オピオイド鎮咳薬のコデインとは規制状況が異なる
臨床メモ
あおい
薬剤師 あおい

薬局でアスリートから「この薬は飲んでも大丈夫ですか?」と聞かれたとき、公益財団法人日本スポーツ協会(JSPO)の「使用可能薬リスト」が便利です。また、公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構(JADA)の「スポーツファーマシスト」制度「e-ドーピング相談」サービスも活用できます。ストリキニーネはグリシン受容体を拮抗する中枢神経興奮薬で、WADAの常時禁止リスト(S6)に指定されています。

JSPO 使用可能薬リスト(2025・2026年版)

以下は2025・2026年版(有効期限:2025年12月1日〜2026年12月31日)の内容を参考に作成しています。WADAの禁止表は毎年1月1日に改正されます。実際に使用する際は必ず最新のリストをご確認ください。

「使えるの?」と悩みやすい成分(2025・2026年版時点)
成分名分類・作用判定ポイント
カフェイン 中枢神経興奮 使用可 2004年に禁止リストから除外。コーヒー・エナジードリンクも可
デキストロメトルファン 鎮咳(非オピオイド) 使用可 市販の咳止めに広く含まれる。コデインと混同しないこと
ジフェンヒドラミン 第一世代抗ヒスタミン(眠気あり) 使用可 鎮静作用があるが禁止成分ではない。市販の風邪薬・鼻炎薬に含まれる
コデイン・ジヒドロコデイン オピオイド系鎮咳 使用可 競技会内外とも使用可。プソイドエフェドリン含有製品との混同に注意
プソイドエフェドリン 交感神経興奮(鼻閉改善) 競技会時禁止 市販の鼻炎薬・総合感冒薬に含まれる場合あり。要注意
エフェドリン(麻黄) 交感神経興奮 競技会時禁止 葛根湯など麻黄含有漢方にも含まれる
ストリキニーネ 中枢神経興奮(グリシン受容体拮抗) 常時禁止(S6) 本問の正解。競技会内外を問わず禁止
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