【第111回薬剤師国家試験】問89 クリニカルパスにおけるバリアンス 解説

  • URLをコピーしました!
第111回 問89
第111回 問89
必須問題|実務
クリニカルパスにおけるバリアンス
問題文
クリニカルパスにおけるバリアンスはどれか。1つ選べ。
1
治療計画からの治療方針の逸脱
2
投与計画の不備
3
アウトカムが達成されない状態
4
薬剤師による薬物治療への介入
5
患者からのクレーム
正解です!
バリアンスはパスどおりに進まなかった「ずれ」のことです。
×
不正解です。正解は 3 アウトカムが達成されない状態 です。
バリアンスとはクリニカルパスの予定通りにアウトカムが達成されなかった状態・事象のことです。
解説を見る

正解:3 アウトカムが達成されない状態

クリニカルパス(clinical path)とは、疾患・治療ごとに入院から退院までの標準的な治療・ケアの流れを時系列で示した計画表。
バリアンス(variance)とは、パスに設定されたアウトカム(目標)が予定通りに達成されなかった状態・事象のこと。バリアンスを収集・分析することでパスの改善や医療の質向上に活用する。
選択肢内容判定・理由
1 治療計画からの治療方針の逸脱 × 「逸脱」という表現は誤り。バリアンスはアウトカム未達の状態であり、必ずしも方針が「逸脱」したわけではない
2 投与計画の不備 × 投与計画の不備はバリアンスの一因になりうるが、バリアンスの定義そのものではない
3 ★ アウトカムが達成されない状態 ◯ バリアンスの正確な定義。クリニカルパスの予定アウトカムが予定通りに達成されなかった状態・事象
4 薬剤師による薬物治療への介入 × 薬剤師の介入はバリアンスの原因・対応策となることはあっても、バリアンスの定義ではない
5 患者からのクレーム × クレームはバリアンス発生後に起こりうる事象であり、バリアンスの定義ではない

バリアンスには、患者要因(合併症・拒否など)、医療者要因(処置・指示の遅れなど)、システム要因(検査・手術室の空き待ちなど)の3種類があります。バリアンスを記録・分析することで、パスの見直しや医療の質改善につながります。

⚠️ 引っかけポイント:
選択肢1(治療計画からの治療方針の逸脱)は「逸脱」という言葉の印象でバリアンスと混同しやすいが、バリアンスはアウトカムが達成されなかった「ずれ」であり、方針の「逸脱」という意味ではない
選択肢2(投与計画の不備)はバリアンスを引き起こす医療者要因の一例にすぎず、定義ではない
選択肢4(薬剤師による介入)はバリアンス解消の手段になりうるが、バリアンスの定義ではない
臨床メモ
あおい
薬剤師 あおい

クリニカルパスを使っている病棟では、「パスが外れた」「バリアンスがついた」という言葉が日常的に使われます。例えば「術後3日目に退院予定だったが発熱でバリアンス」「血糖コントロール目標に未達でバリアンス」といった具合です。バリアンスの記録に関わるだけでなく、「なぜバリアンスが出たか」の原因分析と改善策の提案も重要です。

薬剤師視点のバリアンス例としては、「術後鎮痛が不十分で離床が遅れた」(鎮痛薬の選択・用量の見直し提案)、「血糖コントロール不良でICUから出られない」(インスリン調整の支援)などがあります。バリアンスをチームで共有・分析する文化がある病院では、薬剤師の貢献が見えやすくなります。

第111回 薬剤師国家試験 解説トップへ

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次