薬剤師としてもう少し知識をつけたいけど、何か良いい本はあるかな?
✅薬剤師としての知識を深めたい
✅患者さんの役に立ちたい
この記事はこういった悩みをもった方向けです。
こんにちは。薬剤師のあおい(@yaku_medical)です!
この記事では、一人前の薬剤師になりたい人にまず手に取ってほしいおすすめの本をご紹介します!
薬剤師になるためには、6年制の大学に入り、たくさん勉強し国家資格を取得しなければなりません。
しかし、薬剤師になることがゴールではなく、薬剤師になってからも常に新しい情報を取り入れ勉強していく必要があります。
研究者たちの努力により、日々新しい薬が登場しています。
薬剤師になれたからと言って勉強を怠ってしまうと、新しい薬の知識や情報が欠落してしまい、患者さんに不安な思いをさせることになってしまいます。
また、古い薬でも情報のアップデートが行われていますから、患者さんの不安や悩みを取り除き、安心してもらうためにも常に勉強をしておくことが大切です。
また薬剤師は薬剤師倫理規定の第4条で生涯研鑽が定められています。
薬剤師は、生涯にわたり高い知識と技能の水準を維持するよう積極的に研鑽するとともに、先人の業績を顕彰し、後進の育成に努める。
この記事では、新人薬剤師の勉強に役立つ本について、詳しく解説していきます。
今回ご紹介する本は私が実際に手に取って分かりやすくて勉強になると感じたものを厳選しています。
薬剤師の勉強に役立つ本はどれ?一人前の薬剤師になりたい人が買うべき勉強本13選!
薬剤師関連の本には、様々な種類があり、それぞれで解説されている内容が異なります。
中には、
どれを購入すればいいかわからない
という悩みを抱え、中々勉強をスタートできずにいる方もいるのではないでしょうか?
私自身薬剤師になってから先輩薬剤師や友人の薬剤師からおすすめされ、色々な本を手に取ってきましたが、中には難しく理解できないものもありました。。。
今回ご紹介するのは「これだけは持っておいて損はない!」と思うものをピックアップしましたので、購入する本選びで悩んでいる方は、是非参考にしてみてください。
今日の治療指針2024
個人的にこれが最強の1冊だと思います。
新人薬剤師であればこの1冊だけあれば、数年は新しい書籍はいらないのでは?と思うほどです。
また、web電子版付きでパソコン、スマートフォン、タブレットどの端末からでも『今日の治療指針』を閲覧できます。
デスク版とポケット版の2種類がありますが、違いは大きさのみです。
ただ、デメリットとしてポケット版で定価17,050円(税込み)、デスク版で定価22,000円(税込み)とそれなりにお高いです…
特にこだわりがなければポケット版で問題ないと思います。
薬剤師に求められる知識の全てがこの1冊に集約されているといっても過言ではないくらい最強の1冊です。
高機能なweb電子版もついています。
治療薬ハンドブック2024
治療薬ハンドブックでは、
など、添付文書に載っていない情報も得ることができます。
また、治療薬ハンドブックには3つの付録特典があります。
特に治療薬ハンドブックアプリは手軽に調べられるので本当に重宝しています。
薬理作用なども解説されていますので、新人薬剤師が押さえるべきポイントについて網羅されています。
調べたり確認する1つのアイテムとして新人からベテランまですべての薬剤師におすすめしたい1冊です。
薬がみえるシリーズ
薬がみえるvol.1(各論編)
薬がみえるという本は、わかりやすさと使いやすさにこだわった本です。
言わずと知れた大人気シリーズ本ですね!
イラストや表などが多く用いられているため、
文章が苦手
本を読むのが苦手
という方でもすんなりと理解することができます。
薬が見えるシリーズは私自身薬学生の頃から持っており薬学生にもおすすめできるシリーズです。
また、シリーズ本が合計4冊出ており、薬がみえるvol.1(各論編)の収録内容は神経系・循環器系・腎・泌尿器系の疾患と薬、漢方薬です。
薬がみえるvol.2(各論編)
薬がみえるvol.2(各論編)の収録内容は代謝内分泌系・産婦人科系・血液系・免疫系の疾患と薬です。
薬がみえるvol.3(各論編)
薬がみえるvol.3(各論編)の収録内容は消化器系・呼吸器系の疾患と薬、抗菌薬、抗がん薬です。
薬がみえるvol.4(総論編)
薬がみえるvol.4(総論編)の収録内容は薬力学、薬物動態学、相互作用、製剤学、薬剤です。
「病気が見える
ある特定の分野について詳しく学びたい方におすすめです。
薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100
薬の比較と使い分け100は、新人薬剤師に是非とも読んでもらいたい本です。
この本には、同種同効薬の違いを分かりやすく解説しており、類似薬の「違い」を知って服薬指導に活かすための知識が身につく1冊です。
患者さんへの説明も分かりやすく行えるようになれば、服薬指導に自信を持つことができるようになります。
現場薬剤師の立場になって、親身に解説をしてくれていますので、薬剤師として知識をレベルアップさせたいと考えている人は、是非購入してみてください。
OTC医薬品の比較と使い分け
OCT医薬品の比較と使い分けという本は、先ほど紹介した「薬の比較と使い分け100」と著者が同じです。
児島 悠史さんが出版している本は非常に分かりやすいです。
この本を読むことで、OTCの成分への理解を深めることができますし、表やフローチャートが用いられていますので、スムーズに理解を深めることができます。
OTCは調剤薬剤師の弱点とも言えますので、OTCについて学びたい方には是非読んで頂きたい1冊です。
薬剤師のための基礎からの検査値の読み方 臨床検査専門医×薬剤師の視点
検査値を勉強しておくことで患者さんへの服薬指導は間違いなくワンランク上がります。
検査値の本はたくさんあり、青本などにも載っていますが、青本には検査値をどのように活用していけば良いかまでは詳しくは書かれていません。
こちらの本は検査値の基礎から活かし方まで学ぶことができます。
前半部分で検査値の解説をされており、後半部分で学習用事例が載っています。
欠点としては、病院などで行われる検査の一部しか紹介されていないので、人によっては物足りないかもしれません。
そのため、あくまで検査値の勉強の入門書としておすすめします。
処方箋の“なぜ”を病態から推論する
こちらは、さまざまな処方の読み解き方を薬剤師と医師が解説されています。
処方意図を踏まえた患者との会話例が紹介されています。
こちらの本は薬局で働く薬剤師におすすめです。
薬局では、カルテを読むことはできないので、処方箋の内容から医師の処方意図を推察する力は必須と言えます。
処方意図を推察する能力をつけたい方は、ご参考ください。
薬局で使える実践薬学
薬局薬剤師におすすめなのは、「薬局で使える実践薬学」です。
薬局業務において、薬物動態学や薬理学の観点から疑問が生じるケースは比較的多くあります。
これらの知識をしっかりとつけておかないと、添付文書に書かれた内容しか説明することができなくなってしまいます。
この本を読むことで、日ごろの業務における疑問や不安を解決することができます。
また、「薬局で使える実践薬学」では、
・新人薬剤師
・中堅薬剤師
・ベテラン薬剤師
が登場人物として出てきます。
それぞれの視点で物語を読み進めていくことができますので、新人薬剤師に限らず、ある程度経験を積んだ中堅~ベテラン薬剤師にもおすすめです。
内容は少し難しいですが、ワンランク上の薬剤師を目指している方にはぜひ読んでいただきたい1冊です。
誰も教えてくれなかった実践薬歴
次におすすめするのは「誰も教えてくれなかった実践薬歴」です。
こちらは先ほどご紹介した「薬局で使える実践薬学」と著者が同じです。
今では多くの保険薬局で「POS(問題志向システム)」という考え方に基づいて「SOAP形式」で記載するようになっています。
薬歴はただの点数算定のためではなく、患者さんの安全のための大事なツールであることを再認識できます。
私自身薬歴の書き方は詳しくレクチャーを受けたことがなかったので、あまり意識せず薬歴を書いていたのですが、この本を読んでから薬歴に対する意識が変わりました。
この本では、
などを解説しており、本編では以下の流れで解説されています。
1 薬歴の歴史
2 POSとは
3 SOAPとは
4 薬歴をつける際のいくつかの注意点
1 薬歴がうまく書けない理由は誤訳にある
2 ごちゃごちゃした薬歴になってしまいます
3 SOAP 形式の薬歴が書けない本当の理由
4 いつも同じ処方なので薬歴に書くことがありません
1 医師と違う視点を常にもつ
2 併用注意は薬剤師の考えを伴って投薬される
3 患者の個人データを落とし込む
4 すぐに答える、そこにアセスメントはあるのか
1 高齢者の高血圧治療
2 高齢者の糖尿病治療
3 『高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015』
4 高齢者の漢方治療
1 薬歴を研修資材にする
2 症例ベースの問題に取り組む
3 学んだことを薬歴に還元する─ハイリスク薬SSRI/SNRIのリスク
4 ディテールを保存する
1薬歴は「つける」もの?それとも「書く」もの?
2薬歴は自由に書いていい?
3ストックフレーズはなぜいけないのか?
4SOAPで一番難しいのは?
5薬局薬剤師が抱える構造的な問題とは?
自分の書いている薬歴がこれで本当にいいのか?と疑問に思うことは少なからずあります。
若手からベテランまで、すべての薬剤師に一度は読んでいただきたい1冊です。
今日の処方
次におすすめするのは「今日の処方」です。
こちらは『今日の治療薬』の姉妹書です。
臨床でよく見る疾患の処方をシンプルにまとめており、各疾患ごとに,薬剤の投与量・投与法など具体的な処方例から勉強できます。
各疾患の処方例から勉強できるのが非常にありがたいですね!
処方例をベースに勉強したい方におすすめの1冊です。
薬効別 服薬指導マニュアル 第10版
次におすすめするのは「薬効別服薬指導マニュアル」です。
この本は、病院やドラッグストアに勤務している薬剤師にもおすすめなのですが、最もおすすめできるのは調剤薬局に努めている新人薬剤師です。
全70薬効について服薬説明に必要な最新情報、治療ガイドラインや日常生活のポイントが網羅されており、投薬時に使える服薬指導の勉強ができます。
などを勉強することができ、最新の治療ガイドラインや同効薬の比較がひと目でわかる一覧表も多く掲載されており、現場で役立つ一冊です。
小児科が門前の薬局で働く薬剤師におすすめの書籍
小児科が門前の薬局では、薬を全く飲みたがらない子供、目を離した際に多く服用してしまう子供など様々な子どもがいます。
私自身小児に対する調剤や服薬指導をどのように勉強したらいいか、かなり悩んできました…
実際に読んでみて勉強になった2冊をご紹介致します。
もし、小児科が門前の薬局で働いている方がいましたら参考にしてみてください。
極める!小児の服薬指導
患児に適した薬用量、剤形、薬の飲ませ方など、小児の調剤・服薬指導には特有の難しさがあります。
この書籍では、小児の服薬指導のポイントなどを解説しており小児科が門前の薬局で働く薬剤師におすすめしたい1冊です。
実践 小児薬用量ガイド
小児であっても年齢や体重はさまざまです。
小児薬用量の処方や監査を行う上で、患児の体重(kg)はとても大事な情報になります。
こちらの本は、体重(kg)あたりの小児薬用量をまとめたものです。
手のひらサイズでコンパクトなので気軽に調べものとして使うには非常に便利です。
実践 妊娠と薬 第2版ー10,000例の相談事例とその情報
服薬指導する患者さんが妊娠中であった場合、どう対応したらいいのか?
など不安になったことはないでしょうか?
『実践 妊娠と薬 第2版 -10,000例の相談事例とその情報』では、妊娠中の薬剤使用に関する基本的な知識から、具体的なポイントまでを分かりやすく解説しています。
薬剤危険度は0から5までの6段階で表示され、それに基づく情報の信頼度も示されています。
さらに、服用前と服用後の具体的な対応例も提供されており、患者の不安解消や適切な服薬支援に役立つでしょう。
✅精神神経疾患
✅甲状腺疾患
✅呼吸器疾患など
妊娠と疾患の相互作用について詳しく解説しています。
また、妊娠中の患者からの相談が多い解熱鎮痛薬や抗菌薬などの薬効群に関しても、医師による疾患管理と薬剤選択についての解説が追加されています。
この本は、虎の門病院で集積された約10,000件の相談事例や国内外の催奇形性に関するデータが含まれており、日本の「妊娠と薬」分野をリードする医療関係者におすすめしたい1冊です。
妊娠中の患者に対する最適な薬物アドバイスを提供するための貴重な参考書となることでしょう。
まとめ
一人前の薬剤師になるためには、常に勉強が必要です。
勉強する方法はたくさんありますが、最も手軽でおすすめなのは「本の活用」です。
分からないことが出てきたときに調べられるように、バイブルとなるような本を1冊持っておくと勉強しやすくなります。
また、自宅でも勉強ができますので、忙しい新人薬剤師などにも最適です。
ただ、薬剤師関連の本は非常に種類が多く、それぞれで解説されている内容なども異なりますので、
どれを購入すればいいかわからない…
という方は、今回紹介した本の中から自分に合った本を選んで勉強してみてください。
お気軽にどうぞ!