花粉症や鼻炎の薬って種類が多いけど、どれも同じなのかな?
この記事はこんな疑問をもった方向けです。
こんにちは。薬剤師のあおい(@yaku_medical)です!
この記事では、花粉症や鼻炎などのアレルギー症状に使われるとしてよく使われる抗ヒスタミン薬の違いを解説していきます!
- ヒスタミンとは?
- ヒスタミンとアレルギーの関係性
- 抗ヒスタミン薬とは?
- 速効性の比較
- 眠気の比較
- 小児に安全に使用できる抗ヒスタミン薬
- 抗ヒスタミン薬の市販薬はどれがおすすめ?
この記事でおすすめする抗ヒスタミン薬の市販薬
市販で買える速効性の高い抗ヒスタミン薬 Top3
タリオンAR | 新コンタックZ | クラリチンEX |
---|---|---|
要指導医薬品 | 第2類医薬品 | 第2類医薬品 |
※ネット販売不可 |
※要指導医薬品は、ネット販売不可となっており、薬局やドラッグストアなどの店頭で直接購入する必要があります。
市販で買える眠気の少ない抗ヒスタミン薬 Top3
アレグラFX | アレジオン | エバステルAL |
---|---|---|
第2類医薬品 | 第2類医薬品 | 第2類医薬品 |
【薬剤師が解説】花粉症や鼻炎で使われる抗ヒスタミン薬の強さと眠気の比較!
ヒスタミンとは?
ヒスタミンは、食べ物などに含まれているアミノ酸であるL-ヒスチジンから肥満細胞(マスト細胞)などで生成されます。
肥満細胞(ひまんさいぼう)とは、哺乳類の粘膜下組織や結合組織などに存在する造血幹細胞由来の細胞。ランゲルハンス細胞とともに炎症や免疫反応などの生体防御機構に重要な役割を持つ。肥満細胞という名前ではあるが肥満とは関係が無く、膨れた様が肥満を想起させることからついた名前である。また、顆粒細胞(mast cell / マスト細胞)とも呼ばれる。
ウィキペディア(Wikipedia)
ヒスチジンは、「必須アミノ酸」と呼ばれ、ヒトの体内では作り出すことができず、食事などでの補給が必要なアミノ酸です。
マグロ・カツオ・ブリ・サバ・サンマなどの青魚に多く含まれています。
ヒスタミンとアレルギーの関係性
ヒスタミン受容体には、3種類が知られてます。
- H1受容体
- H2受容体
- H3受容体
このうち、H1受容体の刺激は、かゆみ、くしゃみ、鼻水などのアレルギー症状に関与しています。
ヒスタミンが過剰に生成されるとアレルギー症状を引き起こします。
抗ヒスタミン薬とは?
抗ヒスタミン薬には、第一世代と第二世代の2つがあります。
第一世代抗ヒスタミン薬は、ジフェンヒドラミンが基本薬で、H1受容体遮断薬の原型になった薬です。
第一世代抗ヒスタミン薬は、副作用が強い反面があったため、それらの欠点を改善してつくられたのが第二世代抗ヒスタミン薬です。
現在では、副作用が少なく、治療効果の高い「第二世代抗ヒスタミン薬」が主流となっています。
速効性の比較
薬の血中濃度が最大に到達する時間を「最高血中濃度到達時間(Tmax)」といい、薬の速効性の指標として用いられています。
Tmax値が小さいほど、早く最高血中濃度に到達するということから、速効性が高いと評価されます。
また、速効性が高いと、効き目が強いと感じやすい傾向にあります。
世代 | 商品名 | 一般名(成分名) | Tmax(hr) | 市販薬の有無 |
---|---|---|---|---|
第二世代 | ルパフィン | ルパタジン | 0.91 hr (10mg錠) | |
第二世代 | ビラノア | ビラスチン | 1.0 hr (20mg錠) | |
第二世代 | ザイザル | レボセチリジン | 1.0 hr (5mg錠) | |
第二世代 | アレロック | オロパタジン | 1.0 hr (5mg錠) | |
第二世代 | タリオン | べポタスチン | 1.2 hr (10mg錠) | あり ※要指導医薬品 (ネット販売不可) |
第二世代 | ジルテック | セチリジン | 1.44 hr (10mg錠) | あり |
第二世代 | デザレックス | デスロラタジン | 1.75 hr (5mg錠) | |
第二世代 | クラリチン | ロラタジン | 1.85 hr (60mg錠) | あり |
第二世代 | アレジオン | エピナスチン | 1.9 hr (20mg錠) | あり |
第二世代 | アレグラ | フェキソフェナジン | 2.0 hr (60mg錠) | あり |
第二世代 | ザジテン | ケトチフェン | 2.8 hr (2mgカプセル) | |
第一世代 | ポララミン | d-クロルフェニラミン | 3.4 hr (60mg錠) | |
第二世代 | エバステル | エバスチン | 5.2 hr (10mg錠) | あり |
表の上に行くほどTmaxが小さくなっており、速効性が高いと評価できます。
眠気の比較
抗ヒスタミン薬には、副作用として眠気などの鎮静作用があり、脳内ヒスタミンH1受容体占有率の測定により評価することができます。
H1受容体占有率は、その程度によって3つに分類されます。
- 50%以上を「鎮静性(眠気が強い)」
- 50~20%を「軽度鎮静性」
- 20%以下を「非鎮静性(眠くなりにくい)」
脳内ヒスタミンH1受容体占有率とは、脳内にあるヒスタミンH1受容体をどの程度占有するのかを示すもので、この値が小さいほど、眠気、集中力・判断力の低下などが起こりにくいとされています。
脳内ヒスタミンH1受容体占有率の測定値から、特に「ビラスチン」と「アレグラ」は、眠気が少ないことが分かります。
※抗ヒスタミン薬の効果や副作用は、個人差が大きく、眠気などが必ずしも起こらないということではないので注意が必要です!
自動車運転に関する注意喚起のない薬
抗ヒスタミン薬の鎮静作用は、眠気を感じなくても無自覚のうちに集中力や判断力が低下してしまうことがあり、薬の添付文書上では、一般的に「自動車運転や危険な作業は避けること」とされています。
しかし、抗ヒスタミン薬の中でも鎮静作用が弱く、薬の添付文書上に自動車運転に関する注意喚起のない薬もあります。
小児に安全に使用できる抗ヒスタミン薬
第二世代抗ヒスタミン薬では、小児用量が設定されているものもあり、小児に対しても安全に使用することができるものもあります。
抗ヒスタミン薬の市販薬はどれがおすすめ?
市販で買える速効性の高い抗ヒスタミン薬 Top3
タリオンAR | 新コンタックZ | クラリチンEX |
---|---|---|
要指導医薬品 | 第2類医薬品 | 第2類医薬品 |
※ネット販売不可 |
※要指導医薬品は、ネット販売不可となっており、薬局やドラッグストアなどの店頭で直接購入する必要があります。
市販で買える眠気の少ない抗ヒスタミン薬 Top3
アレグラFX | アレジオン | エバステルAL |
---|---|---|
第2類医薬品 | 第2類医薬品 | 第2類医薬品 |
まとめ
今回は、花粉症や鼻炎などのアレルギー症状に使われる「抗ヒスタミン薬」について、速効性の比較や眠気などの副作用を比較していきました。
抗ヒスタミン薬には、市販薬も多いので、参考にしてみてください。
お気軽にどうぞ!