薬学生
病院の実務実習でアミオダロンを見て疑問に思ったんだけど、錠剤は毒薬なのに、注射剤はどうして劇薬なんだろう?
この記事はこういった疑問を解決するためのものです。
こんにちは。薬剤師のあおい(@yaku_medical)といいます!
錠剤と注射剤を比較すると注射剤の方が速攻性があり、管理も大変なので錠剤で毒薬なら注射剤でも毒薬なのでは?と疑問が生まれてきますよね。
実際には、アミオダロンは錠剤では「毒薬」ですが、注射剤では「劇薬」となっています。これには、理由があります。
目次
アミオダロンの錠剤は毒薬なのに注射剤は劇薬なのはどうして?!
アンカロン🄬(アミオダロン)の基本情報
アンカロン🄬(アミオダロン)は、持続性心室頻拍の停止に有用で、救急蘇生の場では第一選択薬となっています。
また、アミオダロンは脂溶性が高く脂肪組織や肝臓、肺などに蓄積しやすく半減期は錠剤では13時間(400mg)、注射剤では約15日(5mg/kg 15分間静注)となっているのも特徴的です。
アミオダロン注射剤が劇薬の理由
2013年5月サノフィ株式会社より発表された「アンカロン注 150 の新効能・効果の取得と毒薬・劇薬指定区分の変更に関するお知らせ」によると、アミオダロン注射剤はもともと錠剤と同様に「毒薬」でした。
しかし、毒薬であることによる緊急時の対応の難しさから指定区分が「毒薬」から「劇薬」に変更されたのです。
最後に
今回はアミオダロンの錠剤が「毒薬」であるのに、注射剤が「劇薬」になっている理由について解説致しました。
アミオダロンの注射剤は「劇薬」に区分変更されていますが、薬剤の本質に変わりはないので、取り扱うにあたっては細心の注意を払う必要があります。
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