健康診断って毎年受けないといけないのかな?
この記事はこんな疑問をもつ方向けです。
こんにちは。薬剤師のあおい(@yaku_medical)です!
今回は、健康診断の意味や目的について解説していきたいと思います。
- 健康診断はなぜ受けなければいけないのか…?
- 健康診断の目的は身長や体重を計ることではない!
- どうして健康診断の目的はがんと心血管疾患がメインなのか?
- コロナ禍を考慮した郵送式の健康診断もある!
- 自分の命を守るための健康診断を受けよう!
健康診断を定期的に受ける必要があるのか?健康診断の意味や目的を徹底紹介します!
健康診断はなぜ受けなければいけないのか…?
毎年春になると健康診断のシーズンが到来しますが、35歳以上になると人間ドックを受ける必要もあり、面倒だと思っている方も少なくないと思います。
会社に勤めているサラリーマンの方であれば、会社がいろいろと準備をしてくれるので仕方なく受けているケースもあるかと思いますが、実は健康診断には重要な意味が込められているのです。
しかし、健康診断は日本人の3割が受けていない、がん検診は日本人の5割強が受けていないと言われています。
今回は、どうして健康診断を定期的に受ける必要があるのか、健康診断の意味や目的について一緒に考えていきたいと思います。
健康診断の目的は身長や体重を計ることではない!
よく健康診断の日が近づいてくると、
もうすぐ健康診断だな~痩せないと!
僕はまだ身長を諦めたわけじゃないぞ~!
などといったように、身長や体重を気にする方、とても多いのではないでしょうか。
健康診断を年に1回のイベントと捉えて、楽観的に考えている人も少なくないかと思います。
健康診断では身長や体重は計測しますが、そもそも健康診断の目的は別のところにあります。
健康診断の目的とは、「死亡原因の上位とされているがんの早期発見や、心血管疾患(心筋梗塞や脳卒中など)の予防」であり、がんや心血管疾患を引き起こしやすい身体になっていないかどうかのチェックをするためにおこなうものです。
会社が健康診断を実施してくれているので、仕方なく受けている人も少なくないかと思います。
会社が健康診断を実施してくれているのは、労働安全衛生法第44条に「健康診断の実施義務」があるからであり、本来自分で自分の身体をチェックしなければいけないのです。
どうして健康診断の目的はがんと心血管疾患がメインなのか?
世界には様々な病気があり、死に至る病はたくさん存在します。
その中で、どうして健康診断ではがんや心血管疾患に注視しているのでしょうか。
その理由は、「がんや心血管疾患が原因で死亡する人が圧倒的に多いから」です。
2020年におこなわれた「人口動態調査(2020)」によれば、1年間で死亡した人は約137万人でした。その原因疾患の順位は以下のようになっています。
第1位 悪性新生物 37万
第2位 心疾患(高血圧性を除く)20万
第3位 老衰 13万
第4位 脳血管疾患 10万
主な死因の構成割合は以下のようになっています。
がんや心血管疾患が死因上位1位、2位となっていることがわかります。
平均寿命が長くなったことにより、死亡原因としてがんが上位に挙げられる時代となりましたが、がんは発見さえ早ければ重症化するリスクを抑えることができます。
がんは末期になるまで症状が出にくいため、しっかりとがん検診を受けることで早期発見に繋げる狙いがあるわけです。
一方、心血管疾患については、主な原因となっている「動脈硬化」を予防することが非常に重要とされています。
動脈硬化とは言葉通り動脈の血管が硬くなってしまい働きが悪くなることを指しますが、その主な原因には高血圧や肥満(メタボリックシンドローム)、糖尿病、喫煙などの生活習慣病が挙げられます。
このように、動脈硬化の原因の多くは日々の生活習慣で改善できるものがほとんどであり、健康診断は自分の日頃の生活を見直す良い機会になるとも言えます。
働き盛りと言われる「30代後半から60代後半」においては、2005年における都道府県別生命表を見てみると脳血管疾患や心疾患での死亡は24%、がんと合わせると37%となり、実に3分の1以上の死亡原因を占めています。
健康診断が近いということでダイエットに励むことはとても良いことですが、大事なことは健康診断を定期的に受けることで疾患の早期発見に努め、日々の食生活などを改め健康に気をつけていくことです!
コロナ禍を考慮した郵送式の健康診断もある!
健康診断では様々な医療機器を用いておこなうため、コロナ禍においては不安を覚える方も少なくないかと思います。
一般的な人間ドックは指定の医療機関で行うしかありませんが、おうちでドック
おうちドックでは人間ドック並みの検査が可能で、検査項目は以下のようになっています。
<がん>
大腸がん、食道がん、乳がん、子宮がん、前立腺がん
<生活習慣病>
糖尿病、動脈硬化、腎疾患、肝臓疾患、脂質代謝異常、高血圧、痛風・尿路結石、肥満度、栄養障害
郵送型は時間がかかるイメージがありますが、検査物(検診の内容によって異なります)が検査機関に到着してからおよそ1~2週間で結果報告を受け取ることができますので、非常にスピーディに健康診断を受けることができます。
自営業などで定期的に健康診断にいっていない方や、あまり外出したくないという方は、郵送型の健康診断を活用するのもお勧めですね!
自分の命を守るために健康診断を受けよう!
今回は、定期的に健康診断を受ける目的や意味について、ご紹介しました。
子どもにとっての健康診断は成長の度合いを調べるものでしたが、大人になってからの健康診断には自分の命を守る手段という意味合いが強くなっています。
検尿や検便など、健康診断を受けるための準備は大変ではありますが、全ては自分の命を守ることに繋がっています。
自分の身体のことは意外に自分ではわかっていませんので、これを機に自分を正しく知っていきたいですね!
お気軽にどうぞ!