第111回
問59
必須問題|病態・薬物治療
血友病の臨床検査所見
問題文
血友病の臨床検査所見はどれか。1つ選べ。
1
赤血球数増加
—
2
血小板数増加
—
3
出血時間短縮
—
4
プロトロンビン時間(PT)延長
—
5
活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)延長
—
正解です!
素晴らしい!下の解説も確認してみましょう。
不正解です。正解は 5(APTT延長) です。
下の解説でしっかり確認しましょう!
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血友病はX染色体連鎖劣性遺伝の凝固因子欠乏症で、血友病A(第VIII因子欠乏)と血友病B(第IX因子欠乏)があります。第VIII・IX因子はいずれも内因系凝固経路の構成因子です。APTTは内因系+共通系の凝固能を反映するため、血友病ではAPTTが延長します。一方、外因系凝固経路のみを反映するPTは正常です。
🔑 凝固検査と血友病の関係
内因系(接触活性化):XII→XI→IX→VIII→X
外因系(組織因子):VII→X
共通系:X→V→II(トロンビン)→I(フィブリン)
APTT:内因系+共通系を反映 → 血友病(VIII・IX因子↓)で延長
PT:外因系+共通系を反映 → 血友病では正常(外因系は正常のため)
血小板数・赤血球数・出血時間:血友病では正常(一次止血は正常)
内因系(接触活性化):XII→XI→IX→VIII→X
外因系(組織因子):VII→X
共通系:X→V→II(トロンビン)→I(フィブリン)
APTT:内因系+共通系を反映 → 血友病(VIII・IX因子↓)で延長
PT:外因系+共通系を反映 → 血友病では正常(外因系は正常のため)
血小板数・赤血球数・出血時間:血友病では正常(一次止血は正常)
| 選択肢 | 検査所見 | 血友病での変化 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 1 | 赤血球数増加 | 正常(または出血後に減少) | 血友病は凝固因子の異常であり赤血球産生とは無関係。出血が続けば貧血になりうる |
| 2 | 血小板数増加 | 正常 | 血友病は一次止血(血小板)は正常。二次止血(凝固)の異常 |
| 3 | 出血時間短縮 | 正常(延長することもない) | 出血時間は一次止血(血小板・血管)を反映。血友病では正常 |
| 4 | PT延長 | 正常 | PTは外因系(VII因子)+共通系を反映。血友病(VIII・IX因子)では正常 |
| 5 ★ | APTT延長 | 延長 | APTTは内因系(VIII・IX・XI・XII因子)+共通系を反映。血友病で欠乏する第VIII・IX因子が内因系に属するため延長する |
⚠️ 引っかけポイント:
・赤血球数増加(選択肢1)は赤血球増多症などで見られる。血友病は凝固因子の異常であり赤血球産生とは無関係
・血小板数増加(選択肢2)は本態性血小板血症などで見られる。血友病では一次止血(血小板)は正常
・出血時間短縮(選択肢3)は誤り。出血時間は一次止血(血小板・血管)を反映し、血友病では正常(延長もしない)
・PT延長(選択肢4)はビタミンK欠乏症・ワルファリン服用・肝機能障害などで見られる。血友病ではPTは正常(外因系は正常のため)
・赤血球数増加(選択肢1)は赤血球増多症などで見られる。血友病は凝固因子の異常であり赤血球産生とは無関係
・血小板数増加(選択肢2)は本態性血小板血症などで見られる。血友病では一次止血(血小板)は正常
・出血時間短縮(選択肢3)は誤り。出血時間は一次止血(血小板・血管)を反映し、血友病では正常(延長もしない)
・PT延長(選択肢4)はビタミンK欠乏症・ワルファリン服用・肝機能障害などで見られる。血友病ではPTは正常(外因系は正常のため)
📎 関連記事:内因系凝固因子のゴロまとめ
→ 【薬剤師国家試験】内因系凝固因子と胃粘膜防御因子(プロスタグランジン)の覚え方!(ゴロで覚える薬学)|薬剤師の気まぐれノート
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臨床メモ
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薬剤師 あおい
血友病Aの治療薬として、近年は皮下注射製剤のエミシズマブ(ヘムライブラ®)が注目されています。これは第IXa因子と第X因子を架橋する二重特異性抗体で、第VIII因子の代替として機能します。週1回・2週に1回・月1回の投与が可能で、患者さんのQOL向上に大きく貢献しています。
従来の凝固因子製剤(血液製剤)は輸注が必要でしたが、エミシズマブは皮下注射のため自己注射が可能です。処方箋で血友病患者さんの薬を確認する際は、インヒビターの有無にも注意が必要です。インヒビターとは、繰り返し凝固因子製剤を投与することで体内に生じる抗第VIII因子抗体(または抗第IX因子抗体)のことで、投与した凝固因子を中和してしまうため補充療法が効かなくなります。インヒビターを持つ患者さんには、凝固経路をバイパスして止血を図る活性化プロトロンビン複合体製剤(APCC:ファイバ®)や遺伝子組換え活性化第VII因子製剤(rFVIIa:ノボセブン®)などが使用されます。エミシズマブは第VIII因子とは形が全く異なる「二重特異性抗体」のため、インヒビターの阻害効果を受けず、インヒビター保有患者にも有効です。そのため、近年その使用が広がっています。










