第110回
問27
必須問題|薬理
フェニレフリンの昇圧作用の機序
問27(薬理)
フェニレフリンの昇圧作用の機序はどれか。1つ選べ。
1
アドレナリン α1 受容体刺激
—
2
アドレナリン α2 受容体遮断
—
3
アドレナリン β1 受容体刺激
—
4
カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ阻害
—
5
ノルアドレナリン再取り込み阻害
—
正解です!
フェニレフリンが選択的 α1 受容体刺激薬であることを正しく理解しています。
不正解です。正解は 1 です。
解説でフェニレフリンの作用機序を確認しましょう。
解説を見る▼
【問27】フェニレフリンの昇圧作用の機序
フェニレフリンは選択的 α1 受容体刺激薬(直接型作動薬)である。
血管平滑筋の α1 受容体を直接刺激 → 血管収縮 → 末梢血管抵抗↑ → 血圧上昇。
β 受容体への親和性はほぼなく、反射性徐脈が生じることがある。
血管平滑筋の α1 受容体を直接刺激 → 血管収縮 → 末梢血管抵抗↑ → 血圧上昇。
β 受容体への親和性はほぼなく、反射性徐脈が生じることがある。
| 番号 | 機序 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 ★ | アドレナリン α1 受容体刺激 | フェニレフリンの主作用。血管平滑筋 α1 受容体を直接刺激し、血管収縮→末梢血管抵抗↑→血圧上昇をもたらす。β 受容体への親和性はほぼないが、急激な血圧上昇を頸動脈洞・大動脈弓の圧受容器が感知し、圧受容器反射(迷走神経亢進)により反射性に心拍数が低下する(反射性徐脈)。 |
| 2 | アドレナリン α2 受容体遮断 | α2 遮断は交感神経終末からのノルアドレナリン遊離を増加させ間接的に昇圧しうるが、フェニレフリンの機序ではない。ヨヒンビンなどが α2 遮断薬に相当する。 |
| 3 | アドレナリン β1 受容体刺激 | β1 刺激は心拍数増加・心収縮力増大による昇圧に関わるが、フェニレフリンは β 受容体への親和性が極めて低い。ドブタミンなどが β1 刺激薬の代表例。 |
| 4 | カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害 | COMT 阻害はカテコールアミンの代謝分解を抑制し、昇圧作用を延長・増強しうるが、フェニレフリン自身の直接作用ではない。エンタカポンなどが COMT 阻害薬に相当する。 |
| 5 | ノルアドレナリン再取り込み阻害 | 再取り込み阻害によりシナプス間隙のノルアドレナリン濃度が上昇し、間接的に昇圧効果をもたらす。アメジニウムなどが相当するが、フェニレフリンは受容体を直接刺激する直接型作動薬である。 |
・選択肢4(COMT阻害)・選択肢5(再取り込み阻害)はいずれも「間接的な昇圧機序」。フェニレフリンは受容体を直接刺激する直接型作動薬である点が重要。
・選択肢3(β1 刺激)と混同しないよう、α 受容体(血管収縮)と β1 受容体(心機能亢進)の作用部位の違いを整理しておくこと。
・選択肢3(β1 刺激)と混同しないよう、α 受容体(血管収縮)と β1 受容体(心機能亢進)の作用部位の違いを整理しておくこと。
臨床メモ▼


薬剤師 あおい
フェニレフリンは α1 選択的なため、β 刺激による頻脈がほとんどなく、術中低血圧や脊椎麻酔時の血圧低下補正に重宝されます。ただし反射性の徐脈が生じることがあるため、徐脈傾向の患者には注意が必要です。
OTC では、鼻づまりを解消する点鼻薬(局所血管収縮薬)としてナファゾリンやフェニレフリンがよく配合されています。劇的に鼻が通りますが、連用すると鼻粘膜のリバウンド充血(薬物性鼻炎)を招いてかえって鼻づまりが悪化するため、服薬指導では「長期間ダラダラと連用しないこと」をしっかり伝えましょう。
| 薬剤 | 主な受容体 | 昇圧機序 |
|---|---|---|
| フェニレフリン | α1 | 直接刺激 → 血管収縮 |
| ドブタミン | β1 | 心収縮力↑・心拍出量↑ |
| ノルアドレナリン | α1・α2・β1 | 血管収縮+心収縮力↑ |
| アメジニウム | — | NA 再取り込み阻害・MAO 阻害 |












