【第111回薬剤師国家試験】問164 消化性潰瘍治療薬の作用機序 解説

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第111回 問164
第111回 問164
理論問題|薬理
消化性潰瘍治療薬の作用機序
問164 消化性潰瘍治療薬の作用機序に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ
1
ボノプラザンは、K⁺と競合して壁細胞のH⁺,K⁺-ATPaseを可逆的に阻害することで、胃酸分泌を抑制する。
2
ピレンゼピンは、アセチルコリンM₂受容体を刺激してアセチルコリンの遊離を抑制することで、胃酸分泌を抑制する。
3
レバミピドは、プロスタノイドEP受容体に結合して活性化することで、胃結膜血流を増大させる。
4
ニザチジンは、ヒスタミンH₂受容体を遮断することで、胃酸分泌を抑制する。
5
ミソプロストールは、ドパミンD₂受容体を遮断することで、胃粘液分泌を促進する。
正解です!
消化性潰瘍治療薬の作用機序を正確に把握できています。
×
不正解です。正解は 1 と 4 です。
解説で各薬物の作用機序を確認しましょう。
解説を見る
消化性潰瘍治療薬の分類と機序
P-CAB(ボノプラザン):K⁺競合型でH⁺,K⁺-ATPaseを可逆的に阻害。PPIより速効性・強力な胃酸分泌抑制
H₂ブロッカー(ニザチジン等):H₂受容体遮断→胃酸分泌抑制
ピレンゼピン:M₁受容体選択的遮断薬(抑制)。M₂刺激ではない
レバミピド:プロスタグランジン産生促進・胃粘膜保護(受容体刺激薬ではない)
ミソプロストール:PGE₁誘導体→EP受容体刺激→胃粘液・重炭酸分泌促進・胃酸分泌抑制
選択肢薬物・記述判定・理由
1 ★ ボノプラザン:K⁺競合的にH⁺,K⁺-ATPaseを可逆的に阻害→胃酸分泌抑制 ◯ ボノプラザンはP-CAB(カリウムイオン競合型アシッドブロッカー)。K⁺と競合的にH⁺,K⁺-ATPaseのカリウム結合部位に結合し、可逆的に胃酸分泌を阻害する。PPIが共有結合(不可逆的)であるのと対照的
2 ピレンゼピン:M₂受容体刺激→ACh遊離抑制→胃酸分泌抑制 × ピレンゼピンはM₁受容体選択的遮断薬(アンタゴニスト)。胃壁細胞への神経支配(迷走神経節のM₁受容体を遮断)によりACh遊離を間接的に抑制して胃酸分泌を抑制する。「M₂受容体を刺激」は誤り
3 レバミピド:プロスタノイドEP受容体活性化→胃結膜血流増大 × レバミピドの主な機序は胃粘膜でのプロスタグランジン(PG)産生を促進すること。EP受容体に直接結合・活性化する薬ではない。また「胃結膜」ではなく「胃粘膜」。PGE₁受容体を直接刺激するのはミソプロストール
4 ★ ニザチジン:H₂受容体遮断→胃酸分泌抑制 ◯ ニザチジンはH₂受容体拮抗薬(H₂ブロッカー)。壁細胞のヒスタミンH₂受容体を競合的に遮断してcAMP産生を抑制し、胃酸(塩酸)の分泌を抑制する
5 ミソプロストール:ドパミンD₂受容体遮断→胃粘液分泌促進 × ミソプロストールはPGE₁の誘導体で、プロスタノイドEP受容体(EP₂・EP₃・EP₄)を刺激して胃粘液・重炭酸塩の分泌を促進し、胃粘膜を保護する。ドパミンD₂受容体とは無関係。D₂受容体遮断は制吐薬(メトクロプラミド等)の機序
⚠️ 引っかけポイント(選択肢順):
選択肢2:ピレンゼピンは「M₂刺激」ではなくM₁選択的遮断
選択肢3:レバミピドは「EP受容体刺激」ではなくPG産生促進。EP受容体刺激はミソプロストール
選択肢5:ミソプロストールは「D₂遮断」ではなくEP受容体刺激(PGE₁誘導体)
臨床メモ
あおい
薬剤師 あおい

ボノプラザン(タケキャブ)はPPIより即効性が高く、食前・食後を問わず服用できます。H. pylori除菌のレジメンとしてもボノプラザンベースが主流になっています。除菌後の確認検査(尿素呼気試験等)は服薬終了から4週間以上あけて実施する点を患者さんへ伝えましょう。

ミソプロストールはNSAIDs潰瘍の予防薬として使用されますが、子宮収縮作用があるため妊婦への投与は禁忌です。NSAIDsを服用中の女性患者への処方確認は薬剤師の重要なチェックポイントです。

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