【第111回薬剤師国家試験】問170 リボフラビンの消化管吸収 解説

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第111回 問170
第111回 問170
理論問題|薬剤
リボフラビンの消化管吸収
問170 下図は、空腹時又は朝食後にリボフラビンを経口投与したときの投与量と累積尿中排泄量との関係を示している。リボフラビンの消化管吸収に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ
問170グラフ
1
Aが朝食後、Bが空腹時に投与したときの曲線である。
2
Aが空腹時、Bが朝食後に投与したときの曲線である。
3
BがAより低値となるのは、リボフラビンの胃内容排出速度の低下が原因である。
4
BがAより低値となるのは、リボフラビンの小腸上皮細胞から腸管腔への排出トランスポーターの飽和が原因である。
5
メトクロプラミドを前投与したときの曲線は、食事の有無によらずAよりBに近い。
正解です!
リボフラビンの吸収特性と食事・胃排出の影響を正確に把握できています。
×
不正解です。正解は 1 と 5 です。
解説でリボフラビンの消化管吸収特性を確認しましょう。
解説を見る
リボフラビン(ビタミンB₂)の吸収特性
・吸収部位:小腸上部(十二指腸・空腸)に存在する能動輸送担体(RFVT:リボフラビントランスポーター)による飽和性吸収
・投与量が増えると吸収部位での担体が飽和し、吸収率が低下する(非線形吸収)
食後投与で吸収量が増加:食事により胃内容排出が遅延し、小腸吸収部位への滞留時間が延長されるため担体との接触時間が増え、吸収量が増大する
メトクロプラミド(D₂遮断薬・胃排出促進薬):胃内容排出を速める→吸収部位滞留時間が短縮→食事の影響が減じられ空腹時(B)に近くなる
選択肢記述判定・理由
1 ★ A=朝食後、B=空腹時 ◯ グラフではAの方が投与量に対して累積尿中排泄量が多い(吸収量が多い)。リボフラビンは食後投与で吸収量が増加するため、Aが朝食後投与、Bが空腹時投与の曲線である
2 A=空腹時、B=朝食後 × 選択肢1と逆。食後の方が吸収量が増えるため、吸収量の多いAが空腹時というのは誤り
3 BがAより低値:胃内容排出速度の低下が原因 × 論理が逆。食後(A)は胃内容排出が遅延することで小腸吸収部位への滞留時間が長くなり吸収が促進される。空腹時(B)は胃内容排出が速く滞留時間が短いため吸収量が少ない。BがAより低値なのは空腹時は胃排出が速いためである
4 BがAより低値:小腸上皮細胞から腸管腔への排出トランスポーターの飽和が原因 × BがAより低値になる原因は排出トランスポーターの飽和ではない。原因は空腹時の胃内容排出速度が速いことによる小腸吸収部位での滞留時間短縮である。投与量増加でBの傾きが緩やかになるのは吸収側(RFVT)の飽和による
5 ★ メトクロプラミド前投与の曲線:食事の有無によらずAよりBに近い ◯ メトクロプラミドは胃排出を促進する(D₂遮断→消化管運動亢進)。これにより食後投与であっても胃内容排出が速まり、小腸吸収部位への滞留時間が短縮されて吸収量が減少する。したがって食事の有無にかかわらずB(空腹時)に近い吸収量になる
⚠️ 引っかけポイント(選択肢順):
選択肢3:BがAより低値なのは「胃排出速度の低下」ではなく空腹時は胃排出が速く滞留時間が短いため
選択肢4:排出トランスポーターの飽和ではなく吸収担体(RFVT)への接触時間の差が主因
臨床メモ
あおい
薬剤師 あおい

リボフラビン(ビタミンB₂)のように飽和性の能動輸送で吸収される薬物は、食後服用で吸収が増大する場合があります。これは消化管内容物が胃排出を遅延させ、吸収担体との接触時間を延ばすためです。同様の特性をもつ薬物の服薬指導では「食後服用」が推奨される根拠の一つです。

メトクロプラミドは制吐薬・胃排出促進薬として使用されますが、D₂遮断作用による錐体外路症状(アカシジア・パーキンソン症状)の副作用に注意が必要です。特に高齢者・長期投与では定期的な確認が重要です。

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