第110回
問136
理論問題|衛生
電離放射線による人体への影響及び評価基準
問136(理論)
電離放射線による人体への影響及び評価基準に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
1
吸収線量は、物質1kg当たりに、1Jのエネルギーを吸収した際に物質が受けた線量を1Gyと定義されている。
—
2
実効線量は、確定的影響のしきい値を規定するのに用いられる。
—
3
等価線量は、全身の被ばくの影響を評価するための指標で、各組織又は臓器当たりの吸収線量に組織加重係数を掛けて、合計して算出する。
—
4
等価線量を求めるのに用いられる放射線加重係数は、γ線よりα線の方が大きい。
—
5
「時間」「距離」「遮へい」の防御の3原則は、内部被ばくの低減に重要である。
—
正解です!
解説で各線量指標の定義と放射線防護の原則を確認しましょう。
不正解です。正解は 1、4 です。
解説で各線量指標の定義と放射線防護の原則を確認しましょう。
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放射線関連の線量指標(吸収線量・等価線量・実効線量)は、それぞれ異なる目的・計算方法を持ちます。単位と定義、算出方法をセットで正確に押さえることが重要です。
各線量指標の整理
・吸収線量(Gy:グレイ):物質1kg当たりに吸収されたエネルギー量(J)を表す物理量。1 Gy=1 J/kg
・等価線量(Sv:シーベルト):特定の組織・臓器における生物学的影響を評価する指標。吸収線量 × 放射線加重係数で算出する(組織・臓器ごとに算出)
・実効線量(Sv:シーベルト):全身への確率的影響(発がんリスク等)を評価するための指標。各組織・臓器の等価線量 × 組織加重係数の合計で算出する(全身への総合的なリスクを表す)
・放射線加重係数:放射線の種類による生物学的効果の違いを表す係数。α線:20、β線・γ線・X線:1(α線は電離密度が高く、生物学的影響が大きいため係数も大きい)
・吸収線量(Gy:グレイ):物質1kg当たりに吸収されたエネルギー量(J)を表す物理量。1 Gy=1 J/kg
・等価線量(Sv:シーベルト):特定の組織・臓器における生物学的影響を評価する指標。吸収線量 × 放射線加重係数で算出する(組織・臓器ごとに算出)
・実効線量(Sv:シーベルト):全身への確率的影響(発がんリスク等)を評価するための指標。各組織・臓器の等価線量 × 組織加重係数の合計で算出する(全身への総合的なリスクを表す)
・放射線加重係数:放射線の種類による生物学的効果の違いを表す係数。α線:20、β線・γ線・X線:1(α線は電離密度が高く、生物学的影響が大きいため係数も大きい)
放射線防護の3原則と被ばくの種類
「時間」(被ばく時間を短くする)・「距離」(線源から離れる)・「遮へい」(遮蔽物を用いる)の3原則は、体外にある放射線源からの外部被ばくを低減するための基本原則である。体内に取り込んだ放射性物質による内部被ばくの低減には、汚染の防止・除染・防護具の使用など別の対策が必要となる
「時間」(被ばく時間を短くする)・「距離」(線源から離れる)・「遮へい」(遮蔽物を用いる)の3原則は、体外にある放射線源からの外部被ばくを低減するための基本原則である。体内に取り込んだ放射性物質による内部被ばくの低減には、汚染の防止・除染・防護具の使用など別の対策が必要となる
各選択肢の解説
◯ 1 吸収線量(Gy)の定義は正しく、1 Gy=1 J/kgである
× 2 実効線量は確率的影響(発がんリスク等)を評価するための指標であり、確定的影響(しきい値のある組織反応、例:脱毛・不妊・白内障等)の評価には、通常等価線量(臓器の吸収線量)が用いられる
× 3 この記述内容(各組織の吸収線量×組織加重係数の合計=全身の被ばく評価)は実効線量の算出方法である。等価線量は、特定の組織・臓器における吸収線量×放射線加重係数で算出される個別の指標であり、全身の総合評価指標ではない
◯ 4 放射線加重係数はα線が20、γ線が1であり、α線の方がγ線より大きい。正しい記述である
× 5 「時間」「距離」「遮へい」の3原則は外部被ばくの低減に重要な原則であり、内部被ばくの低減には別の対策(吸入・経口摂取の防止等)が必要である
◯ 1 吸収線量(Gy)の定義は正しく、1 Gy=1 J/kgである
× 2 実効線量は確率的影響(発がんリスク等)を評価するための指標であり、確定的影響(しきい値のある組織反応、例:脱毛・不妊・白内障等)の評価には、通常等価線量(臓器の吸収線量)が用いられる
× 3 この記述内容(各組織の吸収線量×組織加重係数の合計=全身の被ばく評価)は実効線量の算出方法である。等価線量は、特定の組織・臓器における吸収線量×放射線加重係数で算出される個別の指標であり、全身の総合評価指標ではない
◯ 4 放射線加重係数はα線が20、γ線が1であり、α線の方がγ線より大きい。正しい記述である
× 5 「時間」「距離」「遮へい」の3原則は外部被ばくの低減に重要な原則であり、内部被ばくの低減には別の対策(吸入・経口摂取の防止等)が必要である
引っかけポイント:
・選択肢2・3:等価線量と実効線量の定義・算出方法・用途を入れ替えた典型的な誤り選択肢。「等価線量=臓器ごと(放射線加重係数)」「実効線量=全身(組織加重係数)」という対応関係を正確に区別する
・選択肢5:放射線防護の3原則が「外部被ばく」対策であることを、「内部被ばく」にすり替えている点に注意する
・選択肢2・3:等価線量と実効線量の定義・算出方法・用途を入れ替えた典型的な誤り選択肢。「等価線量=臓器ごと(放射線加重係数)」「実効線量=全身(組織加重係数)」という対応関係を正確に区別する
・選択肢5:放射線防護の3原則が「外部被ばく」対策であることを、「内部被ばく」にすり替えている点に注意する
臨床メモ▼


薬剤師 あおい
放射線治療(RI内用療法など)に関わる薬剤師にとって、外部被ばくと内部被ばくの対策の違いは実務上も重要です。院内での放射性医薬品の取り扱いでは、外部被ばく対策として鉛遮蔽板や距離をとった作業が行われる一方、内部被ばく対策としては手袋・マスクの着用や作業環境の汚染防止が重視されます。
α線を放出する放射性核種(例:アルファ核種内用療法薬)は、体外からの被ばくリスクは低い(皮膚も通過できないほど透過力が弱い)一方、体内に取り込まれると狭い範囲に大きなエネルギーを与えるため、内部被ばくでは非常に大きな影響を持つという特徴も、放射線加重係数の大きさ(α線=20)と関連づけて理解しておくとよいでしょう。










