【臨床検査値】意外と知らない知識「アミラーゼ(AMY)」ってどんな検査値?

・臨床検査値のことを学びたい
・アミラーゼ(AMY)について知りたい

この記事はこういった悩みをもった方向けです。

みなさんは、「アミラーゼ」という検査値をご存知でしょうか？

「アミラーゼ」という検査値は、意外と知られていない検査値ですが、結構重要な検査値です。

今回は、臨床検査値のアミラーゼ(AMY)についてまとめていきます！

【臨床検査値】膵臓の検査値のアミラーゼ(AMY)ってどんな検査値？

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アミラーゼ(AMY)について

アミラーゼ（AMY）は、主に膵臓と唾液腺から分泌され、デンプンやグリコーゲンなどの多糖類を加水分解する消化酵素の１つです。アミラーゼは、「急性膵炎」や「慢性膵炎」の診断に有用です。

血液中、尿中のアミラーゼが増加し、高値を示す場合は「唾液腺」や「膵臓」に何らかの異常があることを示しています。

また、アミラーゼは、腎臓で排泄されるため、腎機能障害でも上昇することがあります。

【AMYの基準値】
44～132（U/L）

※U(ユニット)とは，酵素活性量の単位で、至適条件で酵素が1分間に1μmolの基質を変換することができる酵素の量が「1U」と定義されています。

アミラーゼの種類

アミラーゼは、産生される場所によって酵素の構造が異なり、以下のような種類があります。

アミラーゼの種類	産生場所
S型アミラーゼ	唾液腺で産生
P型アミラーゼ	膵臓で産生

アミラーゼは、尿中に排泄されるため、慢性膵炎など血液中での増加が乏しい疾患の場合には、尿中アミラーゼを測定する場合もあります。

アミラーゼの種類	疑われる疾患
P型が上昇	急性膵炎、慢性膵炎、膵がん、胆道系疾患 など
S型が上昇	流行性耳下腺炎、外科手術後、外傷、ショック離脱後、肺がん、卵巣がん など
P型とS型の両方が上昇	腎不全、肝硬変 など

アミラーゼが異常値を示す原因

アミラーゼは、年齢による変動があり、おおむね１０歳までに成人と同じ値になります。（新生児では成人の1/10程度）

アミラーゼ	原因
高値を示す疾患	・膵疾患 急性膵炎、慢性膵炎の急性増悪、膵のう胞、膵がん、膵石による膵管閉塞 ・唾液腺疾患 ムンプスなどの耳下腺炎、唾液腺の炎症、唾石による唾液腺の閉塞 ・膵以外の消化器疾患 胆嚢炎、イレウス、十二指腸潰瘍穿孔 ・その他疾患 マクロアミラーゼ血症（免疫グロブリン結合アミラーゼ）、異所性妊娠による破裂、腎不全
低値を示す疾患	・進行した慢性膵炎 ・膵切除後

Point

①アミラーゼは、主に膵臓と唾液腺から分泌され、多糖類を加水分解する消化酵素の１つ

②アミラーゼ値は、高値を示す場合は「唾液腺」や「膵臓」に何らかの異常があることを示している

③アミラーゼのみの情報で疾患の診断は困難
→他の臨床検査値なども総合的に見る必要がある。

まとめ

今回は、臨床検査値のアミラーゼ(AMY)についてまとめていきました。

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