第111回
問23
🌿 必須問題|衛生
ヒドロキソコバラミンを解毒薬として用いる中毒
📋 問題文
ヒドロキソコバラミンを解毒薬として用いる中毒原因物質はどれか。1つ選べ。
1
モルヒネ
—
2
タリウム
—
3
鉛
—
4
シアン化カリウム
—
5
アニリン
—
正解です!
素晴らしい!下の解説も確認してみましょう。
不正解です。正解は 4(シアン化カリウム) です。
下の解説でしっかり確認しましょう!
解説を見る
▼
ヒドロキソコバラミン(シアノキット®)はシアン中毒の解毒薬です。ヒドロキソコバラミン中のコバルト(Co³⁺)がシアンイオン(CN⁻)と強く結合してシアノコバラミン(ビタミンB₁₂)を形成し、シアンを無毒化して尿中に排泄します。
🔑 シアン中毒の解毒機序
シアン(CN⁻)はミトコンドリアのチトクロムc酸化酵素(cytochrome c oxidase)のFe³⁺に結合して電子伝達系を阻害→細胞性低酸素症→組織が酸素を利用できなくなる。
ヒドロキソコバラミン:Co³⁺ + CN⁻ → シアノコバラミン(無毒)
コバルトがシアンを「引き抜く」ことで解毒する。
シアン(CN⁻)はミトコンドリアのチトクロムc酸化酵素(cytochrome c oxidase)のFe³⁺に結合して電子伝達系を阻害→細胞性低酸素症→組織が酸素を利用できなくなる。
ヒドロキソコバラミン:Co³⁺ + CN⁻ → シアノコバラミン(無毒)
コバルトがシアンを「引き抜く」ことで解毒する。
| 中毒原因物質 | 解毒薬・治療 | 機序 |
|---|---|---|
| モルヒネ(オピオイド) | ナロキソン(ナルコン®) | オピオイド受容体拮抗薬 |
| タリウム | プルシアンブルー(紺青) | 腸管内でTl⁺をイオン交換・吸着して排泄促進 |
| 鉛・重金属 | キレート剤(Ca-EDTA・ペニシラミンなど) → 金属中毒の解毒薬ゴロはこちら |
金属イオンとキレート形成→尿中排泄 |
| シアン化カリウム(KCN)★正解 | ヒドロキソコバラミン(シアノキット®) | Co³⁺がCN⁻と結合→シアノコバラミンとして尿排泄 |
| アニリン(メトヘモグロビン血症) | メチレンブルー | NADPH存在下でメトヘモグロビン→ヘモグロビンに還元 |
🎵 ゴロで覚える解毒薬
「プラネタリウム♪」
プラネ → プルシアンブルー タリウム → タリウム中毒
「バルサン 貸せって!ダメ!」(BAL=ジメルカプロールが禁忌の金属)
カ → カドミウム セ → セレン テ → 鉄 → これらにBALを使うと腎毒性が増強するため禁忌
※ゴロの詳細解説はこちらの記事もチェック!
「プラネタリウム♪」
プラネ → プルシアンブルー タリウム → タリウム中毒
「バルサン 貸せって!ダメ!」(BAL=ジメルカプロールが禁忌の金属)
カ → カドミウム セ → セレン テ → 鉄 → これらにBALを使うと腎毒性が増強するため禁忌
※ゴロの詳細解説はこちらの記事もチェック!
⚠️ 引っかけポイント:
・アニリン(選択肢5)はメトヘモグロビン血症の原因。解毒薬はメチレンブルーでヒドロキソコバラミンではない
・タリウム(選択肢2)はプルシアンブルーで治療。重金属中毒だがキレート剤は無効
・シアン中毒には亜硝酸ナトリウム+チオ硫酸ナトリウムの併用療法も古典的に使われるが、ヒドロキソコバラミンが第一選択
・アニリン(選択肢5)はメトヘモグロビン血症の原因。解毒薬はメチレンブルーでヒドロキソコバラミンではない
・タリウム(選択肢2)はプルシアンブルーで治療。重金属中毒だがキレート剤は無効
・シアン中毒には亜硝酸ナトリウム+チオ硫酸ナトリウムの併用療法も古典的に使われるが、ヒドロキソコバラミンが第一選択
📎 関連記事:鉛・ヒ素・水銀など金属中毒の解毒薬をゴロで覚えよう
→ 金属中毒の解毒薬まとめ|薬剤師の気まぐれノート
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臨床メモ
▼


💊 薬剤師 あおい
シアン中毒は火災現場でも発生します。建材・家具・プラスチックが燃焼するとシアン化水素(HCN)が発生するため、煙を吸い込んだ救助者や消防士が急性シアン中毒を起こすことがあります。ヒドロキソコバラミン(シアノキット®)は静注で速やかに効果を発揮するため、救急の現場で重要な薬剤です。
また、ニトロプルシドナトリウム(ニトロプルシド)は強力な血管拡張薬として高血圧緊急症に使われますが、長期・大量投与でシアン中毒を起こすリスクがあります。ニトロプルシドの分子構造にはシアン基(CN⁻)が5個含まれており、生体内で代謝される際にCN⁻が遊離します。遊離したCN⁻はチトクロムc酸化酵素を阻害し、組織レベルでの低酸素症を引き起こします。ICUで使用される際は投与速度や累積投与量の管理が重要です。










