第111回
問42
💊 必須問題|薬剤
肝初回通過効果の影響を最も大きく受ける剤形
問題文
肝初回通過効果の影響を最も大きく受ける剤形はどれか。1つ選べ。
1
坐剤
—
2
点鼻剤
—
3
吸入剤
—
4
舌下錠
—
5
口腔内崩壊錠
—
正解です!
素晴らしい!下の解説も確認してみましょう。
不正解です。正解は 5(口腔内崩壊錠) です。
下の解説でしっかり確認しましょう!
解説を見る
▼
肝初回通過効果(first-pass effect)とは、消化管から吸収された薬物が門脈を経て肝臓に到達し、全身循環に入る前に肝臓で代謝されてしまう現象です。口腔内崩壊錠(OD錠)は口の中で崩壊するだけで、薬物は唾液とともに嚥下されて消化管→門脈→肝臓を通るため、肝初回通過効果を最も大きく受けます。
🔑 各剤形と肝初回通過効果の関係
肝初回通過効果を受ける経路:消化管吸収 → 門脈 → 肝臓 → 全身循環
肝初回通過効果を受ける剤形(経口・消化管吸収を経る):
経口錠・カプセル・口腔内崩壊錠・顆粒など
肝初回通過効果を回避・軽減できる剤形:
舌下錠・バッカル錠(口腔粘膜吸収→静脈)
坐剤(直腸下部吸収→下痔静脈→大静脈、一部は門脈経由)
点鼻剤・吸入剤(肺・鼻粘膜から直接吸収)
貼付剤・注射剤
肝初回通過効果を受ける経路:消化管吸収 → 門脈 → 肝臓 → 全身循環
肝初回通過効果を受ける剤形(経口・消化管吸収を経る):
経口錠・カプセル・口腔内崩壊錠・顆粒など
肝初回通過効果を回避・軽減できる剤形:
舌下錠・バッカル錠(口腔粘膜吸収→静脈)
坐剤(直腸下部吸収→下痔静脈→大静脈、一部は門脈経由)
点鼻剤・吸入剤(肺・鼻粘膜から直接吸収)
貼付剤・注射剤
| 選択肢 | 剤形 | 吸収経路 | 肝初回通過効果 |
|---|---|---|---|
| 1 | 坐剤 | 直腸下部→下痔静脈→大静脈(一部は門脈経由) | 部分的に回避 |
| 2 | 点鼻剤 | 鼻粘膜→静脈 | ほぼ回避 |
| 3 | 吸入剤 | 肺胞→肺静脈→全身循環 | ほぼ回避 |
| 4 | 舌下錠 | 口腔粘膜→舌下静脈→上大静脈 | ほぼ完全に回避 |
| 5 ★ | 口腔内崩壊錠 | 口腔内で崩壊後、唾液とともに嚥下→消化管→門脈→肝臓 | 最も大きく受ける |
⚠️ 引っかけポイント:
・坐剤(選択肢1)は直腸下部からの吸収は門脈を経由しないが、直腸上部からの吸収は門脈経由となるため「部分的に回避」にとどまる
・点鼻剤(選択肢2)・吸入剤(選択肢3)は鼻粘膜・肺胞から直接静脈に入るため肝初回通過効果をほぼ回避できる
・舌下錠(選択肢4)は口腔粘膜から直接吸収されて静脈に入るため、肝初回通過効果をほぼ完全に回避できる(ニトログリセリン舌下錠が代表例)
・口腔内崩壊錠(選択肢5)は「口の中で溶ける」ので口腔粘膜から吸収されると誤解しやすいが、実際は崩壊後に嚥下されて消化管吸収→門脈→肝臓を通る。舌下錠とは全く異なる
・坐剤(選択肢1)は直腸下部からの吸収は門脈を経由しないが、直腸上部からの吸収は門脈経由となるため「部分的に回避」にとどまる
・点鼻剤(選択肢2)・吸入剤(選択肢3)は鼻粘膜・肺胞から直接静脈に入るため肝初回通過効果をほぼ回避できる
・舌下錠(選択肢4)は口腔粘膜から直接吸収されて静脈に入るため、肝初回通過効果をほぼ完全に回避できる(ニトログリセリン舌下錠が代表例)
・口腔内崩壊錠(選択肢5)は「口の中で溶ける」ので口腔粘膜から吸収されると誤解しやすいが、実際は崩壊後に嚥下されて消化管吸収→門脈→肝臓を通る。舌下錠とは全く異なる
臨床メモ
▼


💊 薬剤師 あおい
肝初回通過効果の回避を利用した代表的な薬がニトログリセリン舌下錠です。ニトログリセリンは経口投与すると肝臓でほぼ完全に分解されてしまうため、舌下投与で口腔粘膜から直接吸収させることで効果を発揮します。狭心症発作の際に「舌の下に入れてください、噛まずに溶かしてください」と指導する理由はここにあります。
一方、OD錠(口腔内崩壊錠)は「水なしで飲める」「嚥下が難しい患者に使いやすい」という利便性のための剤形であり、肝初回通過効果を回避するためのものではありません。患者さんから「口で溶かすから効き目が違う?」と聞かれた際に正確に説明できるようにしておきましょう。










