【第111回薬剤師国家試験】問63 クッシング症候群の症状 解説

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第111回 問63
第111回 問63
必須問題|病態・薬物治療
クッシング症候群の症状
問題文
クッシング症候群の症状として認められるのはどれか。1つ選べ。
1
野牛肩
2
低血圧
3
低血糖
4
皮膚肥厚
5
発汗低下
正解です!
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不正解です。正解は 1(野牛肩) です。
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クッシング症候群はコルチゾール(糖質コルチコイド)の慢性的な過剰分泌により生じる疾患です。コルチゾール過剰により脂肪が体幹・顔面・後頸部に特異的に再分布するため、野牛肩(buffalo hump)・満月様顔貌(moon face)・中心性肥満などの特徴的な体型変化が生じます。

🔑 クッシング症候群の主な症状(コルチゾール過剰の影響)
【脂肪再分布】野牛肩・満月様顔貌・中心性肥満・皮下脂肪減少(四肢)
【糖代謝】高血糖(糖新生促進)・ステロイド糖尿病
【循環器】高血圧(ミネラルコルチコイド作用・血管収縮)
【皮膚】皮膚菲薄化・紫斑・赤色皮膚線条・多毛
【骨】骨粗鬆症(骨形成↓・骨吸収↑)
【その他】筋力低下・易感染性・精神症状・月経異常・多汗
選択肢症状クッシング症候群との関係
1 ★ 野牛肩 認められる。コルチゾール過剰による後頸部・肩への脂肪沈着。満月様顔貌・中心性肥満とともにクッシングの三大特徴の一つ
2 低血圧 認められない。クッシングでは高血圧が典型的。コルチゾールのミネラルコルチコイド作用でNa貯留→血圧上昇。低血圧はアジソン病(副腎皮質機能低下症)の所見
3 低血糖 認められない。クッシングでは高血糖が典型的。コルチゾールが糖新生を促進しインスリン抵抗性も高める。低血糖はインスリノーマや副腎不全の所見
4 皮膚肥厚 認められない。クッシングでは皮膚が菲薄化(薄くなる)し、紫斑・赤色皮膚線条が生じる。皮膚肥厚は甲状腺機能低下症(粘液水腫)などで見られる
5 発汗低下 認められない。クッシングでは多汗が見られることがある。発汗低下は甲状腺機能低下症や自律神経障害などで見られる
⚠️ 引っかけポイント:
低血圧(選択肢2)はアジソン病(副腎皮質機能低下症)の症状。クッシング症候群とは逆
低血糖(選択肢3)もアジソン病やインスリノーマの症状。クッシング症候群では高血糖になる
皮膚肥厚(選択肢4)は甲状腺機能低下症の粘液水腫で見られる。クッシングでは皮膚は菲薄化する
発汗低下(選択肢5)は甲状腺機能低下症などの症状。クッシングでは多汗傾向
臨床メモ
あおい
薬剤師 あおい

クッシング症候群は内因性(副腎腫瘍・下垂体腺腫など)のほか、ステロイド薬の長期投与による医原性が臨床では最も多く見られます。プレドニゾロンなどを長期服用している患者さんに野牛肩・満月様顔貌・体重増加が見られたら、薬剤性クッシングを疑う視点を持ちましょう。

ステロイドを急に中止すると副腎皮質機能不全(離脱症状)を起こすため、必ず医師の指示のもとで漸減中止が必要です。患者さんへの服薬指導では「自己判断で中止しないこと」を必ず伝えることが大切です。

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