【第111回薬剤師国家試験】問85 人生の最終段階の医療・ケアを繰り返し話し合い共有する取組み 解説

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第111回 問85
第111回 問85
必須問題|実務
人生の最終段階の医療・ケアを繰り返し話し合い共有する取組み
問題文
人生の最終段階の医療・ケアについて、健康状態が良好なうちから、本人が家族や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有する取組みを意味するのはどれか。1つ選べ。
1
グリーフケア
2
リビング・ウィル
3
インフォームド・コンセント
4
ファーマシューティカルケア
5
アドバンス・ケア・プランニング
正解です!
ACPの定義3要素「繰り返し・話し合い・共有」を押さえましょう。
×
不正解です。正解は 5 アドバンス・ケア・プランニング です。
ACP(人生会議)は繰り返しの話し合いと共有が特徴です。リビング・ウィルは文書による事前指示であり別概念です。
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正解:5 アドバンス・ケア・プランニング(ACP)

アドバンス・ケア・プランニング(ACP)は、人生の最終段階の医療・ケアについて、健康なうちから・本人が・家族や医療チームと・繰り返し話し合い・共有するプロセス全体を指す。厚生労働省は2018年にACPの愛称を「人生会議」と定め、普及啓発を進めている。
選択肢用語定義・意味
1 グリーフケア 死別などの喪失体験によって生じる悲嘆(グリーフ)に寄り添い支援するケア。遺族への支援が中心。ACPとは時系列が逆(死後のサポート)
2 リビング・ウィル 自分が判断能力を失ったときに備えて、延命治療の希望などを事前に文書で表明したもの(事前指示書)。ACPの一部として位置づけられるが、「繰り返し話し合う」プロセスではなく文書による意思表示
3 インフォームド・コンセント 医療者が患者に適切な説明を行い理解を得ること(医療法第1条の4第2項)。特定の治療・処置に対する同意であり、人生最終段階に限定されない
4 ファーマシューティカルケア 薬剤師が患者のQOL向上を目的に薬物療法を包括的に管理・支援すること。ACPとは別概念
5 ★ アドバンス・ケア・プランニング(ACP) 人生の最終段階の医療・ケアについて、健康なうちから繰り返し話し合い、本人・家族・医療チームで共有するプロセス。愛称「人生会議」
⚠️ 引っかけポイント:
選択肢1(グリーフケア)は「ケア」という語感からACPと混同しやすいが、対象は死別後の遺族支援であり、時系列が全く異なる
選択肢2(リビング・ウィル)は「事前に意思を示す」点でACPと似ているが、文書による一度限りの意思表示であり、「繰り返し話し合い共有する」というACPのプロセス全体とは異なる
選択肢3(インフォームド・コンセント)も「医療者と患者の対話」という共通点はあるが、特定処置への同意取得であり人生最終段階の包括的な話し合いではない
選択肢4(ファーマシューティカルケア)は薬剤師によるQOL向上を目的とした薬物療法の包括的支援であり、終末期ケアの意思決定プロセスとは別概念
臨床メモ
あおい
薬剤師 あおい

ACPで大切なのは「繰り返し」というキーワードです。一度文書に書いたら終わりではなく、体調・価値観・家族状況の変化に応じて何度も話し合い直すことがACPの本質です。リビング・ウィルが「文書」であるのに対し、ACPは「継続的なプロセス」と覚えると区別しやすいです。

薬剤師もACPに関わる機会が増えています。在宅医療や居宅療養管理指導の場で、患者の「最後はどこで過ごしたいか」「どんな治療を望むか」といった話題が出ることがあります。薬剤師として直接ACPの意思決定を主導するわけではありませんが、多職種チームの一員として患者の意向を把握・共有し、薬物療法の選択(例:経口困難になったときの剤形変更、看取り期の不要薬の整理)につなげる役割が期待されています。

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