第111回
問126
理論問題|衛生
食品A・Bの血糖値・インスリン変動グラフ
問126 図は、健常人が絶食後に同じ重量の食品A又はBを摂取した後の血糖値と、食品Aを摂取した後の血中インスリン濃度について考えられる経時変化を示したものである。食品A又はBは、精白米又は玄米のいずれかである。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1
食品Aよりも、食品BのほうがグリセミックインデックスGI値が低い。
—
2
食品Aよりも、食品Bのほうが糖尿病の発症リスクを高める作用がある。
—
3
食品Aを摂取してから30分経過した時点では、摂取前よりもインスリンの分泌量が増加し、グリコーゲンの分解が促進されている。
—
4
食品Aを摂取してから60分経過した時点では、インスリン依存的に活性化されたナトリウム-グルコース共輸送体1(SGLT1)により筋肉にグルコースが取り込まれている。
—
5
難消化性デキストリンを食品Aと同時に摂取すると、食品A摂取後の血糖値の最大値が低くなる。
—
正解です!
GI値・インスリン作用・血糖調節機構を正確に把握できています。
不正解です。正解は 1 と 5 です。
解説でグラフの読み取りと血糖調節の機序を確認しましょう。
解説を見る
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グラフの読み取り
・食品A(実線):血糖値が約150 mg/dLまで急上昇 → 血中インスリンも大きく上昇 → 精白米
・食品B(破線):血糖値の上昇が緩やか(約100 mg/dL程度) → 玄米
・食品BはAより血糖値上昇が小さい = GI値が低い
・玄米は食物繊維が豊富で消化・吸収が緩やかなためGI値が低い
GI値(グリセミックインデックス)とは
ブドウ糖(グルコース)50 gを摂取した後の血糖値上昇を100として、同量の糖質を含む食品を摂取した際の血糖値上昇の相対値。GI値が高いほど血糖値が急激に上昇し、インスリン分泌も大きくなる。精白米のGI値は約84、玄米は約55とされており、玄米のほうが有意に低い。
・食品A(実線):血糖値が約150 mg/dLまで急上昇 → 血中インスリンも大きく上昇 → 精白米
・食品B(破線):血糖値の上昇が緩やか(約100 mg/dL程度) → 玄米
・食品BはAより血糖値上昇が小さい = GI値が低い
・玄米は食物繊維が豊富で消化・吸収が緩やかなためGI値が低い
GI値(グリセミックインデックス)とは
ブドウ糖(グルコース)50 gを摂取した後の血糖値上昇を100として、同量の糖質を含む食品を摂取した際の血糖値上昇の相対値。GI値が高いほど血糖値が急激に上昇し、インスリン分泌も大きくなる。精白米のGI値は約84、玄米は約55とされており、玄米のほうが有意に低い。
【各選択肢の解説】
| 選択肢 | 記述 | 判定・理由 |
|---|---|---|
| 1 ★ | 食品BのほうがGI値が低い | ◯ グラフより食品B(玄米)は食品A(精白米)より血糖値の上昇が緩やか。GI値(グリセミックインデックス)は基準食(ブドウ糖またはパン)摂取後と比較した血糖上昇の程度を示す指標であり、食品BのGI値が低い |
| 2 | 食品Bのほうが糖尿病の発症リスクを高める | × 逆。食品B(玄米)はGI値が低く、血糖・インスリンの急激な変動が少ないため、糖尿病の発症リスクを下げる。食品A(精白米)の継続摂取のほうがリスクを高める |
| 3 | 30分時点でインスリン増加→グリコーゲンの分解が促進 | × グラフより30分時点ではインスリンは増加しているが、インスリンはグリコーゲン合成を促進し、分解を抑制する。グリコーゲン分解を促進するのはグルカゴン・アドレナリン。「分解が促進」は誤り |
| 4 | 60分時点でSGLT1により筋肉にグルコースが取り込まれる | × SGLT1(ナトリウム-グルコース共輸送体1)は小腸上皮細胞での吸収に関与する輸送体であり、筋肉へのグルコース取り込みには関与しない。インスリン依存的に筋肉へグルコースを取り込むのはGLUT4(グルコーストランスポーター4) |
| 5 ★ | 難消化性デキストリンを同時摂取→血糖値最大値が低下 | ◯ 難消化性デキストリンは水溶性食物繊維の一種で、食後の血糖値上昇を抑制する機能性が認められている(消費者庁の特定保健用食品・機能性表示食品として承認)。糖の消化・吸収を緩やかにすることで血糖値ピーク(最大値)を低下させる |
⚠️ 引っかけポイント(選択肢順):
・選択肢3:インスリンは「グリコーゲン合成促進」。「分解促進」はグルカゴン・アドレナリンの作用
・選択肢4:筋肉へのグルコース取り込みはGLUT4。SGLT1は小腸での吸収担体であり筋肉には無関係
・選択肢3:インスリンは「グリコーゲン合成促進」。「分解促進」はグルカゴン・アドレナリンの作用
・選択肢4:筋肉へのグルコース取り込みはGLUT4。SGLT1は小腸での吸収担体であり筋肉には無関係
臨床メモ
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薬剤師 あおい
糖尿病患者さんへの食事指導でGI値の概念は実際に役立ちます。「白米より玄米・雑穀米」「パンなら全粒粉」など、同じ主食でもGI値を下げる選択を提案できます。
難消化性デキストリンは特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品の関与成分として広く使われており、「食後の血糖値上昇を穏やかにする」という表示が認められています。患者さんから市販のトクホ飲料について質問を受けることもあるので、作用機序を把握しておくと服薬指導に活かせます。










