【第111回薬剤師国家試験】問165 糖尿病治療薬の作用機序 解説

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第111回 問165
第111回 問165
理論問題|薬理
糖尿病治療薬の作用機序
問165 糖尿病治療薬の作用機序に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ
1
レバグリニドは、膵β細胞上のグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体を直接刺激することで、インスリン分泌を促進する。
2
ミグリトールは、AMP依存性キナーゼ(AMPK)を阻害することで、肝臓における糖新生を抑制する。
3
セマグルチドは、スルホニル尿素受容体に結合してATP感受性K⁺チャネルを遮断することで、膵β細胞の細胞膜を脱分極させる。
4
シタグリプチンは、ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)を阻害して血中インクレチン濃度を上昇させることで、インスリン分泌を促進する。
5
ピオグリタゾンは、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体γ(PPARγ)を刺激して、インスリン抵抗性を改善する。
正解です!
糖尿病治療薬の作用機序を正確に把握できています。
×
不正解です。正解は 4 と 5 です。
解説で各薬物の分類と作用機序を確認しましょう。
解説を見る
糖尿病治療薬の分類と作用機序
レバグリニド(ナテグリニド類似):スルホニル尿素受容体に結合→ATP感受性K⁺チャネル遮断→脱分極→インスリン分泌促進(速効型インスリン分泌促進薬)
ミグリトール:α-グルコシダーゼ阻害薬→二糖類分解抑制→食後血糖上昇抑制
セマグルチド:GLP-1受容体作動薬→β細胞のGLP-1受容体刺激→インスリン分泌促進
シタグリプチン:DPP-4阻害薬→インクレチン(GLP-1・GIP)分解抑制→インスリン分泌促進
ピオグリタゾン:チアゾリジン系→PPARγ刺激→インスリン抵抗性改善
選択肢薬物・記述判定・理由
1 レバグリニド:GLP-1受容体直接刺激→インスリン分泌促進 × レバグリニドは速効型インスリン分泌促進薬(グリニド系)で、スルホニル尿素(SU)受容体に結合してATP感受性K⁺チャネルを遮断し脱分極させることでインスリン分泌を促進する。GLP-1受容体への直接刺激はセマグルチド等GLP-1受容体作動薬の機序
2 ミグリトール:AMPK阻害→肝臓の糖新生抑制 × ミグリトールはα-グルコシダーゼ阻害薬で、小腸の二糖類分解酵素(α-グルコシダーゼ)を阻害して糖の消化・吸収を遅延させることで食後高血糖を抑制する。AMPKを活性化して糖新生を抑制するのはメトホルミン(ビグアナイド系)の機序の一つ
3 セマグルチド:SU受容体結合→K⁺チャネル遮断→β細胞脱分極 × セマグルチドはGLP-1受容体作動薬で、膵β細胞・腸管・中枢神経等のGLP-1受容体を刺激してインスリン分泌促進・グルカゴン分泌抑制・食欲抑制を示す。SU受容体結合・K⁺チャネル遮断はSU薬・グリニド系の機序
4 ★ シタグリプチン:DPP-4阻害→インクレチン濃度上昇→インスリン分泌促進 ◯ シタグリプチンはDPP-4(ジペプチジルペプチダーゼ-4)阻害薬。DPP-4はGLP-1・GIP(消化管ホルモン)を分解する酵素で、これを阻害することで血中インクレチン濃度が上昇し、血糖依存的なインスリン分泌が促進される
5 ★ ピオグリタゾン:PPARγ刺激→インスリン抵抗性改善 ◯ ピオグリタゾンはチアゾリジン系薬物で、PPARγ(ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体γ)を活性化して脂肪細胞の分化・脂質代謝を調節し、アディポサイトカインの産生を改善することでインスリン抵抗性を改善する
⚠️ 引っかけポイント(選択肢順):
選択肢1:レバグリニドは「GLP-1受容体刺激」ではなくSU受容体結合→K⁺チャネル遮断(グリニド系)
選択肢2:ミグリトールは「AMPK阻害」ではなくα-グルコシダーゼ阻害。AMPK活性化はメトホルミン
選択肢3:セマグルチドは「SU受容体結合」ではなくGLP-1受容体直接刺激
臨床メモ
あおい
薬剤師 あおい

DPP-4阻害薬(シタグリプチン等)は低血糖リスクが低く、腎機能低下患者では用量調整が必要なものが多いです。週1回製剤(トレラグリプチン等)への切り替え時はアドヒアランスの確認が重要です。

ピオグリタゾンは浮腫・心不全増悪のリスクがあるため、心不全患者には禁忌です。処方チェック時に心疾患の有無を確認する習慣が重要です。また骨密度低下や膀胱癌リスクも指摘されており、長期使用患者への定期的なフォローが求められます。

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