第111回
問166
理論問題|薬理
ホルモン関連薬の作用機序
問166 ホルモン関連薬の作用機序に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
1
テトラコサクチドは、副腎皮質束状層の副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)受容体を刺激して、糖質コルチコイドの生成・分泌を促す。
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2
オシロドロスタットは、ソマトスタチン受容体を刺激して、成長ホルモンや消化管ホルモンの分泌を持続的に抑制する。
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3
カベルゴリンは、下垂体前葉のドパミンD₂受容体を遮断して、プロラクチン分泌を抑制する。
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4
フィナステリドは、5α-還元酵素を阻害して、テストステロンからジヒドロテストステロンへの変換を抑制する。
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5
メチラポンは、3β-ヒドロキシステロイド脱水素酵素を阻害して、アルドステロン生成を抑制する。
—
正解です!
ホルモン関連薬の作用機序を正確に把握できています。
不正解です。正解は 1 と 4 です。
解説で各薬物の標的酵素・受容体を確認しましょう。
解説を見る
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ホルモン関連薬の主な機序
・テトラコサクチド:ACTHの合成ペプチド→副腎ACTH受容体刺激→コルチゾール産生促進(副腎機能検査に使用)
・オシロドロスタット:11β-水酸化酵素(CYP11B1)阻害→コルチゾール合成抑制(クッシング症候群治療薬)
・カベルゴリン:ドパミンD₂受容体作動薬(遮断ではない)→プロラクチン分泌抑制
・フィナステリド:Ⅱ型5α-還元酵素阻害→テストステロン→DHT変換抑制(前立腺肥大症・男性型脱毛症)
・メチラポン:11β-水酸化酵素阻害→コルチゾール合成抑制。3β-HSDとは異なる
・テトラコサクチド:ACTHの合成ペプチド→副腎ACTH受容体刺激→コルチゾール産生促進(副腎機能検査に使用)
・オシロドロスタット:11β-水酸化酵素(CYP11B1)阻害→コルチゾール合成抑制(クッシング症候群治療薬)
・カベルゴリン:ドパミンD₂受容体作動薬(遮断ではない)→プロラクチン分泌抑制
・フィナステリド:Ⅱ型5α-還元酵素阻害→テストステロン→DHT変換抑制(前立腺肥大症・男性型脱毛症)
・メチラポン:11β-水酸化酵素阻害→コルチゾール合成抑制。3β-HSDとは異なる
| 選択肢 | 薬物・記述 | 判定・理由 |
|---|---|---|
| 1 ★ | テトラコサクチド:副腎ACTH受容体刺激→糖質コルチコイド生成・分泌促進 | ◯ テトラコサクチドはACTH(副腎皮質刺激ホルモン)の合成ペプチド誘導体。副腎皮質束状層のMC2受容体(ACTH受容体)を刺激してコルチゾール(糖質コルチコイド)の産生・分泌を促進する。副腎皮質機能検査(ACTH負荷試験)に使用される |
| 2 | オシロドロスタット:ソマトスタチン受容体刺激→成長ホルモン・消化管ホルモン分泌抑制 | × オシロドロスタットは11β-水酸化酵素(CYP11B1)阻害薬で、副腎でのコルチゾール合成を抑制してクッシング症候群を治療する。ソマトスタチン受容体を刺激するのはオクトレオチド・パシレオチド(先端巨大症・カルチノイド腫瘍等に使用) |
| 3 | カベルゴリン:ドパミンD₂受容体遮断→プロラクチン分泌抑制 | × カベルゴリンはドパミンD₂受容体の作動薬(アゴニスト)。下垂体前葉のプロラクチン分泌細胞のD₂受容体を刺激・活性化することでプロラクチン分泌を抑制する。「遮断」は誤り |
| 4 ★ | フィナステリド:5α-還元酵素阻害→テストステロン→DHT変換抑制 | ◯ フィナステリドはⅡ型5α-還元酵素を選択的に阻害してテストステロンからジヒドロテストステロン(DHT)への変換を抑制する。DHTは前立腺肥大・男性型脱毛症の主因であるため、前立腺肥大症(プロスカー)および男性型脱毛症(プロペシア)に使用 |
| 5 | メチラポン:3β-ヒドロキシステロイド脱水素酵素阻害→アルドステロン生成抑制 | × メチラポンは11β-水酸化酵素(CYP11B1)を阻害してコルチゾール合成を抑制する(クッシング症候群・下垂体副腎機能検査に使用)。3β-ヒドロキシステロイド脱水素酵素(3β-HSD)は別の酵素。またアルドステロン(電解質コルチコイド)ではなくコルチゾール(糖質コルチコイド)の合成が主な阻害標的 |
⚠️ 引っかけポイント(選択肢順):
・選択肢2:オシロドロスタットは「ソマトスタチン受容体刺激」ではなく11β-水酸化酵素(CYP11B1)阻害
・選択肢3:カベルゴリンはD₂受容体を「遮断」ではなく刺激(アゴニスト)してプロラクチン分泌抑制
・選択肢5:メチラポンは「3β-HSD阻害」ではなく11β-水酸化酵素(CYP11B1)阻害
・選択肢2:オシロドロスタットは「ソマトスタチン受容体刺激」ではなく11β-水酸化酵素(CYP11B1)阻害
・選択肢3:カベルゴリンはD₂受容体を「遮断」ではなく刺激(アゴニスト)してプロラクチン分泌抑制
・選択肢5:メチラポンは「3β-HSD阻害」ではなく11β-水酸化酵素(CYP11B1)阻害
臨床メモ
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薬剤師 あおい
フィナステリド(プロスカー・プロペシア)は妊娠可能な女性(特に妊婦)が粉砕錠や割錠に触れることで胎児の男性外性器の発育不全を引き起こす可能性があります。患者への「パートナーへの注意喚起」「錠剤をそのまま服用・破砕しない」という服薬指導は薬剤師の重要な役割です。
カベルゴリンは高プロラクチン血症・パーキンソン病に使用されます。心臓弁膜症(逆流性)の副作用が報告されており、長期使用患者では定期的な心エコー検査が推奨されています。










