【第111回薬剤師国家試験】問172 代謝過程における薬物相互作用 解説

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第111回 問172
第111回 問172
理論問題|薬剤
代謝過程における薬物相互作用
問172 代謝過程における薬物相互作用により血中濃度が変動する薬物と併用薬及び相互作用メカニズムの組合せとして、正しいのはどれか。2つ選べ
薬物 併用薬 相互作用メカニズム
1 アザチオプリン クラリスロマイシン キサンチン酸化酵素の阻害
2 フェニトイン シプロフロキサシン CYP2C9の阻害
3 シクロスポリン リファンピシン CYP3A4の誘導
4 チザニジン フルボキサミン CYP1A2の誘導
5 ノルトリプチリン パロキセチン CYP2D6の阻害
正解です!
代謝的薬物相互作用の組み合わせを正確に把握できています。
×
不正解です。正解は 3 と 5 です。
解説で各薬物の代謝酵素と相互作用を確認しましょう。
解説を見る
代謝的薬物相互作用の基本
酵素阻害:基質薬物の代謝が低下→血中濃度上昇→効果増強・毒性増大
酵素誘導:基質薬物の代謝が促進→血中濃度低下→効果減弱
・誘導薬の代表:リファンピシン(CYP3A4・2C9等を強力に誘導)、カルバマゼピン、フェニトイン
・阻害薬の代表:フルボキサミン(CYP1A2・2C19・3A4阻害)、パロキセチン(CYP2D6強力阻害)
選択肢薬物併用薬判定・理由
1アザチオプリンクラリスロマイシン × アザチオプリンはキサンチン酸化酵素で代謝される。キサンチン酸化酵素を阻害するのはアロプリノールであり、クラリスロマイシン(CYP3A4阻害薬)ではない。アザチオプリン+アロプリノールは重篤な骨髄抑制を起こす危険な組み合わせ
2フェニトインシプロフロキサシン × フェニトインは主にCYP2C9で代謝されるが、シプロフロキサシンはCYP1A2阻害薬であり、CYP2C9の主要な阻害薬ではない。フルコナゾールやアミオダロン等がCYP2C9を阻害してフェニトイン血中濃度を上昇させる
3 ★シクロスポリンリファンピシン ◯ シクロスポリンはCYP3A4の基質。リファンピシンは強力なCYP3A4誘導薬で、シクロスポリンの代謝を著しく促進し血中濃度を低下させる。移植後の免疫抑制が不十分になり拒絶反応のリスクがある重要な相互作用
4チザニジンフルボキサミン × 薬物の組み合わせは正しいが、方向が逆。チザニジンはCYP1A2の基質で、フルボキサミンはCYP1A2の阻害薬(「誘導」ではない)。フルボキサミン併用でチザニジン血中濃度が著増し重篤な低血圧・鎮静が生じる。併用禁忌
5 ★ノルトリプチリンパロキセチン ◯ ノルトリプチリン(三環系抗うつ薬)はCYP2D6の基質。パロキセチンはCYP2D6の強力な阻害薬で、ノルトリプチリンの代謝を阻害して血中濃度を上昇させ、抗コリン作用増強・QT延長等のリスクが高まる
⚠️ 引っかけポイント(選択肢順):
選択肢1:キサンチン酸化酵素を阻害するのはアロプリノール(クラリスロマイシンではない)
選択肢2:シプロフロキサシンはCYP1A2阻害薬(CYP2C9阻害薬ではない)
選択肢4:フルボキサミンはCYP1A2を「誘導」ではなく阻害(チザニジン+フルボキサミンは併用禁忌)
臨床メモ
あおい
薬剤師 あおい

チザニジン+フルボキサミン併用禁忌の代表例です。チザニジンのCYP1A2代謝がフルボキサミンにより著しく阻害され、血中濃度が数倍に上昇して重篤な低血圧・過鎮静が生じます。処方確認時に必ずチェックすべき組み合わせです。

リファンピシンは結核治療の主役ですが、CYP3A4・P-gpの強力な誘導薬でもあり、シクロスポリン・ワルファリン・経口避妊薬など多数の薬物の血中濃度を低下させます。結核患者の他剤併用時は必ず相互作用確認が必要です。

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