【第111回薬剤師国家試験】問176 ミカエリス・メンテン式に従う薬物の定常状態投与設計 解説

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第111回 問176
第111回 問176
理論問題|薬剤
ミカエリス・メンテン式に従う薬物の定常状態投与設計
問176 体内からの薬物の消失がミカエリス・メンテン式に従うとき、経口投与後の定常状態における平均血中濃度が2 mg/Lとなる投与量と投与回数の組合せとして、最も適切なのはどれか。1つ選べ。ただし、この薬物のミカエリス定数は4 mg/L、最大消失速度は720 mg/day、バイオアベイラビリティは100%とする。
1回あたりの投与量(mg) 投与回数
1 3601日1回
2 3001日2回
3 2401日3回
4 1201日3回
5 801日3回
正解です!
ミカエリス・メンテン式の定常状態計算を正確に行えています。
×
不正解です。正解は 5 です。
解説で計算手順を確認しましょう。
解説を見る
ミカエリス・メンテン型消失の定常状態
定常状態では「投与速度 = 消失速度」が成立する。
消失速度(ミカエリス・メンテン式):v = Vmax × Css / (Km + Css)
したがって必要な投与速度 R0(mg/day)= Vmax × Css / (Km + Css)

【Step 1】必要な1日投与速度の計算

R0 = Vmax × Css / (Km + Css)
= 720 mg/day × 2 mg/L / (4 mg/L + 2 mg/L)
= 1440 / 6
= 240 mg/day

【Step 2】各選択肢の1日投与量と照合

選択肢1回量回数1日投与量判定
1360 mg1日1回360 mg/day× (過剰)
2300 mg1日2回600 mg/day× (過剰)
3240 mg1日3回720 mg/day× (過剰)
4120 mg1日3回360 mg/day× (過剰)
5 ★80 mg1日3回240 mg/day
⚠️ 注意点:
・ミカエリス・メンテン型では線形薬物動態と異なり、投与量を増やすと血中濃度が急激に上昇するリスクがある(フェニトインが代表例)
・定常状態では「1日投与量(mg/day)= 消失速度(mg/day)」が成立。投与回数ではなく1日総投与量が240 mg/dayと一致する選択肢を選ぶ
臨床メモ
あおい
薬剤師 あおい

フェニトインはミカエリス・メンテン型消失の代表薬です。血中濃度が治療域(10〜20 μg/mL)に近づくと少量の増量でも血中濃度が急激に上昇するため、TDMによる個別用量設計が必須です。Km・Vmaxを患者ごとに推定してSawchukらの方法で投与量を計算するのが実務での標準的アプローチです。

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