【第111回薬剤師国家試験】問242-243 学校環境衛生検査の測定項目と必要換気回数の計算(CO) 解説

  • URLをコピーしました!
第111回 問242-243
第111回 問242-243
実践問題|実務(242)・衛生(243)
学校環境衛生検査の測定項目と必要換気回数の計算(CO)
【症例】問242-243 共通
学校薬剤師が教室の環境衛生検査を実施するために12月に小学校を訪問し、二酸化炭素濃度を測定した。各教室には冷暖房及び換気設備が設置されているが、暖房設備が故障し、一時的に石油ファンヒーターを使用している教室があったので、学校薬剤師は追加で検査することにした。
問242(実務)
教室等の環境に係る学校環境衛生基準に設定されており、この教室で学校薬剤師が測定すべき検査項目はどれか。2つ選べ。
1二酸化硫黄
2オゾン
3一酸化炭素
4一酸化窒素
5二酸化窒素
正解です!
正答:3・5
×
不正解です
正答:3・5
問243(衛生)
児童20名がいるこの教室の床板面積は80 m²、床から天井までの高さは2.5 mである。また、使用している石油ファンヒーターから1時間当たり0.02 Lのガス Aが発生する。ガス Aの濃度を学校環境衛生基準である0.06 ppmに保つのに必要な換気回数は1時間当たり何回か。1つ選べ。
ただし、外気中のガスAの濃度は0.01 ppm、教室内において、これ以外にガスAの発生はないものとする。
11回
22回
33回
44回
55回
正解です!
正答:2(2回)
×
不正解です
正答:2(2回)
解説を見る(問242・243)

■ 問242:学校環境衛生基準の検査項目

💡 石油ファンヒーターは燃焼時に一酸化炭素(CO)二酸化窒素(NO₂)を発生する。学校環境衛生基準で教室の空気に設定されているのはCO(6 ppm以下)とNO₂(0.06 ppm以下)。SO₂・O₃・NOは学校環境衛生基準の教室空気の検査項目に含まれない。
選択肢正誤解説
1 二酸化硫黄×SO₂は大気汚染の指標で環境基準に定められているが、学校環境衛生基準の教室空気の検査項目ではない。石油ファンヒーターからの主な発生ガスでもない。
2 オゾン×O₃はコピー機・レーザープリンター等から発生するが、石油ファンヒーターとの関連はない。学校環境衛生基準の教室空気検査項目ではない。
3 一酸化炭素石油の不完全燃焼でCOが発生する。学校環境衛生基準で6 ppm以下と定められており、石油ファンヒーター使用時の追加検査項目として適切。
4 一酸化窒素×NOは燃焼時に発生するが、学校環境衛生基準の教室空気の検査項目は二酸化窒素(NO₂)。一酸化窒素(NO)は基準項目ではない。
5 二酸化窒素石油燃焼時にNO₂が発生する。学校環境衛生基準で0.06 ppm以下と定められており、石油ファンヒーター使用時の追加検査項目として適切。なお問243の基準値0.06 ppmである「ガスA」はこのNO₂を指す。
⚠️ 引っかけポイント(問242):
・選択肢4(一酸化窒素):石油燃焼でNOは発生するが、学校環境衛生基準の検査項目は「NO₂(二酸化窒素)」。NOとNO₂を混同しない。
・COは6 ppm以下、NO₂は0.06 ppm以下と基準値が異なる点に注意。問243の基準値0.06 ppmはNO₂の値。

■ 問243:必要換気回数の計算(ガスA=NO₂)

💡 定常状態では「発生量=換気による排出量」。換気回数n(回/h)、教室容積V(L)、濃度差ΔC(ppm)を使って:発生量(L/h)= n × V × ΔC。ここでΔC=基準値−外気濃度(ppm=体積比×10⁻⁶)。
教室容積:80 m² × 2.5 m = 200 m³ = 200,000 L

濃度差(ΔC):0.06 ppm − 0.01 ppm = 0.05 ppm = 0.05 × 10⁻⁶(体積比)

必要換気回数(n)の算出
発生量 = n × V × ΔC
0.02 L/h = n × 200,000 L × 0.05 × 10⁻⁶
0.02 = n × 0.01
n = 2 回/h → 選択肢2(2回)
⚠️ 引っかけポイント(問243):
・ppmは体積比(×10⁻⁶)であることを忘れない。0.05 ppm = 0.05 × 10⁻⁶ = 5 × 10⁻⁸。
・基準値(0.06 ppm)から外気濃度(0.01 ppm)を引いた差を使う。外気濃度を無視すると誤った答えになる。
・教室容積:m³→L換算(×1000)を忘れずに(200 m³ = 200,000 L)。
臨床メモ
あおい
薬剤師 あおい

学校薬剤師が行う教室の空気検査(学校環境衛生基準)の主な項目と基準値を整理しておきましょう。

検査項目基準値備考
二酸化炭素(CO₂)1500 ppm以下常時測定項目
一酸化炭素(CO)★6 ppm以下燃焼器具使用時に追加
二酸化窒素(NO₂)★6 ppm以下燃焼器具使用時に追加
浮遊粉塵0.10 mg/m³以下
ホルムアルデヒド0.1 mg/m³以下新築・改築時
温度18℃以上28℃以下(夏季は30℃以下)
相対湿度30〜80%
CO(6 ppm以下)とNO₂(0.06 ppm以下)は基準値の桁が異なりますが、石油ストーブ・ファンヒーターを使用する冬季に特に重要な検査項目で、今回のような場面で追加測定が必要になります。

第111回 薬剤師国家試験 解説トップへ

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次