【第111回薬剤師国家試験】問312-313 尿糖検査薬(第2類医薬品)の説明と販売規制 解説

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第111回 問312-313
第111回 問312-313
実践問題|実務(312)・法規・制度・倫理(313)
尿糖検査薬(第2類医薬品)の説明と販売規制
【症例】問312-313 共通

49歳男性。職場の健康診断で尿糖が「要注意」と判定され、生活習慣を改善するよう指導されたため、健康診断結果を持って薬局に相談に来た。薬剤師が糖尿病の予後や合併症を説明したところ、男性は食事の改善と運動の実践を決意し、「自宅で尿糖を測定したいので尿糖検査薬を購入したい。」と申し出た。相談の結果、一般用検査薬である尿糖検査薬(第2類医薬品)を購入することになった。

問312(実務)
この検査薬の説明として、正しいのはどれか。2つ選べ。
1
この検査薬は果糖やガラクトースを測定するものです。
2
出始めや終わりの尿は使わず、途中の尿(中間尿)で検査してください。
3
採取してから1時間静置した尿を検査に使用してください。
4
採取した尿に検査紙を30分間浸してから判定してください。
5
尿糖が検出され陽性だった場合は、医療機関を受診してください。
正解です!
尿糖検査薬の使用方法を正確に理解しています。
×
不正解です。正解は 2 と 5 です。
解説で検査薬の正しい使用方法を確認しましょう。
問313(法規・制度・倫理)
男性は、この検査薬を継続して使用することを考えており、今後の製品の購入に関して質問した。薬剤師の説明として正しいのはどれか。2つ選べ。
1
販売できるのは薬剤師又は登録販売者に限られるため、不在時には購入できません。
2
健康診断結果又は医師の指示書を持参しないと購入できません。
3
薬局だけではなく店舗販売業の許可を受けたドラッグストアでも購入が可能です。
4
インターネットでの販売が認められていない製品です。
5
高度管理医療機器の販売業の許可を得ていない店舗では購入できません。
正解です!
第2類医薬品の販売規制を正確に理解しています。
×
不正解です。正解は 1 と 3 です。
解説で販売規制の内容を確認しましょう。
解説を見る

【問312】尿糖検査薬の使用方法

選択肢説明内容判定・解説
1果糖やガラクトースを測定× 尿糖検査薬(グルコース測定)はグルコースオキシダーゼ法を用い、グルコース(ブドウ糖)を選択的に測定する。果糖やガラクトースは測定しない。
2 ★中間尿で検査◯ 出始めや終わりの尿には雑菌・細胞成分が多く混入しやすいため、途中の尿(中間尿)を採取する。正確な測定のために重要な手順。
3採取後1時間静置した尿を使用× 採取後時間が経過すると細菌の増殖や分解が進み正確な測定ができなくなる。採取後は速やかに検査することが基本。
4検査紙を30分間浸して判定× 検査紙(試験紙)は尿に数秒間浸すだけでよく、判定は規定時間(通常1〜2分以内)に行う。30分間浸すのは誤り。
5 ★陽性だったら医療機関を受診◯ 一般用検査薬は確定診断ではなく参考値。陽性が出た場合は必ず医療機関を受診し、医師による正式な診断を受けるよう説明する。
⚠️ 引っかけポイント(問312):
選択肢1:グルコースオキシダーゼ法はグルコース特異的。果糖・ガラクトースは検出されない。
選択肢3・4:「静置時間が長いほど正確」「長く浸すほど良い」は誤り。鮮度のある検体を素早く検査することが原則。

【問313】第2類医薬品の販売規制

選択肢記述判定・解説
1 ★薬剤師又は登録販売者が必要◯ 第2類医薬品は薬剤師または登録販売者が販売できる。不在時(有資格者が誰もいない場合)は販売不可。薬機法第36条の5により、第2類は有資格者による情報提供努力義務がある。
2健康診断結果・医師の指示書が必要× 第2類医薬品の購入に健康診断結果や医師の指示書は不要。一般用医薬品は誰でも自由に購入可能(要指導医薬品は薬剤師による対面販売が必要だが書類は不要)。
3 ★ドラッグストア(店舗販売業)でも購入可能◯ 第2類医薬品は薬局・店舗販売業の許可を受けた店(ドラッグストア等)で販売可能。卸売販売業・配置販売業は含まない。
4インターネット販売は認められていない× 第2類医薬品はインターネット販売(特定販売)が認められている。要指導医薬品は対面販売が必須(ネット販売不可)であるが、第1類・第2類・第3類医薬品は特定販売が可能である。
5高度管理医療機器の販売業許可が必要× 尿糖検査薬は医薬品(第2類)であり医療機器ではない。高度管理医療機器の販売業許可は血糖測定器や体外式除細動器などに必要であり、今回の検査薬とは無関係。
⚠️ 引っかけポイント(問313):
選択肢4:第2類医薬品はネット販売OK。ネット販売ができないのは要指導医薬品のみ。
選択肢5:尿糖検査薬は医薬品(検査薬)であり医療機器ではない。「検査」という言葉から医療機器と混同しない。
臨床メモ
あおい
薬剤師 あおい

一般用検査薬の販売時の注意:検査薬の販売では「使い方の説明」と「陽性時の対応」が最重要です。特に「陽性でも確定診断ではない」「陽性の場合は必ず医療機関へ」という説明は省けません。また尿糖検査薬はグルコース特異的なのでビタミンCを大量に摂取すると偽陰性になる可能性もあります。

OTC医薬品のリスク区分と販売ルール:要指導医薬品→薬剤師のみ・対面・書面情報提供義務。第1類→薬剤師のみ・書面情報提供義務(ネット可)。第2類→薬剤師または登録販売者・情報提供努力義務(ネット可)。第3類→薬剤師または登録販売者・情報提供義務なし。このリスク区分と販売条件はセットで暗記しましょう。

【重要改定】指定濫用防止医薬品(令和7年薬機法改正)

根拠・経緯 平成26年に省令(施規第15条の2)で「濫用等のおそれのある医薬品」として販売規制を規定。令和7年薬機法改正(法律第37号)により法律上に「指定濫用防止医薬品」として位置づけ強化。
施行日 令和8年(2026年)5月1日
現行の指定成分
(省令・6成分)
エフェドリン・コデイン・ジヒドロコデイン・ブロモバレリル尿素・プソイドエフェドリン・メチルエフェドリン
新規追加 デキストロメトルファン・ジフェンヒドラミン(依存性・濫用実態が確認され指定が検討されている)
販売時の義務
(現行省令)
①若年者(18歳未満)への氏名・年齢の確認
②他店での購入状況の確認
③必要数量を超える場合の理由確認
④必要と認められる数量に限り販売

※第111回国試(2026年2月)は令和8年5月施行前。省令ベースの規制内容が出題対象。

尿糖「要注意」への対応:尿糖陽性は糖尿病の疑いサインです。この患者さんのように健康診断で「要注意」と言われて相談に来る方は多いです。生活習慣の改善意欲がある患者さんには、セルフモニタリングの意義を説明しつつ、「それでも定期的な受診が大切」という医療機関受診の重要性を伝えることが薬剤師の役割です。

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