


バセドウ病と橋本病の違いが中々覚えられない…
この記事はこんな悩みを持った薬学生や医療学生向けです。



こんにちは。薬剤師のあおい(@yaku_medical)です!
この記事の内容
- バセドウ病とは?
- 橋本病とは?
- バセドウ病と橋本病の違い(まとめ)
- 関連問題
目次
バセドウ病について
🔥 バセドウ病とは?
バセドウ病とは、びまん性甲状腺腫を伴った甲状腺機能亢進症で、グレーブス病ともいいます。
以下の甲状腺に対する自己抗体が原因で起こる自己免疫疾患です。
- 抗TSH受容体抗体 (TRAb)
- 甲状腺刺激抗体 (TSAb)
これらの自己抗体が血中に出現して甲状腺を常に刺激することで、負のフィードバック機構が破綻し、過剰な甲状腺ホルモンが継続的に血中に放出される病態です。(Ⅴ型アレルギー)
📌 特徴
- 20-40歳代の女性に多い(男女比 1:2〜3)
- メルゼブルクの三徴
(びまん性甲状腺腫、眼球突出、頻脈) - 血中T4・T3 ↑、FT4・FT3 ↑、血中TSH ↓
- 治療法は薬物療法、外科手術、放射線療法
💊 薬物療法
- 抗甲状腺薬
チアマゾール(MMI)
プロピルチオウラシル(PTU) - βブロッカー(頻脈の改善)
プロプラノロールなど - 無機ヨード薬
ヨウ化カリウム
💡 薬物治療の重要ポイント(国試頻出!)
- 薬物治療では、チアマゾール(MMI)が第1選択薬です。
- 妊娠初期(5週0日~15週6日)には、チアマゾールを避け、胎児への影響が少ないプロピルチオウラシル(PTU)か無機ヨウ素薬が推奨されます。
- 複視、視力低下などのバセドウ病眼症状や、甲状腺クリーゼの治療には副腎皮質ステロイドを用いることがあります。
🔍 バセドウ病の病態メカニズム(正常時との比較)
【正常な場合】
- 下垂体からのTSHが甲状腺の受容体を刺激します。
- 甲状腺ホルモン(T4, T3)が必要に応じて分泌されます。
- 適切な量のホルモンが分泌されると、負のフィードバックによりTSH分泌が抑制され、バランスが保たれます。
【バセドウ病】
- TSHの代わりに自己抗体(TRAbなど)が受容体を刺激し続けます。
- 甲状腺ホルモンが調節効かず過剰に分泌されます(T4, T3 ↑↑)。
- 過剰なホルモンにより強い負のフィードバックがかかり、血中TSHは低値(↓↓)になります。
▼ 図解で見る(正常 vs バセドウ病の比較)


💡 ここがポイント!自己抗体が勝手に刺激するため、正常な調節機構が破綻し、ホルモンが出っ放しになる状態です。



抗TSH受容体抗体(TRAb)などがTSH受容体を刺激し続けるため、甲状腺ホルモン(T4・T3)が過剰に分泌され、負のフィードバックがかかり、ホルモン高値・TSH値は低値となるのが特徴です。
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🎓 国試で狙われる!重要チェックポイント
- びまん性甲状腺腫:甲状腺全体が均一に腫れるのが特徴。結節(しこり)がある「結節性甲状腺腫」との違いが国試ではよく問われます。
- 眼球突出:自己抗体による眼窩後方の炎症や脂肪組織の増加が原因。全患者の約半数に見られ、甲状腺機能が正常化しても症状が残る場合があるため注意が必要です。
- 頻脈:過剰な甲状腺ホルモンが心筋のβ受容体を刺激して起こります。高齢者では心房細動(AF)や心不全の誘因となるため、臨床的にも非常に重要なサインです。
橋本病について
🧊 橋本病とは?
橋本病とは、自己免疫性甲状腺炎の一種であり、甲状腺に対する以下の自己抗体が認められ、甲状腺が破壊される甲状腺機能低下症です。
- 抗チログロブリン抗体(抗TG抗体)
- 抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(抗TPO抗体)
※マイクロゾーム画分に対する自己抗体であることから「抗マイクロゾーム抗体」とも呼ばれます。
自己抗体によって甲状腺組織が破壊され、ホルモンが分泌できなくなる病態です。(Ⅲ型アレルギー)
📌 特徴
- 40〜50歳代の中年女性に好発
- 顔面及び四肢に圧痕を残さない粘液水腫(非圧痕性浮腫)
- 血中FT3・FT4 ↓、TSH ↑
- 治療法は甲状腺ホルモンの補充療法
💊 薬物療法(ホルモン補充)
- チロキシン(T4)製剤
チラーヂンS(レボチロキシン) - トリヨードチロニン(T3)製剤
チロナミン(リオチロニンナトリウム)
💡 薬物治療の重要ポイント(国試頻出!)
- ホルモン活性は「T3 > T4」ですが、半減期が長く血中濃度が安定しやすいため、通常の補充目的にはT4製剤であるレボチロキシンを用います。
- ※先天的な甲状腺形成不全により甲状腺ホルモンの分泌が欠乏する疾患をクレチン病と呼びます。
🔍 橋本病の病態メカニズム(正常時との比較)
【正常な場合】
- 下垂体からのTSHが甲状腺の受容体を刺激します。
- 甲状腺ホルモン(T4, T3)が必要に応じて分泌されます。
- 適切な量のホルモンが分泌されると、負のフィードバックによりTSH分泌が抑制され、バランスが保たれます。
【橋本病】
- 自己抗体(抗TG抗体、抗TPO抗体など)により、甲状腺が破壊されます。
- 甲状腺が壊れるため、ホルモン分泌が低下します(FT4, FT3 ↓↓)。
- ホルモンが足りないため負のフィードバックが弱まり、血中TSHは高値(↑↑)になります。
▼ 図解で見る(正常 vs 橋本病の比較)


💡 ここがポイント!自己抗体によって甲状腺自体が「破壊」されるため、ホルモンを作れなくなります。その結果、脳(下垂体)が「ホルモンが足りない!」と勘違いしてTSHを過剰に分泌するため、「ホルモン低値・TSH高値」という状態になります。



自己抗体による状腺自体の「破壊」で、脳(下垂体)が「ホルモンが足りない!」と勘違いしてTSHを過剰に分泌するため、「ホルモン低値・TSH高値」となるのが特徴です。
バセドウ病と橋本病の違い(まとめ)
| 項目 | 作用 | バセドウ病 (Ⅴ型アレルギー) | 橋本病 (Ⅲ型アレルギー) |
|---|---|---|---|
| TRAb TSAb | 甲状腺刺激 | ほとんど陽性 (◎) | 陰性 (×) |
| 抗TPO抗体 抗TG抗体 | 免疫学的機序 による破壊 | 陽性となることもある (〇) | ほとんど陽性 (◎) |
| TSH (甲状腺刺激ホルモン) | 甲状腺ホルモン の分泌 | ↓ | ↑ |
| TC (総コレステロール) | ー | ↓ | ↑ |
| 特徴 | ー | ・びまん性甲状腺腫 ・眼球突出 ・頻脈 ・体重減少 ・太鼓ばち指 ・前脛骨粘液水腫 | ・びまん性甲状腺腫 ・皮膚粘液水腫 ・徐脈 ・嗄声(させい) ・心拡大 ・代謝機能低下症状 |
- TRAb(抗TSH受容体抗体)
- TSAb(甲状腺刺激抗体)
- 抗TPO抗体(抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体)
- 抗TG抗体(抗チログロブリン抗体)
関連問題
最後に
今回は、甲状腺機能異常症のバセドウ病と橋本病の違いについて解説しました。



どっちがどっちだっけ?
となってしまいやすい疾患ですので、まとめの表の部分をテスト前の確認に使って頂けたら幸いです。



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