第110回
問149
理論問題|法規・制度・倫理
我が国の医薬分業
問149(理論)
我が国の医薬分業について正しいのはどれか。2つ選べ。
1
いわゆる医薬分業率とは、全患者のうち投薬が必要とされた患者への処方件数に対する院外処方箋枚数の割合である。
—
2
都道府県による医薬分業率の地域差は、令和元年(2019年)以降認められなくなった。
—
3
かかりつけ薬局において薬歴管理を行うことにより、重複投薬や相互作用の有無の確認ができ、薬物療法の有効性・安全性の向上が期待される。
—
4
西洋の医療制度が導入された明治2年(1869年)を医薬分業元年として、急速に分業が進んだ。
—
5
医師は、患者に必要な医薬品を病院・診療所にある医薬品に限定されることなく処方することができる。
—
正解です!
解説で医薬分業の歴史・意義・現状を確認しましょう。
不正解です。正解は 3、5 です。
解説で医薬分業の歴史・意義・現状を確認しましょう。
解説を見る▼
医薬分業(医師が処方箋を発行し、薬剤師が調剤を担うことで、診断・治療と調剤の機能を分離する仕組み)は、患者の薬物療法の安全性・有効性向上を目的とした重要な制度です。歴史的経緯・分業率の定義・現状の地域差・分業の意義を正確に整理することがポイントです。
医薬分業の歴史
我が国では、明治期に西洋医学が導入された際に医薬分業の考え方も紹介されたが、実際には医師による院内調剤の慣行が根強く残り、分業は長期間にわたり緩やかにしか進まなかった。分業が本格的に進展したのは、昭和49年(1974年)の診療報酬改定(処方箋料の大幅引き上げ)以降であり、これが実質的な「医薬分業元年」とされることが多い。明治期に急速に分業が進んだという事実はない
我が国では、明治期に西洋医学が導入された際に医薬分業の考え方も紹介されたが、実際には医師による院内調剤の慣行が根強く残り、分業は長期間にわたり緩やかにしか進まなかった。分業が本格的に進展したのは、昭和49年(1974年)の診療報酬改定(処方箋料の大幅引き上げ)以降であり、これが実質的な「医薬分業元年」とされることが多い。明治期に急速に分業が進んだという事実はない
医薬分業率の現状
医薬分業率は全国的に上昇してきたが、都道府県ごとの地域差は現在も存在しており、令和以降も解消されたわけではない
医薬分業率は全国的に上昇してきたが、都道府県ごとの地域差は現在も存在しており、令和以降も解消されたわけではない
医薬分業の意義
・かかりつけ薬局による一元的な薬歴管理により、複数医療機関からの処方であっても重複投薬・相互作用の有無を確認でき、薬物療法の有効性・安全性向上が期待される
・医師は、院内に備蓄された医薬品の種類に縛られることなく、患者に真に必要な医薬品を自由に処方できるようになる(院外の保険薬局が幅広い医薬品を取り扱うため)
・かかりつけ薬局による一元的な薬歴管理により、複数医療機関からの処方であっても重複投薬・相互作用の有無を確認でき、薬物療法の有効性・安全性向上が期待される
・医師は、院内に備蓄された医薬品の種類に縛られることなく、患者に真に必要な医薬品を自由に処方できるようになる(院外の保険薬局が幅広い医薬品を取り扱うため)
各選択肢の解説
× 1 医薬分業率の定義について、記述内容が不正確である
× 2 医薬分業率の都道府県による地域差は現在も存在しており、「令和元年以降認められなくなった」という記述は誤りである
◯ 3 かかりつけ薬局における薬歴管理により、重複投薬・相互作用の確認ができ、薬物療法の有効性・安全性向上が期待されるという記述は正しい
× 4 医薬分業が急速に進んだのは、明治2年ではなく、昭和49年(1974年)の診療報酬改定以降である。明治期はむしろ院内調剤の慣行が根強く、分業はなかなか進まなかった
◯ 5 医薬分業により、医師は院内に備蓄された医薬品に限定されず、患者に必要な医薬品を自由に処方できるという記述は正しい
× 1 医薬分業率の定義について、記述内容が不正確である
× 2 医薬分業率の都道府県による地域差は現在も存在しており、「令和元年以降認められなくなった」という記述は誤りである
◯ 3 かかりつけ薬局における薬歴管理により、重複投薬・相互作用の確認ができ、薬物療法の有効性・安全性向上が期待されるという記述は正しい
× 4 医薬分業が急速に進んだのは、明治2年ではなく、昭和49年(1974年)の診療報酬改定以降である。明治期はむしろ院内調剤の慣行が根強く、分業はなかなか進まなかった
◯ 5 医薬分業により、医師は院内に備蓄された医薬品に限定されず、患者に必要な医薬品を自由に処方できるという記述は正しい
引っかけポイント:
・選択肢2:分業率の地域差は依然として存在する現在進行形の課題であり、特定の年から「解消された」という誤った断定に注意する
・選択肢4:「西洋医学導入=分業が急速に進んだ」という直感的な誤解に注意する。実際の急速な進展は昭和49年(1974年)以降の診療報酬改定がきっかけである
・選択肢2:分業率の地域差は依然として存在する現在進行形の課題であり、特定の年から「解消された」という誤った断定に注意する
・選択肢4:「西洋医学導入=分業が急速に進んだ」という直感的な誤解に注意する。実際の急速な進展は昭和49年(1974年)以降の診療報酬改定がきっかけである
臨床メモ▼


薬剤師 あおい
複数の診療科・医療機関にかかっている患者さんが、同じかかりつけ薬局を利用することで、薬剤師が服薬情報を一元的に把握し、重複投薬や飲み合わせの問題に気づけるケースは実務でも少なくありません。「お薬手帳」の活用も、この一元管理の考え方を支える重要なツールです。
一方で、近年は医薬分業のメリットが患者さんに十分に実感されていないという指摘や、患者さんの負担(自己負担額)増加への不満の声もあり、分業の意義をどう分かりやすく伝えるかも、現場の薬剤師にとって大切な課題です。










