第111回
問124
理論問題|衛生
リスク要因別の関連死亡者数と疾患予防対策
問124 図は、我が国のリスク要因別の関連死亡者数(2019年)の上位1位から5位を示したものである。各リスク要因A〜Eと、それに起因する疾患の予防対策に関する記述として正しいのはどれか。2つ選べ。
1
Aは運動不足であり、疾患の予防には身体活動の習慣化が有効である。
—
2
Bは喫煙であり、疾患の予防には禁煙及び受動喫煙の防止が有効である。
—
3
Cは高血糖であり、疾患の予防には総エネルギー摂取量の適正化と身体活動の習慣化が有効である。
—
4
Dは高血圧であり、疾患の予防には塩分の過剰摂取を控えることが有効である。
—
5
Eはアルコール摂取であり、疾患の予防には節酒・断酒が有効である。
—
正解です!
リスク要因の同定と予防対策の組み合わせを正確に把握できています。
不正解です。正解は 2 と 3 です。
解説でリスク要因A〜Eの特定と予防対策を確認しましょう。
解説を見る
▼
グラフの読み取り方:棒グラフの内訳(色)でリスク要因を同定する
・A(196.4千人・1位)→ 高血圧:内訳のほとんどが循環器疾患(ピンク)
・B(187.2千人・2位)→ 喫煙:循環器疾患・悪性新生物・呼吸器系疾患と多岐にわたる
・C(100.8千人・3位)→ 高血糖:糖尿病(オレンジ色)が含まれるのが決定打
・D(75.8千人・4位)→ 高LDLコレステロール:循環器疾患がメイン(塩分摂取より上位)
・E(51.8千人・5位)→ 過体重・肥満:複数疾患にまたがる
・A(196.4千人・1位)→ 高血圧:内訳のほとんどが循環器疾患(ピンク)
・B(187.2千人・2位)→ 喫煙:循環器疾患・悪性新生物・呼吸器系疾患と多岐にわたる
・C(100.8千人・3位)→ 高血糖:糖尿病(オレンジ色)が含まれるのが決定打
・D(75.8千人・4位)→ 高LDLコレステロール:循環器疾患がメイン(塩分摂取より上位)
・E(51.8千人・5位)→ 過体重・肥満:複数疾患にまたがる
▼ 令和7年版 厚生労働白書(図表7-4-1)― 参照用
出典:令和7年版 厚生労働白書 図表7-4-1(Nomura S et al. Lancet Regional Health – Western Pacific 2022, 21. より一部抜粋)
【各選択肢の解説】
| 選択肢 | 記述 | 判定・理由 |
|---|---|---|
| 1 | Aは運動不足→身体活動の習慣化が有効 | × Aは高血圧(196.4千人・1位)。運動不足は白書グラフでは10位相当(20.5千人)であり、上位5位には入らない。高血圧の予防には減塩・減量・有酸素運動・節酒・禁煙などが有効 |
| 2 ★ | Bは喫煙→禁煙及び受動喫煙の防止が有効 | ◯ Bは喫煙(187.2千人・2位)。悪性新生物(がん)・循環器疾患・呼吸器系疾患と多岐にわたる疾患の原因。禁煙と受動喫煙防止が有効。健康増進法でも受動喫煙対策が規定されている |
| 3 ★ | Cは高血糖→総エネルギー摂取量の適正化と身体活動の習慣化が有効 | ◯ Cは高血糖(100.8千人・3位)。グラフの内訳に糖尿病(オレンジ)が含まれるのが識別のポイント。2型糖尿病・糖尿病性腎症などの予防・改善には総エネルギー摂取量の適正化と身体活動の習慣化の両立が基本 |
| 4 | Dは高血圧→塩分の過剰摂取を控えることが有効 | × Dは高LDLコレステロール(75.8千人・4位)。循環器疾患(ピンク)がメインで、塩分の過剰摂取(38.1千人・8位)よりも上位。高血圧はA(1位)であり、DをA(高血圧)と誤って同定している。高LDLコレステロールの予防は脂質の適正摂取・適度な運動が有効 |
| 5 | Eはアルコール摂取→節酒・断酒が有効 | × Eは過体重・肥満(51.8千人・5位)。アルコール摂取は41.6千人(7位)であり上位5位に入らない。過体重・肥満の予防には総エネルギー摂取量の適正化・身体活動の増加が有効 |
⚠️ 引っかけポイント(選択肢順):
・選択肢1:Aを「運動不足」と誤認しやすい → A=高血圧(最大の棒・196.4千人)
・選択肢4:Dを「高血圧」と誤認しやすい → D=高LDLコレステロール(75.8千人・4位)。塩分摂取(38.1千人・8位)より上位である点も注意
・選択肢5:Eを「アルコール摂取」と誤認しやすい → E=過体重・肥満(51.8千人・5位)。アルコール摂取は7位
・選択肢1:Aを「運動不足」と誤認しやすい → A=高血圧(最大の棒・196.4千人)
・選択肢4:Dを「高血圧」と誤認しやすい → D=高LDLコレステロール(75.8千人・4位)。塩分摂取(38.1千人・8位)より上位である点も注意
・選択肢5:Eを「アルコール摂取」と誤認しやすい → E=過体重・肥満(51.8千人・5位)。アルコール摂取は7位
臨床メモ
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薬剤師 あおい
薬局では高血圧・高血糖・脂質異常症の三大生活習慣病患者さんへの服薬指導が日常的です。このグラフが示すように、高血圧・喫煙・高血糖・高LDLコレステロールの4因子が死亡関連リスクの上位を占めており、複数リスクが重なる患者さんも多いです。
高LDLコレステロール(D)への対策として、スタチン系薬剤の服薬指導に加え、飽和脂肪酸の制限(バター・ラード・肉の脂身・全脂乳製品などを控える)、食物繊維の積極摂取(野菜・豆類・海藻・果物など)、適度な有酸素運動の生活改善指導が重要です。喫煙を続けていると薬効が相殺されるため、禁煙支援もあわせて行いましょう。










