第111回
問141
理論問題|法規・制度・倫理
ヘルシンキ宣言に照らした医学研究
問141 医学研究に関する記述のうち、ヘルシンキ宣言に照らして正しいのはどれか。1つ選べ。
1
宣言の対象となる医学研究には、本人を特定できるヒトの試料やデータを用いる研究も含まれる。
—
2
資金源の情報は、研究計画書に明示してはならない。
—
3
インフォームド・コンセントを行う能力がない者を対象者にしてはならない。
—
4
研究開始後、すみやかに倫理審査委員会の審査を受けなければならない。
—
5
研究の対象となる患者の生命のリスクよりも、研究から得られる経済的利益を優先しなければならない。
—
正解です!
ヘルシンキ宣言の主要原則を正確に把握できています。
不正解です。正解は 1 です。
解説でヘルシンキ宣言の主要原則を確認しましょう。
解説を見る
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ヘルシンキ宣言(1964年採択、最終改訂2013年)の主要原則
・対象:ヒトを対象とする医学研究全般(個人を特定できる試料・データを用いる研究も含む)
・倫理審査委員会への申請は研究開始前に行う
・資金源・利益相反は研究計画書・論文に明示しなければならない
・同意能力のない者(脆弱な集団)も研究対象になり得るが、代諾者による同意が必要
・被験者の福祉・権利・利益が科学的・社会的利益より優先される
・対象:ヒトを対象とする医学研究全般(個人を特定できる試料・データを用いる研究も含む)
・倫理審査委員会への申請は研究開始前に行う
・資金源・利益相反は研究計画書・論文に明示しなければならない
・同意能力のない者(脆弱な集団)も研究対象になり得るが、代諾者による同意が必要
・被験者の福祉・権利・利益が科学的・社会的利益より優先される
【各選択肢の解説】
| 選択肢 | 記述 | 判定・理由 |
|---|---|---|
| 1 ★ | 宣言の対象:本人を特定できる試料・データを用いる研究も含む | ◯ ヘルシンキ宣言は「ヒトを対象とする医学研究」を広く対象とし、個人を特定できるヒトの試料・データを用いる研究も明示的に含まれる。直接的な介入研究だけでなく、データ・バイオバンク研究なども対象 |
| 2 | 資金源の情報:研究計画書に明示してはならない | × 逆。ヘルシンキ宣言は資金源・スポンサー・利益相反について研究計画書および出版物に明示しなければならないと規定している。透明性の確保が研究倫理の基本原則 |
| 3 | インフォームド・コンセント能力のない者:対象者にしてはならない | × 同意能力のない者(小児・認知症患者・意識障害者など脆弱な集団)も研究対象になり得る。ただし法的代諾者による代理同意が必要であり、本人の意思も最大限尊重される。同意能力がないことを理由に一律排除するわけではない |
| 4 | 倫理審査委員会の審査:研究開始後すみやかに受ける | × 倫理審査委員会の審査は研究開始前に受けなければならない。「研究開始後」は誤り。事前審査・承認を経ることが研究倫理の大原則 |
| 5 | 経済的利益を患者の生命リスクより優先しなければならない | × 完全に逆。ヘルシンキ宣言は被験者の福祉・権利・安全が科学的・社会的・経済的利益よりも常に優先されると明記している。経済的利益を患者の生命リスクより優先することは宣言の根本精神に反する |
⚠️ 引っかけポイント(選択肢順):
・選択肢2:資金源は「明示してはならない」ではなく明示しなければならない(透明性の原則)
・選択肢3:同意能力なし=研究対象外ではなく、代諾者同意で参加可能
・選択肢4:倫理審査は「開始後」ではなく開始前に受ける
・選択肢2:資金源は「明示してはならない」ではなく明示しなければならない(透明性の原則)
・選択肢3:同意能力なし=研究対象外ではなく、代諾者同意で参加可能
・選択肢4:倫理審査は「開始後」ではなく開始前に受ける
臨床メモ
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薬剤師 あおい
ヘルシンキ宣言は臨床試験・治験に携わる薬剤師にとって基本的な倫理規範です。GCP省令(医薬品の臨床試験の実施の基準)もこの宣言の精神を踏まえており、インフォームド・コンセントの取得・倫理審査委員会への申請・利益相反の開示は治験業務の必須要件です。
薬局薬剤師でも、患者さんが臨床試験への参加を検討している場合に「研究計画書の内容確認」「同意撤回の権利」「費用負担の有無」などについて情報提供できると、患者支援の質が向上します。












