


塗り薬が3本も出たけど、どれから塗ればいいの?
この記事はこういった悩みをもった薬剤師や患者さん向けです。



こんにちは。薬剤師のあおい(@yaku_medical)です。
薬局でとてもよく聞かれる質問です。
塗る順番の基本は「広い範囲に塗るものから先に、患部だけに塗る薬はあとに」です。
ただし、順番そのものより、毎日きちんと塗り続けることのほうが大切です。
この記事では、保湿剤・ステロイド・プロトピックなど、よくある組み合わせ別の塗る順番を早見表でまとめます。
この記事でわかること
- 塗り薬がいくつも出たときの、基本の塗る順番
- 保湿剤・ステロイド・プロトピック・亜鉛華軟膏など、よくある組み合わせ別の順番
- 塗る間隔やタイミング、よくある間違い
目次
結論:基本は「広い範囲 → 狭い範囲」
結論:塗り薬の基本の順番
- 塗る範囲の広いものから先に、湿疹など患部だけの薬はあとに塗る
- 多くの場合は保湿剤 → 患部の薬(ステロイドなど) → 必要ならワセリンで保護
- 順番で効果は大きく変わらないという報告も。医師の指示がある場合はそれが優先
STEP 1保湿剤乾燥している範囲に広く
→
STEP 2患部の薬ステロイド・プロトピックなどを湿疹の部分だけに
→
STEP 3保護(必要なとき)ワセリンなどで上からフタ
【早見表】組み合わせ別の塗る順番
| 組み合わせ | 塗る順番 | ポイント |
| 保湿剤 + ステロイド | 保湿剤 → ステロイド | 保湿剤を広く塗ってから、ステロイドを湿疹の部分だけに |
| ヒルドイド + プロペト | ヒルドイド → プロペト | うるおいを与えてからフタをする |
| 保湿剤 + ステロイド + プロペト | 保湿剤 → ステロイド → プロペト | プロペトは最後に重ねて保護 |
| 保湿剤 + プロトピック・コレクチム・モイゼルト | 保湿剤 → プロトピックなど | ステロイドと同じく、患部の薬はあとに |
| ステロイド + 亜鉛華軟膏 | ステロイド → 亜鉛華軟膏(布にのばして重ねる) | 「重層法」。医師の指示がある場合に |
| 塗り薬 + 日焼け止め・化粧品 | 塗り薬 → 日焼け止め・化粧品 | 薬がなじんでから重ねる |
※一般的な目安です。医師から順番の指示がある場合は、その指示に従ってください。
なぜ「広い範囲から」なのか
理由はシンプルで、患部だけに塗るべき薬を、必要のない場所に広げないためです。
逆の順番だとステロイド → 保湿剤保湿剤を広げるときに、ステロイドが湿疹のない部分にまで広がってしまう
基本の順番なら保湿剤 → ステロイド保湿剤で全体を整えてから、湿疹の部分だけに狙って塗れる
順番で効果は大きく変わらない、という報告もあります
保湿剤とステロイドの塗る順番を入れ替えても、効果や副作用に有意な差はなかったという報告があります。順番を気にしすぎて塗るのがおっくうになるより、毎日きちんと塗り続けることのほうが大切です。
薬の種類別:塗るときの注意
保湿剤ヒルドイド・尿素など乾燥している範囲に広く、たっぷりと。入浴後などしっとりしているうちに塗ると効果的。
ステロイド湿疹の部分だけに部位ごとに処方された強さの薬を使う。良くなっても自己判断で急にやめない。
プロトピックなど塗り始めのヒリヒリに注意プロトピックは、塗り始めに一時的なほてりやヒリヒリ感が出やすい。ジュクジュクした部分には塗らない。塗った部位の強い日光は避ける。
ワセリン最後に重ねて保護水分を閉じ込め、外の刺激から守る。こすらず、のせるように薄く広げる。
亜鉛華軟膏布にのばして重ねることもジュクジュクした湿疹では、ステロイドの上にガーゼなどにのばした亜鉛華軟膏を重ねる方法(重層法)がとられることがある。
共通塗ったあとは手を洗う特にステロイドやプロトピックは、目や口に入らないよう、塗ったあとに手を洗う。
塗る間隔とタイミング
| 項目 | 目安 |
| 薬と薬の間隔 | 厳密な決まりはない。前の薬が肌になじんで、べたつきが少し落ち着いてから次を塗ると、広がりにくい |
| 塗るタイミング | 入浴後がおすすめ。入浴後1時間以内であれば、保湿効果に大きな差はなかったという報告がある |
| 1日の回数 | 処方の指示どおりに。保湿剤は1日2回(朝と入浴後など)塗ると、1回より効果が高かったという報告がある |
| 日焼け止め・化粧 | 塗り薬がなじんでから重ねる。プロトピックを塗った部位は、強い日光を避ける |
よくある間違い
間違い1
順番を間違えたら効かない
正しくは
順番を入れ替えても効果に大きな差はないという報告があります。間違えたからといって、塗り直す必要はありません。
間違い2
保湿剤とステロイドを手の上で混ぜて塗ればラク
正しくは
自己判断で混ぜると、ステロイドが湿疹のない部分にまで広がってしまいます。医師が混合を指示した薬以外は、別々に塗りましょう。
間違い3
良くなったから、ステロイドだけやめて保湿剤も中止
正しくは
見た目が良くなっても、乾燥しやすい肌は続いていることが多いです。保湿は続け、ステロイドの減らし方は医師と相談しましょう。
間違い4
薬はすり込むほどよく効く
正しくは
すり込むと刺激になることがあります。人差し指の先から第一関節までの量(1FTU)で手のひら2枚分を目安に、のせるように広げましょう。
よくある質問
顔と体で違う薬が出ている。順番は?
部位ごとに分けて考えます。顔には顔用、体には体用の薬を、それぞれ「保湿剤 → 患部の薬」の順に塗りましょう。顔用の薬を体に、体用の薬を顔に使うのは避けてください。
ステロイドとプロトピックの両方が出ている
多くの場合、部位や時期で使い分けるよう指示されています。同じ場所に重ねて塗るかどうかは、処方した医師の指示を確認してください。
目薬や貼り薬もある場合は?
目薬は塗り薬の前に済ませ、手を洗ってから塗り薬を塗ると、薬が目に入るのを防げます。貼り薬は、塗り薬がなじんだあと、塗っていない場所に貼りましょう。
子どもが嫌がって、全部の薬を塗れない
まずは処方の目的が大きい薬を優先しましょう。塗る順番より毎日続けることが大切なので、塗りやすい方法を薬剤師に相談してください。
子どもが手をなめてしまう。どうしたらいい?
塗るタイミングを工夫しましょう。寝る前や寝ている間、食事のあとに塗る、塗ったあとしばらくは手袋やミトンをつける、絵本や遊びで手から気をそらす、などの方法があります。薄く塗って肌になじませると、なめても口に入る量は減ります。少しなめた程度なら、多くの場合心配はいりません。たくさん食べてしまった、様子がおかしいといったときは、薬の容器を手元に用意して、処方した医師または薬局の薬剤師に相談してください。夜間・休日などで連絡がつかないときは、日本中毒情報センターの中毒110番(24時間対応)も利用できます。
塗る順番を医師と薬剤師で違うことを言われた
医師が症状に合わせて指示している場合は、医師の指示が優先です。迷ったときは、薬局で処方の内容を確認してもらいましょう。
まとめ
塗り薬の塗る順番 まとめ
- 基本は広い範囲 → 狭い範囲(保湿剤 → 患部の薬 → 必要ならワセリン)
- ステロイドやプロトピックは、湿疹の部分だけに塗る
- 前の薬がなじんでから次を塗る。間隔に厳密な決まりはない
- 順番で効果は大きく変わらないので、毎日続けることを優先
- 医師から順番の指示がある場合は、その指示が優先
薬がたくさん出て塗り方に迷ったら、薬局で「どこに・どの順番で」を一緒に確認してもらいましょう。










