【第110回薬剤師国家試験】問187 薬剤性過敏症症候群 解説

  • URLをコピーしました!
第110回 問187
第110回 問187
理論問題|病態・薬物治療
薬剤性過敏症症候群
問187(理論)
薬剤性過敏症症候群に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
1
重症型の呼吸器障害である。
2
原因医薬品として、抗てんかん薬や高尿酸血症治療薬がある。
3
原因医薬品の服用直後に発症することが多い。
4
初期症状として、発熱や紅斑がみられる。
5
発症時には原因薬を増量し、経過を観察する。
正解です!
解説で薬剤性過敏症症候群の病態を確認しましょう。
×
不正解です。正解は 2、4 です。
解説で薬剤性過敏症症候群の病態を確認しましょう。
解説を見る

薬剤性過敏症症候群(DIHS:Drug-induced Hypersensitivity Syndrome)は、重症薬疹の一つであり、特定の薬剤に対する遅延型の過敏反応とヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)の再活性化が関与するとされています。原因薬・潜伏期間・症状・対処法を正確に押さえることがポイントです。

薬剤性過敏症症候群の病態のポイント
・皮膚・全身に及ぶ重症薬疹(皮膚障害)の一つであり、呼吸器障害を主体とする疾患ではない
・代表的な原因医薬品として、抗てんかん薬(カルバマゼピン、フェニトイン、フェノバルビタール等)や高尿酸血症治療薬(アロプリノール等)が知られている
・原因医薬品の投与開始から発症までの潜伏期間が長い(一般に2〜6週間程度)ことが特徴であり、服用直後に発症することは少ない
・初期症状として発熱・紅斑がみられ、その後リンパ節腫脹、肝機能障害、好酸球増多などの全身症状に進展することがある
・発症が疑われる場合は、原因薬を直ちに中止することが治療の基本であり、増量して経過観察することは重篤化・致命的な転帰につながりうる危険な対応である
各選択肢の解説
× 1 薬剤性過敏症症候群は重症薬疹(皮膚障害)であり、呼吸器障害を主体とする疾患ではない
◯ 2 原因医薬品として抗てんかん薬や高尿酸血症治療薬(アロプリノール等)があるという記述は正しい
× 3 発症までの潜伏期間は長く(数週間程度)、服用直後に発症することが多いという記述は誤り
◯ 4 初期症状として発熱や紅斑がみられるという記述は正しい
× 5 発症時には原因薬を直ちに中止する必要があり、増量して経過観察するという対応は誤りであり危険である
引っかけポイント:
・選択肢1:重症薬疹という位置づけを、無関係な「呼吸器障害」にすり替えている
・選択肢3:多くの薬疹・アレルギー反応と異なり、DIHSは潜伏期間が長いという特徴的な点が、「服用直後」という誤った記述にすり替えられている
・選択肢5:重篤な副作用が疑われる際の基本原則(原因薬の中止)が、真逆の「増量」という記述にすり替えられている極めて危険なひっかけ
臨床メモ
あおい
薬剤師 あおい

薬剤性過敏症症候群は、投与開始から発症までの期間が長いため、患者さん自身も「今飲んでいる薬が原因」と気づきにくいのが特徴です。抗てんかん薬やアロプリノールを新規に開始した患者さんには、数週間後に発熱や皮疹が出現した場合は速やかに医療機関を受診するよう、あらかじめ説明しておくことが実務上重要です。

また、DIHSは一度軽快した後に再燃を繰り返すこと(多峰性の経過)があり、治癒後も甲状腺機能異常などの自己免疫疾患を発症することがあるため、長期的なフォローアップが必要とされる疾患です。

第110回 薬剤師国家試験 解説トップへ

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次