抗原と抗体の違いは?抗体の主な機能4つについて

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A子

抗原と抗体の違いってなんだろう?

Bくん

そもそも抗体ってどんな働きをしているんだろう?

この記事はこんな疑問を持った方向けです。

あおい

こんにちは。薬剤師のあおい(@yaku_medical)です!

抗原と抗体について、抗体の主な機能を4つ解説していきます。

この記事の内容
  • 抗原とは?
  • 抗体とは?
  • 抗体の主な機能4つ
  • まとめ
目次

抗原とは?

生物には,自分とはことなる異物(毒素や病原体など)が体内に入ってきたとき,それに対応する抗体や,感作リンパ球をつくりだす性質があります。

感作リンパ球とは、抗原による刺激で誘導されるリンパ球細胞のことです。

こうした反応を引き起こす異物(毒素や病原体など)に該当する原因物質を抗原と呼びます。

抗原が抗体をつくりだしたり細胞性免疫を誘導したりする性質を免疫原性(抗原性)といい,その抗体と特異的に結合する活性のことを反応原性と呼びます。

免疫原性と反応原生の両方の性質をもっている抗原を完全抗原といいます。

また、反応原性だけをもつ主に低分子化合物のことを不完全抗原(ハプテン)といいます。

抗体とは?

抗体は免疫グロブリンというタンパク質からなり、特定の異物(毒素や病原体など)にある抗原に特異的に結合して、その異物を生体内から除去する働きがあります。

抗体の機能は、主に以下の4つがあります。

抗体の機能
  • 中和作用
  • 補体活性化
  • オプソニン化
  • 抗体依存性細胞傷害(ADCC)反応

抗体の主な機能4つ

中和作用

毒素や病原体が細胞内へ侵入するとき、特異的な抗体がくっつくと、毒素や病原体は細胞に侵入することができなくなり、病原性を中和するはたらきのこと。

※主に血中濃度が最も高いIgGが働きます。

中和作用

補体活性化

補体は主に肝臓で合成される正常ヒト血液中に存在するタンパク質群のことで、抗体と違い抗原特異性はもたない。

補体の活性化経路には古典経路、第二経路、レクチン経路の3つがあり、抗体は古典経路を活性化する。

※主にIgMが関与し、血中濃度が最も高いIgGも関与する。

補体活性化

オプソニン化

病原体などの抗原に抗体や補体が結合することにより病原体(抗原)がマクロファージ好中球などの食細胞に取り込まれやすくさせること。(貪食促進作用)

※抗体:主にIgG、補体:C3b

オプソニン化
抗体の構造

抗体依存性細胞傷害(ADCC)反応

その名の通り、抗体に依存したNK細胞などの細胞による細胞を傷害する反応です。

細胞や病原体に抗体が結合すると、その抗体のFc領域を認識します。

Fc受容体を持ったマクロファージ(MΦ)NK細胞などの免疫細胞が呼び寄せられ、抗体が結合している細胞や病原体を傷害する反応です。

※主に血中濃度が最も高いIgGが働きます。

抗体依存性細胞傷害(ADCC)反応

まとめ

以上のことをまとめると、

・抗体の中和作用は、病原性を中和するはたらきのこと.
・抗体の補体活性化は、古典経路を活性化するはたらきのこと.
・抗体のオプソニン化は、マクロファージや好中球などの食細胞の貪食を促進するはたらきのこと.
・抗体の抗体依存性細胞傷害(ADCC)反応は、抗体に依存したNK細胞などによる細胞を傷害するはたらきのこと.

あおい

この記事が役に立ちましたら幸いです。

抗原と抗体の違いは?抗体の主な機能4つについて

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