第111回
問41
💊 必須問題|薬剤
構造式の薬物の脳内移行に関与するトランスポーター
問題文
以下の構造式で示される薬物の脳内への移行に、主として関与するトランスポーターはどれか。1つ選べ。
1
P-糖タンパク質
—
2
有機カチオントランスポーター OCT2
—
3
有機アニオントランスポーター OAT3
—
4
中性アミノ酸トランスポーター LAT1
—
5
グルコーストランスポーター GLUT1
—
正解です!
素晴らしい!下の解説も確認してみましょう。
不正解です。正解は 4(中性アミノ酸トランスポーター LAT1) です。
下の解説でしっかり確認しましょう!
解説を見る
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構造式はカテコール骨格(ベンゼン環に2つのOH基)にアミノ酸側鎖(-CH₂-CH(NH₂)-COOH)が結合した構造で、レボドパ(L-DOPA)です。レボドパはアミノ酸(フェニルアラニンやチロシンに類似した中性アミノ酸)として認識され、血液脳関門(BBB)をLAT1(中性アミノ酸トランスポーター)を介して能動的に脳内へ移行します。
🔑 レボドパがLAT1を使う理由
レボドパは芳香族アミノ酸(フェニルアラニン・チロシン・トリプトファン)と同じLAT1の基質として認識される。脳内に入ったレボドパはDOPA脱炭酸酵素によってドパミンに変換され、パーキンソン病の症状を改善する。
レボドパは芳香族アミノ酸(フェニルアラニン・チロシン・トリプトファン)と同じLAT1の基質として認識される。脳内に入ったレボドパはDOPA脱炭酸酵素によってドパミンに変換され、パーキンソン病の症状を改善する。
| 選択肢 | トランスポーター | 主な役割・輸送する物質 |
|---|---|---|
| 1 | P-糖タンパク質(P-gp) | 異物(薬物)をBBBから脳外へ排出するポンプ。脳への薬物移行を妨げる方向に働く |
| 2 | 有機カチオントランスポーター OCT2 | 腎臓の尿細管に多く発現。メトホルミン・クレアチニンなど陽イオン性物質の排泄に関与。BBBとは無関係 |
| 3 | 有機アニオントランスポーター OAT3 | 腎臓・BBBに発現。アニオン性薬物(メトトレキサートなど)の輸送。中性アミノ酸は対象外 |
| 4 ★ | 中性アミノ酸トランスポーター LAT1 | BBBに発現。芳香族中性アミノ酸(Phe・Tyr・Trp)およびレボドパを脳内へ輸送 |
| 5 | グルコーストランスポーター GLUT1 | BBBに発現し脳へのグルコース供給を担う。アミノ酸は輸送しない |
⚠️ 引っかけポイント:
・P-糖タンパク質(選択肢1)はBBBに発現しているが、脳内への取り込みではなく脳外への排出トランスポーター
・OCT2(選択肢2)・OAT3(選択肢3)は主に腎臓の有機イオントランスポーター。レボドパのような中性アミノ酸は対象外
・GLUT1(選択肢5)はBBBでグルコースを輸送するが、アミノ酸構造のレボドパは輸送しない
・P-糖タンパク質(選択肢1)はBBBに発現しているが、脳内への取り込みではなく脳外への排出トランスポーター
・OCT2(選択肢2)・OAT3(選択肢3)は主に腎臓の有機イオントランスポーター。レボドパのような中性アミノ酸は対象外
・GLUT1(選択肢5)はBBBでグルコースを輸送するが、アミノ酸構造のレボドパは輸送しない
📎 関連記事:LAT1・P-gpなどトランスポーターのゴロまとめ
→ 【薬剤師国家試験】トランスポーター関連のゴロ教えます!|薬剤師の気まぐれノート
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臨床メモ
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💊 薬剤師 あおい
レボドパはLAT1という中性アミノ酸と同じルートで脳に入ります。そのため、高タンパク食(特に芳香族アミノ酸を多く含む食事)を摂ると、食事中のアミノ酸とレボドパがLAT1を取り合い、レボドパの脳への移行量が減少してしまいます。これがパーキンソン病患者さんへの服薬指導で「タンパク質の多い食事と同時に服用しないようにしましょう」と伝える理由です。
また、レボドパは末梢でドパミンに変換されると副作用(悪心・嘔吐・心血管系への影響)が出るため、末梢でのDOPA脱炭酸酵素を阻害するカルビドパやベンセラジドと配合されて使われます(メネシット®・マドパー®)。










