【第111回薬剤師国家試験】問50 原薬の微粉砕によって増大するもの 解説

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第111回 問50
第111回 問50
💊 必須問題|薬剤
原薬の微粉砕によって増大するもの
問題文
医薬品の原薬を微粉砕することによって増大するのはどれか。1つ選べ。ただし、粉砕による二次粒子の形成はないものとする。
1
流動性
2
充てん性
3
溶解性
4
安定性
5
結晶性
正解です!
素晴らしい!下の解説も確認してみましょう。
×
不正解です。正解は 3(溶解性) です。
下の解説でしっかり確認しましょう!
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原薬を微粉砕すると粒子径が小さくなり、比表面積が増大します。比表面積の増大により、溶媒との接触面積が増えて溶解速度・溶解性が向上します。これはNovyes-Whitney式(溶解速度 ∝ 比表面積)からも説明できます。

🔑 微粉砕による比表面積増大の影響
比表面積↑ → 溶解性・溶出速度↑(メリット)
比表面積↑ → 粒子間の付着力・凝集力↑ → 流動性↓・充てん性↓
比表面積↑ → 外部環境(水分・酸素・光)との接触面積↑ → 安定性↓
強い粉砕エネルギー → 結晶格子が乱れる → 結晶性↓・非晶質化
選択肢物性微粉砕による変化理由
1 流動性 低下 粒子が小さくなると付着力・凝集力が増し、粉体の流れが悪くなる
2 充てん性 低下 微細粒子は凝集しやすく、均一に充てんされにくくなる
3 ★ 溶解性 増大 比表面積↑ → 溶媒との接触面積↑ → 溶解速度・溶解性が向上
4 安定性 低下 比表面積↑ → 水分・酸素・光との接触増大 → 分解・酸化が起こりやすくなる
5 結晶性 低下 強い粉砕により結晶格子が乱れ、非晶質(アモルファス)化しやすくなる
⚠️ 引っかけポイント:
流動性(選択肢1)・充てん性(選択肢2)は微粉砕により低下する。問題文に「二次粒子の形成はないものとする」とあるのは、凝集による流動性回復の可能性を除外するため
安定性(選択肢4)も低下する。難溶性薬物の微粉砕製剤で吸湿・酸化が問題になることがある
結晶性(選択肢5)も低下し非晶質化しやすくなる。非晶質は溶解性は上がるが安定性は下がる
臨床メモ
あおい
💊 薬剤師 あおい

難溶性薬物の吸収改善に微粉砕技術が活用されています。例えばグリセオフルビン(抗真菌薬)は微粉砕製剤にすることで溶解性・吸収性が大幅に改善されています。また、ナノ粒子化(ナノクリスタル技術)はさらに粒子径を小さくした応用技術で、アパルタミドやイベルメクチンなど難溶性薬物の製剤に使われています。

一方で微粉砕により流動性が低下すると、散剤・粉末剤の分包精度や錠剤の製造工程(打錠)に問題が生じます。そのため実際の製剤では流動化剤(コロイド状ケイ酸など)を添加して流動性を補うことが多いです。

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