第111回
問139
理論問題|衛生
室内において健康影響を与える因子及び指標・基準
問139 室内において健康影響を与える因子及び指標・基準に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
1
室内空気中の総揮発性有機化合物の暫定目標値は、各揮発性有機化合物の毒性を基に定められている。
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2
ヒョウヒダニの死骸はアレルゲンとなるため、学校保健安全法においてダニ又はダニアレルゲンの基準が設定されている。
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3
ホルムアルデヒドはシックハウス症候群の原因となり、建築基準法において建材への使用が禁止されている。
—
4
カビの増殖は気温や気湿によって影響を受けるため、気温と気湿の管理は、アレルギー性疾患の予防には重要である。
—
5
レジオネラ属菌は温泉や公共入浴施設において感染例が多く、20〜30歳の患者数が多い。
—
正解です!
室内環境と健康影響の関係を正確に把握できています。
不正解です。正解は 2 と 4 です。
解説で各室内健康因子の指標と規制内容を確認しましょう。
解説を見る
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| 選択肢 | 記述 | 判定・理由 |
|---|---|---|
| 1 | TVOC暫定目標値:各VOCの毒性を基に設定 | × TVOC(総揮発性有機化合物)の暫定目標値(400μg/m³)は、各VOCの個別毒性からではなく、欧米の実態調査データや疫学的知見を参考に設定されたもの。個別のVOC(ホルムアルデヒド・トルエン等)には別途それぞれ指針値が設けられている |
| 2 ★ | ヒョウヒダニ死骸:アレルゲン→学校保健安全法でダニ基準が設定 | ◯ ヒョウヒダニ(チリダニ)の死骸・糞はアレルゲン性が高く、気管支喘息・アレルギー性鼻炎の主要原因。学校保健安全法に基づく学校環境衛生基準では、ダニ又はダニアレルゲンの基準(100匹/m²以下または2μg/g以下)が設定されている |
| 3 | ホルムアルデヒド:建築基準法で建材への使用が禁止 | × ホルムアルデヒドはシックハウス症候群の主要原因物質だが、建築基準法では建材への使用を完全禁止ではなく、使用制限・換気設備の設置義務が規定されている(2003年施行)。建材のホルムアルデヒド放散量によりF☆〜F☆☆☆☆の等級が設けられ、使用面積が制限されている |
| 4 ★ | カビ増殖は気温・気湿の影響を受ける→温湿度管理がアレルギー予防に重要 | ◯ カビは高温多湿(気温25〜30℃、相対湿度70%以上)で増殖しやすく、カビの胞子・代謝産物がアレルゲンとなってアレルギー性喘息・アレルギー性鼻炎を引き起こす。室内の温度・湿度管理(除湿・換気)はカビ・ダニ両方の抑制に有効であり、アレルギー性疾患の非薬物療法として重要 |
| 5 | レジオネラ属菌:温泉・公共入浴施設で感染→20〜30歳に多い | × レジオネラ症は温泉・公共入浴施設・冷却塔での感染が多い点は正しいが、患者は50〜70歳代の中高年・免疫低下者に多く、20〜30歳では少ない。高齢者・喫煙者・免疫抑制状態の患者が重症化しやすい |
⚠️ 引っかけポイント(選択肢順):
・選択肢1:TVOCの暫定目標値は「各VOCの毒性」ではなく疫学データ等を基に設定
・選択肢3:ホルムアルデヒドは「禁止」ではなく使用制限+換気義務(F☆☆☆☆等の等級制)
・選択肢5:レジオネラ症の患者は20〜30歳ではなく50〜70歳代の中高年に多い
・選択肢1:TVOCの暫定目標値は「各VOCの毒性」ではなく疫学データ等を基に設定
・選択肢3:ホルムアルデヒドは「禁止」ではなく使用制限+換気義務(F☆☆☆☆等の等級制)
・選択肢5:レジオネラ症の患者は20〜30歳ではなく50〜70歳代の中高年に多い
臨床メモ
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薬剤師 あおい
喘息・アレルギー性鼻炎の患者さんへの生活指導として、ダニ・カビ対策は薬物療法と同等に重要です。「寝具を週1回以上洗濯・天日干し」「室内湿度60%以下を目安に除湿」「こまめな換気」といった具体的なアドバイスを服薬指導に加えることで、生活改善につながります。
レジオネラ症は温泉施設や循環式浴槽での集団感染事例が報告されています。免疫抑制薬・ステロイド使用中の患者さんや高齢者には、温泉利用後に発熱・咳が続く場合は早めに受診するよう伝えておくと安心です。










