【臨床検査値】ALP(アルカリホスファターゼ)が高い原因は?基準値の変更やアイソザイムを薬剤師が解説

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あおい

アルカリホスファターゼ(ALP)ってどんな検査値だろう?

・臨床検査値のことを学びたい
・アルカリホスファターゼ(ALP)について知りたい

この記事はこういった悩みをもった方向けです。

あおい

こんにちは。薬剤師のあおい(@yaku_medical)です!

この記事では、臨床検査値のアルカリホスファターゼ(ALP)についてまとめていきます!

目次

【臨床検査値】アルカリホスファターゼ(ALP)ってどんな検査値?

アルカリホスファターゼ(ALP)とは?

🔍 ALP(アルカリホスファターゼ)とは?

ALPは、アルカリ性の環境でリン酸化合物を分解する消化酵素の一種です。
主に「肝臓」「胆道」「骨(骨芽細胞)」「小腸」「胎盤」などに多く存在しており、これらの臓器の状態を映し出す鏡となります。

💡 胆汁の流れをチェックする重要な数値

ALPは、特に「胆汁うっ滞(胆汁の分泌が低下したり、通り道が詰まったりしている状態)」の診断に非常に有用です。
肝機能検査のセットとして、ASTやALTと一緒に測定されることが多い項目です。

⚠️ 2020年4月から基準値が変わりました
現在の基準値(IFCC法)
38 ~ 113 U/L
※従来の基準値(JSCC法)は106~322 U/Lでしたが、現在は世界標準の測定法へ移行しています。
💡 U(ユニット)とは?: 酵素活性の単位で、1分間に1μmolの物質を変換できる酵素の量を「1U」と呼びます。

ALPが変動する要因

📊 ALPが高い原因:病気から生理的要因まで

ALPは、存在する組織(肝臓、骨、胎盤、小腸など)がダメージを受けたり、活発に動いたりすると血液中にもれ出て数値が上昇します。

🔺 高値を示す主な疾患
肝臓・胆道系の異常
  • 急性・慢性肝炎、肝硬変
  • 肝臓がん(早期発見の指標)
  • 胆石症、胆管炎、閉塞性黄疸
  • 薬物性肝障害
骨の異常・その他
  • 骨折、骨肉腫
  • 悪性腫瘍の骨転移
  • 骨軟化症
  • 甲状腺機能亢進症
✨ 病気ではない「生理的要因」での上昇
👶 成長期の小児
骨の成長が盛んで「骨芽細胞」が活発なため、成人の数倍高い値になります。
🤰 妊娠後期
胎盤からALPが血液中へ流れ出すため、一時的に高値を示します。
🍔 高脂肪食の摂取
小腸からもALPが分泌されるため、食後は数値が上がることがあります。
🔻 低値を示す場合
甲状腺機能低下症、亜鉛欠乏、マグネシウム欠乏などが考えられます。

ALPのアイソザイム

🧬 ALPアイソザイム:数値から「原因臓器」を特定する
💡 アイソザイムとは?
働きはほぼ同じですが、アミノ酸配列が異なる「兄弟関係」にある酵素のことです。どの型が増えているかを調べることで、異常が起きている場所を特定できます。
肝臓のイラスト
ALP1・ALP2(肝臓)
🏥 疑われる疾患:
閉塞性黄疸、肝細胞障害、胆道疾患、肝疾患など
骨のイラスト
ALP3(骨)
🏥 疑われる疾患:
骨関連疾患、副甲状腺機能亢進症、成長期の小児など
胎盤のイラスト
ALP4(胎盤)
🏥 疑われる疾患:
悪性腫瘍、妊娠後期など
小腸のイラスト
ALP5(小腸)
🏥 疑われる疾患:
肝硬変、慢性肝炎、慢性腎不全、小腸疾患など
抗体のイラスト
ALP6(免疫グロブリン結合型)
🏥 疑われる疾患:
潰瘍性大腸炎など

Point

📝 おさらい!ALP(アルカリホスファターゼ)の重要ポイント
Point 1 「生理的要因」による上昇をまず疑う
ALPは病気でなくても、ライフステージや生活習慣で大きく変動します。
  • 成長期の小児: 骨の成長が盛んなため、成人の数倍高い値になるのが正常です。
  • 妊娠後期: 胎盤由来のALPが血液中に漏れ出るため、数値が上昇します。
  • 食後の採血: 血液型がB型やO型の方は、食後に小腸由来のALPが増えやすい傾向があります。
Point 2 「ALP単体」での病気特定は困難
ALPは肝臓、胆道、骨など多くの臓器に存在するため、数値が高いだけでは「どこが悪いか」を断定できません。原因を絞り込むには、以下の追加確認が必要です。
  • アイソザイム検査: ALP1〜6のどの型が増えているかを確認する。
  • 他の肝機能値との比較: AST、ALT、γ-GTPなどが同時に上がっていないかチェックする。
Point 3 基準値の「変更」に注意!
💡 大切なこと:
2020年4月以降、多くの施設で測定法が変更され、基準値が従来の約3分の1(38〜113 U/L)になっています。数年前の結果と比較して「急に下がった!」と驚く必要はありません。必ず検査レポートに記載された基準値を確認しましょう。
あおい

肝臓・胆道系かそれ以外の部位かなどを予測することが大切です。

※肝疾患であればAST,ALT,ビリルビンなども活用します。

▼ASTとALTについてはこちらでまとめています。

▼総ビリルビンに関してはこちらでまとめています。

関連問題

📝 実戦問題

アルカリフォスファターゼ(ALP)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. ALPは、アルカリ性環境下でリン酸化合物を分解する酵素である。
  2. 閉塞性黄疸では、主に小腸由来のALPアイソザイム(ALP5)が血中で著明に減少する。
  3. 骨折や骨肉腫では、骨由来のALPアイソザイム(ALP3)が血中で著明に増加する。
  4. 妊娠後期には、胎盤由来のALPアイソザイム(ALP4)が血中で減少する。
  5. 2020年以降、測定法(IFCC法)への変更により、基準値は従来よりも高くなった。
▼ タップして解答・解説を見る
正解: 1 と 3
1. 正しい ⭕

ALPの名前の通り、アルカリ性環境で活性を持つ消化酵素です。

2. 誤り ❌

閉塞性黄疸など胆道系のトラブルで増加するのは、主に肝臓由来のALP1やALP2です。

3. 正しい ⭕

骨折時などは骨を作る「骨芽細胞」が活発になるため、骨由来のALP3が血中に漏れ出し、高値を示します。

4. 誤り ❌

妊娠後期には胎盤由来のALP4が血液中へ流れ出すため、数値は増加します。

5. 誤り ❌

測定法(IFCC法)への移行により、基準値は従来の約3分の1程度(低く)なりました。ここは臨床現場でも間違いやすい重要ポイントです。

最後に

今回は、臨床検査値のアルカリホスファターゼ(ALP)についてまとめていきました。

あおい

他の臨床検査値について知りたい方はこちらで紹介しています♪

»臨床検査値を学ぶ

より詳しく検査値のことを学びたい方は下記の書籍がわかりやすくてオススメです♪

»薬剤師のための基礎からの検査値の読み方 臨床検査専門医×薬剤師の視点
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