総ビリルビン(T-Bil)ってどんな検査値なんだろう?
・臨床検査値のことを学びたい
・総ビリルビン(T-Bil)について知りたい
この記事はこういった悩みをもった方向けです。
こんにちは。薬剤師のあおい(@yaku_medical)です!
この記事では、臨床検査値の総ビリルビン(T-Bil)についてまとめていきます!
【臨床検査値】総ビリルビン(T-Bil)ってどんな検査値?
ビリルビンとは?
ビリルビンとは?
ビリルビン(Bil)の多くは、古くなった赤血球のヘモグロビンに含まれるヘムという物質が脾臓(ひぞう)などで破壊されて産生します。総ビリルビン(T-Bil)は、「黄疸の指標」となります。
※溶血や体質性が原因で値が上昇することもあります。
【総ビリルビン(T-Bil)の基準値】
0.4~1.5 (U/L)
※U(ユニット)とは,酵素活性量の単位で、至適条件で酵素が1分間に1μmolの基質を変換することができる酵素の量が「1U」と定義されています。
脾臓ってどんな臓器?
脾臓には、主に3つの働きがあります!
血液中の赤血球の寿命は約3カ月といわれており、古くなると酸素を運ぶことができなくなってしまいます。
脾臓は古くなった赤血球を破壊し、赤血球に含まれるヘモグロビン(血液中で主に酸素を運ぶタンパク質)のなかから鉄分を取り出し骨髄に送り、鉄分は新しい赤血球を作るために使われています。
(※赤脾髄(せきひずい)の働き)
脾臓には、「白脾髄(はくひずい)」と「赤脾髄(せきひずい)」の2つがあります。
白脾髄(はくひずい)は、感染に対する防御を担う免疫系の一部で、リンパ球と呼ばれる白血球をつくっており、産生されたリンパ球は抗体(異物による侵入から守る特殊なタンパク質)をつくり感染防御として働きます。
抗体については以前まとめています!
赤脾髄(せきひずい)は、赤血球の状態を監視し、異常があったり、古くなったり、傷ついたりして正常に機能しなくなった赤血球を破壊します。
高ビリルビン血症になると?
血液中のビリルビンが増加し、高ビリルビン血症となると、皮膚や眼が黄色くなることがあり、これを「黄疸(おうだん)」といいます。
※黄疸が認められた際には、総ビリルビン値(T-Bil)だけではなく、
✅「直接ビリルビン(D-Bil)優位な上昇か」
✅「間接ビリルビン(I-Bil)優位な上昇か」
などを考えることが重要です。
直接型ビリルビンと間接型ビリルビンとは?
種類 | 別名 | 働き |
---|---|---|
直接ビリルビン(D-Bil) | 抱合型ビリルビン | グルクロン酸抱合を受けて胆汁中に排泄されます。 |
間接ビリルビン(I-Bil) | 非抱合型ビリルビン | 尿中に排泄されることなく肝細胞に取り込まれます。 |
高ビリルビン血症が疑われる疾患
Point
①「直接型ビリルビン」と「間接型ビリルビン」を区別して考える必要がある
②総ビリルビン(T-Bil)だけで原因を特定するのは困難
肝障害マーカーである「AST・ALT」や胆道系酵素である「ALP」や「γ-GT」なども総合的に見る必要があります。
最後に
今回は、臨床検査値の総ビリルビン(T-Bil)についてまとめていきました。
他の臨床検査値について知りたい方はこちらで紹介しています♪
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