心機能検査値のANP・BNP・CNPってどんな検査値なんだろう?
・臨床検査値のことを学びたい
・脳性ナトリウム利尿プチド(BNP)について知りたい
この記事はこういった悩みをもった方向けです。
こんにちは。薬剤師のあおい(@yaku_medical)です!
この記事では、心機能検査値の「心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)」「脳性ナトリウム利尿プチド(BNP)」「C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)」についてまとめていきます!
【臨床検査値】心機能検査値のANP・BNP・CNPの違いは?
ナトリウム利尿ペプチドについて
ナトリウム利尿ペプチドには、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)、脳性ナトリウム利尿プチド(BNP)、C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)の3種類があります。
種類 | 合成・分泌(場所) | 働き |
---|---|---|
心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP) | ANPは、腎臓に働き利尿を促進すると同時に、末梢血管を拡張し血圧降下作用物質としても働く。血中ANPの測定は、浮腫を伴う疾患の診断、特に、心機能、腎機能障害の診断及び重症度の判定、血液透析における体液量の管理に有用。 | |
脳性ナトリウム利尿プチド (BNP) 【分泌場所の覚え方】 Bedroom(寝室)の「B」 | BNPは、心室への伸展ストレスに応じて、速やかに生成・分泌されるため、心室壁への伸展ストレスが増大する心不全では、その重症度に応じて血中濃度が増大する。 | |
C型ナトリウム利尿ペプチド (CNP) | 中枢神経系、血管内皮細胞、単球・マクロファージ など | CNPは、心臓組織からはごくわずかしか産生されず、脳、下垂体、血管内皮などで産生される。 |
【ANP基準値】
43.0(pg/mL)以下
【BNP基準値】
18.4(pg/mL)以下
ANPやBNP、特にBNPは心室への負荷の程度に鋭敏に反映する生化学マーカーです。
BNPとNT-proBNP値の心不全診断
「NT-proBNP」は、前駆体ホルモンである「proBNP」が分解されて生じるホルモンで、BNPと共に1:1の割合で血中に放出され、BNPと同様に心不全で診断の補助に使用されています。
BNPによる指導Point
BNP値が基準値を超えている場合は、その絶対値より、その変動に注目することが大切です。BNP値の概ねの目安を理解しておくと服薬指導などにも繋げやすくなります!
BNPの値とPointをまとめると以下のようになります。
BNP値 | Point |
---|---|
18.4(pg/mL)以下 | BNPの基準値で、この値以下の場合は、潜在的な心不全の可能性は極めて低い。 |
18.4~40(pg/mL) | BNP値が軽度上昇している場合「18.4~40(pg/mL)」は、心不全の危険因子を有している症例でも、直ちに治療が必要となる可能性は低い。 |
40~100(pg/mL) | BNP値が「40~100(pg/mL)」の場合には、軽度の心不全の可能性があり、危険要因が多い症例や心不全を発症する基礎疾患をもつ症例では、胸部レントゲン写真、心電図、心エコー図検査の実施が勧められる。 |
100~200(pg/mL) | BNP値が「100~200(pg/mL)」の場合は、治療対象となる心不全の状態である可能性がある。 |
200(pg/mL)以上 | BNP値が「200(pg/mL)以上」の場合は、治療対象となる心不全の可能性が高い。 |
Point
①ナトリウム利尿ペプチドには、ANP、BNP、CNPの3種類がある
②ANPやBNP、特にBNPは「心室」への負荷の程度に鋭敏に反映する生化学マーカー
③BNPの基準値は「18.4(pg/mL)」以下
まとめ
今回は、心機能検査値の「心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)」「脳性ナトリウム利尿プチド(BNP)」「C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)」についてまとめていきました。
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