【薬剤師国家試験】バセドウ病と橋本病の違いをわかりやすく解説!

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薬学生

バセドウ病と橋本病の違いが中々覚えられない…

この記事はこんな悩みを持った薬学生や医療学生向けです。

あおい

こんにちは。薬剤師のあおい(@yaku_medical)です!

この記事の内容
  • バセドウ病とは?
  • 橋本病とは?
  • バセドウ病と橋本病の違い(まとめ)
  • 関連問題
目次

【薬剤師国家試験】バセドウ病と橋本病の違いをわかりやすく解説!

バセドウ病と橋本病の違いについて

バセドウ病とは?

バセドウ病とは、びまん性甲状腺腫を伴った甲状腺機能亢進症でグレーブス病ともいいます。

以下の甲状腺に対する自己抗体が原因で起こる自己免疫疾患です。

  • 抗TSH受容体抗体(TRAb)
  • 甲状腺刺激抗体(TSAb)

これらの自己抗体が血中に出現して甲状腺を常に刺激することで、負のフィードバック機構が破綻し、過剰な甲状腺ホルモンが継続的に血中に放出される病態(Ⅴ型アレルギー)

特徴
  • 20-40歳代の女性に多い。(男女比:1:2~3)
  • びまん性甲状腺腫、眼球突出、頻脈をメルゼブルクの三徴という
  • 血中T4・T3,FT4・FT3,血中TSH
  • 治療法は薬物療法、外科手術、放射線療法がある

【薬物療法】

①抗甲状腺薬
チアマゾール(MMI)
プロピルチオウラシル(PTU)

②βブロッカー(頻脈の改善)
プロプラノロールなど

③無機ヨード薬
ヨウ化カリウム

※薬物治療では、チアマゾールが第1選択薬

※妊娠初期(5週0日~15週6日)には,チアマゾールを避け,胎児への影響が少ないプロピルチオウラシル無機ヨウ素薬が推奨される.

※複視、視力低下などのバセドウ病眼症状や、甲状腺クリーゼの治療には副腎皮質ステロイドを用いることがある.

バセドウ病の病態

バセドウ病の病態

橋本病とは?

橋本病とは、自己免疫性甲状腺炎の一種であり、甲状腺に対する以下の自己抗体が認められ甲状腺が破壊される甲状腺機能低下症(Ⅲ型アレルギー)。

  • 抗チログロブリン抗体(抗TG抗体)
  • 抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(抗TPO抗体)
    (マイクロゾーム画分に対する自己抗体であることから、抗マイクロゾーム抗体とも呼ばれる)
特徴
  • 40〜50歳代の中年女性に好発
  • 顔面及び四肢に圧痕を残さない粘液水腫
  • 血中FT3・FT4,TSH
  • 治療法は甲状腺ホルモンの補充療法

【薬物療法】

①甲状腺ホルモン製剤
チロキシン(T4)製剤・・・チラーヂンS(レボチロキシン
トリヨードチロニン(T3)製剤・・・チロナミン(リオチロニンナトリウム

※活性はT3>T4なので通常の補充目的にはレボチロキシンを用いる

※先天的な甲状腺形成不全により甲状腺ホルモンの分泌が欠乏するものはクレチン病と呼ぶ。

橋本病の病態

橋本病の病態

バセドウ病と橋本病の違い(まとめ)

作用バセドウ病
(Ⅴ型アレルギー)
橋本病
(Ⅲ型アレルギー)
TRAb
(抗TSH受容体抗体)
TSAb
(甲状腺刺激抗体)
甲状腺刺激
ほとんど陽性

陰性
×
抗TPO抗体
(抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体)
抗TG抗体
(抗チログロブリン抗体)
免疫学的機序による破壊
陽性となることもある

ほとんど陽性
TSH
(甲状腺刺激ホルモン)
甲状腺ホルモンの分泌
TC
(総コレステロール)
特徴

びまん性甲状腺腫
眼球突出
頻脈
体重減少
太鼓ばち指
前脛骨粘液水腫
びまん性甲状腺腫
皮膚粘液水腫
徐脈
嗄声(させい)
心拡大
代謝機能低下症状
バセドウ病と橋本病の違い(まとめ)

関連問題

関連問題

解答

関連問題(解答)

最後に

今回は、甲状腺機能異常症のバセドウ病と橋本病の違いについて解説しました。

薬学生

どっちがどっちだっけ?

となってしまいやすい疾患ですのでまとめの表の部分をテスト前の確認に使って頂けたら幸いです。

バセドウ病と橋本病の違いについて

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