第110回
問146
理論問題|法規・制度・倫理
医療事故調査制度における医療事故の対応
問146(理論)
医療法に基づく医療事故調査制度における医療事故の対応に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
1
報告先は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)である。
—
2
対象となる医療事故は、医療に起因する入院治療を必要とする程度の健康被害である。
—
3
病院の管理者は、病院の開設許可権者に申し出て、医療事故に該当するか否かの判定を受けなければならない。
—
4
病院の管理者は、医療事故が発生した場合、遅滞なく、定められた報告先に報告しなければならない。
—
5
病院の管理者は、医療事故が発生した場合、原因を明らかにするために調査を行わなければならない。
—
正解です!
解説で医療事故調査制度の対象・報告先・手続きを確認しましょう。
不正解です。正解は 4、5 です。
解説で医療事故調査制度の対象・報告先・手続きを確認しましょう。
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医療事故調査制度は、2015年(平成27年)に医療法に基づいて創設された制度で、「医療の安全確保」を目的として、院内調査を通じた原因究明と再発防止を図る仕組みです。医薬品副作用の報告制度(PMDAへの報告等)とは異なる、独立した制度である点に注意が必要です。
医療事故調査制度の概要(医療法第6条の10〜第6条の27)
・対象となる「医療事故」の定義:医療に起因し、又は起因すると疑われる死亡又は死産であって、当該病院等の管理者が予期しなかったもの(単なる入院治療を要する健康被害ではない)
・該当性の判断:医療事故に該当するか否かは、病院等の管理者自身が判断する(開設許可権者の判定を受ける仕組みではない)
・報告先:民間の第三者機関である医療事故調査・支援センター(PMDAではない)
・報告義務:医療事故が発生した場合、病院等の管理者は遅滞なく医療事故調査・支援センターに報告しなければならない
・調査義務:病院等の管理者は、医療事故の原因を明らかにするため、遅滞なく院内調査を行わなければならない
・対象となる「医療事故」の定義:医療に起因し、又は起因すると疑われる死亡又は死産であって、当該病院等の管理者が予期しなかったもの(単なる入院治療を要する健康被害ではない)
・該当性の判断:医療事故に該当するか否かは、病院等の管理者自身が判断する(開設許可権者の判定を受ける仕組みではない)
・報告先:民間の第三者機関である医療事故調査・支援センター(PMDAではない)
・報告義務:医療事故が発生した場合、病院等の管理者は遅滞なく医療事故調査・支援センターに報告しなければならない
・調査義務:病院等の管理者は、医療事故の原因を明らかにするため、遅滞なく院内調査を行わなければならない
各選択肢の解説
× 1 報告先は医療事故調査・支援センターであり、PMDAではない。PMDAは医薬品・医療機器の副作用・不具合報告制度における報告先である
× 2 対象となる医療事故は「医療に起因し、又は起因すると疑われる死亡又は死産であって予期しなかったもの」であり、単に入院治療を要する程度の健康被害ではない
× 3 医療事故に該当するか否かは病院の管理者自身が判断するものであり、開設許可権者の判定を受ける必要はない
◯ 4 医療事故が発生した場合、病院の管理者は遅滞なく定められた報告先(医療事故調査・支援センター)に報告しなければならない。正しい記述である
◯ 5 医療事故が発生した場合、病院の管理者は原因を明らかにするために院内調査を行わなければならない。正しい記述である
× 1 報告先は医療事故調査・支援センターであり、PMDAではない。PMDAは医薬品・医療機器の副作用・不具合報告制度における報告先である
× 2 対象となる医療事故は「医療に起因し、又は起因すると疑われる死亡又は死産であって予期しなかったもの」であり、単に入院治療を要する程度の健康被害ではない
× 3 医療事故に該当するか否かは病院の管理者自身が判断するものであり、開設許可権者の判定を受ける必要はない
◯ 4 医療事故が発生した場合、病院の管理者は遅滞なく定められた報告先(医療事故調査・支援センター)に報告しなければならない。正しい記述である
◯ 5 医療事故が発生した場合、病院の管理者は原因を明らかにするために院内調査を行わなければならない。正しい記述である
引っかけポイント:
・選択肢1:医薬品副作用報告制度(PMDA)と医療事故調査制度(医療事故調査・支援センター)という、似て非なる2つの制度・報告先を混同しないよう注意する
・選択肢2:対象となる医療事故の定義を「入院治療を要する健康被害」と一般的な表現にすり替えている点に注意する。正しくは「死亡又は死産」に限定される
・選択肢3:医療事故該当性の判断主体を「病院の管理者」から「開設許可権者」にすり替えている点に注意する。判断はあくまで管理者自身が行う
・選択肢1:医薬品副作用報告制度(PMDA)と医療事故調査制度(医療事故調査・支援センター)という、似て非なる2つの制度・報告先を混同しないよう注意する
・選択肢2:対象となる医療事故の定義を「入院治療を要する健康被害」と一般的な表現にすり替えている点に注意する。正しくは「死亡又は死産」に限定される
・選択肢3:医療事故該当性の判断主体を「病院の管理者」から「開設許可権者」にすり替えている点に注意する。判断はあくまで管理者自身が行う
臨床メモ▼


薬剤師 あおい
医療事故調査制度は、責任追及を目的とするものではなく、「原因究明と再発防止」を主眼に置いた制度であることが大きな特徴です。院内調査の結果は、遺族への説明や、医療事故調査・支援センターへの報告を通じて、同種の事故の再発防止に活かされます。
病院薬剤師として勤務する場合、調剤過誤や薬剤関連の重大インシデントが「医療事故」の定義(予期しない死亡・死産)に該当する可能性がある場面では、この制度の存在と、通常のインシデントレポートとの違いを理解しておくことが、組織としての適切な対応につながります。










