【第110回薬剤師国家試験】問183 日本薬局方一般試験法 解説

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第110回 問183
第110回 問183
理論問題|薬剤
日本薬局方一般試験法
問183(理論)
日本薬局方一般試験法に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
1
製剤均一性試験法において、医薬品の有効成分含量が5 mgで、有効成分濃度が2.5%の素錠には、質量偏差試験が適用できる。
2
溶出試験法には、パドルオーバーディスク法、シリンダー法及び縦型拡散セル法がある。
3
カールフィッシャー法は、試料のオスモル濃度を凝固点降下法を用いて測定する方法である。
4
エンドトキシン試験法は、ライセート試薬を用いてグラム陰性菌由来のエンドトキシンを検出又は定量する試験法である。
5
注射剤の採取容量試験法は、表示量よりやや過剰に採取できる量が容器に充填されていることを確認する試験法である。
正解です!
解説で各試験法の内容を確認しましょう。
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不正解です。正解は 4、5 です。
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日本薬局方一般試験法は製剤の品質を保証するための試験法群であり、それぞれの試験が「何を」「どのような原理で」測定・確認するのかを正確に区別することがポイントです。似た名称の試験法や、異なる試験法同士の原理・適用条件の混同に注意しましょう。

各試験法の正しい理解
製剤均一性試験法(質量偏差試験の適用条件):質量偏差試験は、有効成分含量が25 mg以上、かつ有効成分濃度が25%以上の製剤に適用できる。本問の医薬品(5 mg、2.5%)はいずれの基準も満たさないため、質量偏差試験ではなく含量均一性試験を適用する必要がある
溶出試験法:日局の溶出試験法は主に回転バスケット法・パドル法・フロースルーセル法から構成される。パドルオーバーディスク法・シリンダー法・循環セル法などは経皮吸収型製剤の放出試験法に分類される試験法であり、通常の溶出試験法とは別の試験項目である
カールフィッシャー法:試料中の水分含量を化学的滴定により定量する方法であり、オスモル濃度(浸透圧)を凝固点降下法で測定するのは別の試験法(浸透圧測定法)である
エンドトキシン試験法:カブトガニ(リムルス)血球抽出成分から調製したライセート試薬を用いて、グラム陰性菌由来のエンドトキシンを検出・定量する試験法である
注射剤の採取容量試験法:注射剤容器から実際に採取できる液量が表示量をやや上回っていることを確認する試験であり、注射器等での採取時のロス(残留分)を見込んだ充填が行われているかを検査する
各選択肢の解説
× 1 質量偏差試験の適用条件(有効成分含量25 mg以上かつ濃度25%以上)を満たしておらず、5 mg・2.5%の製剤には含量均一性試験が適用される
× 2 パドルオーバーディスク法・シリンダー法・縦型拡散セル法は経皮吸収型製剤の放出試験法に分類される試験法であり、通常の溶出試験法の分類ではない
× 3 カールフィッシャー法は水分含量の定量法であり、オスモル濃度(浸透圧)の測定法ではない
◯ 4 エンドトキシン試験法がライセート試薬を用いてグラム陰性菌由来のエンドトキシンを検出・定量するという記述は正しい
◯ 5 注射剤の採取容量試験法が表示量よりやや過剰な充填量を確認する試験であるという記述は正しい
引っかけポイント:
・選択肢1:質量偏差試験の適用条件(含量25 mg以上・濃度25%以上)の数値を正確に覚えていないと、5 mg・2.5%という一見「小さい値」から誤って判断してしまう
・選択肢2:経皮吸収型製剤の放出試験法に分類される試験法の名称が、通常の溶出試験法の分類にすり替えられている
・選択肢3:カールフィッシャー法(水分定量)とオスモル濃度測定法(浸透圧測定、凝固点降下法)という異なる2つの試験法が意図的に混同されている
臨床メモ
あおい
薬剤師 あおい

エンドトキシン試験法(LAL試験)は、注射剤や輸液など血管内に直接投与される製剤で発熱性物質(パイロジェン)混入がないことを確認するために不可欠な試験です。エンドトキシンが混入した製剤を投与すると、発熱・悪寒・血圧低下などのショック症状(エンドトキシンショック)を引き起こす危険があります。

注射剤の採取容量試験は、実務で薬液を注射器に吸引する際のロス(デッドボリューム、バイアル内壁への付着等)を考慮したものです。特に高価な薬剤や希少疾病用医薬品では、表示量ぴったりしか充填されていないと必要量を確保できないことがあるため、こうした規格の意義を理解しておくことが大切です。

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