【第110回薬剤師国家試験】問41 細胞膜の形態変化を伴う高分子医薬品の輸送機構 解説

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第111回 問41
第111回 問41
必須問題|薬剤
細胞膜の形態変化を伴う高分子医薬品の輸送機構
問41(必須)
下図のように、細胞膜の形態変化を伴って高分子医薬品を細胞内へ取り込む輸送機構はどれか。1つ選べ。
エンドサイトーシスの模式図
1
単純拡散
2
促進拡散
3
一次性能動輸送
4
二次性能動輸送
5
膜動輸送
正解です!
解説で膜動輸送と他の輸送機構の違いを確認しましょう。
×
不正解です。正解は 5 です。
解説で膜動輸送と他の輸送機構の違いを確認しましょう。
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図は細胞膜が陥入して小胞を形成し、高分子医薬品を細胞内に取り込む様子を示しています。これは膜動輸送(エンドサイトーシス)です。

膜動輸送(エンドサイトーシス)とは
細胞膜が変形・陥入して小胞(エンドソーム)を形成し、細胞外の物質を細胞内に取り込む機構。細胞膜の形態変化を伴うのが最大の特徴。

飲食作用(ピノサイトーシス):液体・溶質を取り込む。高分子医薬品(タンパク製剤・核酸医薬など)はこの経路で吸収される
食作用(ファゴサイトーシス):マクロファージ等が異物・細菌を取り込む
受容体介在性エンドサイトーシス:受容体に結合した後に取り込まれる(例:LDL、インスリン)
各輸送機構の比較
× 1 単純拡散:濃度勾配に従い、トランスポーター不要。脂溶性小分子(O₂、CO₂、エタノール等)
× 2 促進拡散:濃度勾配に従い、トランスポーター(担体)を必要とする。グルコース(GLUT)等
× 3 一次性能動輸送:ATPを直接消費して濃度勾配に逆らって輸送。Na⁺/K⁺-ATPase等
× 4 二次性能動輸送:Na⁺等のイオン勾配(一次能動輸送で形成)を利用して濃度勾配に逆らって輸送。SGLT、PEPT1等
◯ 5 膜動輸送(エンドサイトーシス)細胞膜の形態変化(陥入→小胞形成)を伴う。高分子医薬品の細胞内取り込みに重要
輸送機構 担体 ATP 勾配 代表例
単純拡散 × × 順方向 O₂・CO₂・脂溶性薬物
促進拡散 × 順方向 グルコース(GLUT)・フルクトース
一次性能動輸送 逆方向 Na⁺/K⁺-ATPase・H⁺/K⁺-ATPase
二次性能動輸送 ×※ 逆方向 SGLT(Na⁺共輸送)・PEPT1
膜動輸送 ★ 高分子医薬品・LDL・インスリン

※ 二次性能動輸送はATPを直接は使わないが、Na⁺勾配の形成に一次性能動輸送(ATP)が必要

引っかけポイント:
選択肢2(促進拡散)も担体(トランスポーター)を使うが、細胞膜の形態変化は伴わない
・膜動輸送は高分子(タンパク質・核酸・リポソーム製剤等)の取り込みに特有の経路。「形態変化を伴う」=膜動輸送と即答できるようにしておく
臨床メモ
あおい
薬剤師 あおい

膜動輸送(エンドサイトーシス)は、インスリン・抗体薬・遺伝子治療薬(mRNA・siRNA)など、分子量が大きく細胞膜を直接透過できない医薬品の細胞内送達に不可欠な経路です。

近年のDDS(ドラッグデリバリーシステム)では、リポソームやナノ粒子製剤がエンドサイトーシスを積極的に利用して細胞内に薬物を送り込む設計がされています。mRNAワクチン(新型コロナワクチン)もLNP(脂質ナノ粒子)がエンドサイトーシスで細胞内に入り、エンドソームから脱出してmRNAを放出する仕組みです。

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